今年の締めくくりとして、2012年11月20日から2020年11月30日までの、約8年間の「認知症外来初診時における臨床診断結果」を報告する。 「アルツハイマー型認知症+特発性正常圧水頭症」といったような複数の認知症疾患を合併しているケースや、進行性核上性麻痺や大…
くも膜下出血後の方を1年間フォローした経過を紹介する。 経過中に圧迫骨折があったりパーキンソニズムが目立つようになったりなど色々あったが、何とか入院することなく、かつ介入当初よりも改善に持っていくことが出来た。 このような症例は恐らく、診療科を分…
30代の女性Aさんが、頭痛と物忘れの相談で来られた。 「まず認知症ではなかろう」と思いながら形式的に行った長谷川式テストは満点で、視空間認知テストも問題はなかった。 「発作が来ると光をまぶしく感じる」という症状は片頭痛的だったが、どちらかといえば天候や…
炭水化物を外して野菜含めオカズをしっかり食べるというシンプルな方法のみで(サプリをサポートで軽く入れてはいる)、介入から約3ヶ月で大幅にHbA1cの改善が得られた男性を紹介する。 今後期待するのは体重減だが、元々が肥満だったようなので、ある程度で頭打ち…
動脈が硬くなり、血管の弾力性が失われた状態のことを「動脈硬化」と呼ぶ。 動脈硬化が起きる原因として 喫煙 複数回繰り返される食後高血糖 この2つを個人的には重視している。コレステロール値が高いだけで動脈硬化が起きるわけではないことを知っておくのは大…
新薬は通常、市販後1年間は2週間の処方日数制限がかかる。 その薬が安全なのかどうかを、処方する医者が十分観察する機会を担保するためだと思われるが、月に2回、1年間で25回ほどの診察が必要となると自分も患者も大変なので、よっぽどの理由がなければ新薬を使う…
外科の休日当番医をしていたある日、「投げ釣りで竿を振ったら、後頭部にルアー(疑似餌)の針が刺さって抜けなくなった」という小学生が来院した。 返しのついた3つの針のうち、2つが右後頭部に刺さっていた>_
10月31日の南日本新聞のトップに、「発熱受診は813医療機関」という見出しの記事が載っていた。
現在80歳の女性Aさん。 当院を受診する1年半ほど前から、ご主人はAさんの物忘れと怒りっぽさが気になり始めた。 専門の病院を受診したところアルツハイマー型認知症の診断が下され、ドネペジル3mgが開始となり2週間後には5mgに増量された。
90歳を目前にした独居女性に、17種類の薬が投与されている状況を目の当たりにした時に、 「これはマズいんじゃないか?」 と思うか、それとも 「これだけの薬を飲まないといけないほど、具合が悪い人なのだろう」 と思うか。
診断から10年経過したパーキンソン病の女性が、他院より転医希望でやってきた。 彼女が転医を希望した理由は、ただ一つ。 「かかりつけ医に何度お願いしても、薬を変えて貰えないから」
今回紹介する方は、90歳の女性Aさん。10年前にアルツハイマー型認知症と診断された方だった。 経験とは有り難いもので、目の前に現れたAさんを一目見て、「10年経過したアルツハイマー型認知症ではないだろうな」と判断できた。
2020年10月、クリニックを法人化した。 2016年4月に開業して4年半で打った、一つのマイルストーン。 法人という縛りの中で、自由を探索する 法人名を考えるのは、生まれてくる子どもの名前を考えるのと似た楽しい作業だった。 医師という職業の持つ公益性を自覚して…
2011年の9月から始めた糖質制限が、この9月で10年目に入った。 最近はコロナ渦で多少の緩みは生じているが、体調は大きくぶれることなく良好である。 先日行った血液検査の結果を、単位を省略して以下に示す。左が1年前で右が今回の結果だが、目だった異常値はない。
当院のある一日を切り取ってみる。 母親を施設に入れるかどうかで悩み、うつを発症してしまったAさん。抗うつ薬を飲むようになり2年経ち、病状は安定しているので薬を減らしたいとのご希望だった。 予約枠は空いていなかったのだが、たっての希望で受診となった。診…
苦虫を噛みつぶしたような表情で人を罵る、強面の女性患者Aさんとの思い出を語ろう。
高齢者の妄想言動は認知症と結びつけられがちだが、認知症であれば通常、生活全般を営む力が衰えてくる。 生活力は維持されているにも関わらず妄想のみが突出している場合は、認知症ではなく遅発性パラフレニーである可能性が高い。
日本医師会が、医師会の提唱する新型コロナウイルス感染防止対策を遵守する病院に対して、「みんなで安心マーク」なるポスターを発行している。 8月26日14時30分の時点で7651施設に発行されたとのこと。
今回は、抑肝散・抑肝散加陳皮半夏の使い方を紹介する。
今回紹介する方の処方ポイントを、簡単にまとめる。「何かを足したら、何かを引く」のはいつも通り。 抑肝散はタイミングが大事 ベンゾジアゼピンの多重処方は避ける トラゾドンの抗不安作用・睡眠作用は侮れない(特に高齢者) 抑肝散の使い方については、次回まとめ…
2ヶ月ほど前からプラセンタ注射を始めた。今のところ、患者さん達の評判は軒並み良好である。
久しぶりに、特発性正常圧水頭症(iNPH)の記事。 特発性正常圧水頭症とは、脳と脊髄を満たしている脳脊髄液(髄液)が過剰に脳内(脳室系・くも膜下腔)に貯留し、脳を圧迫することで すり足歩行 認知機能低下 頻尿・尿失禁 などの、「正常圧水頭症の3徴候」と呼ばれる症状…
今回紹介する超高齢女性は、なかなかに手強い人だった。 手応えのあったウインタミンが副作用で使えなくなったのは痛かったが、最終的には、初期から入れていたトラゾドンが、睡眠のみならず全体を上手くまとめてくれた。
「私は悪くない。悪いのは〇〇だ。」 年を重ねるか認知症になるかして抑制機能(≒前頭葉機能)が失われたとき、これまでの被害的な思考の癖が形を変えて露わになることがある。例えば、「物盗られ妄想」のように。
ケアマネから医者に届く「ケアマネ連絡票」というものがある。 その内容は、ケアプランの相談や患者さんの近況報告、また介護保険更新のための情報提供だったりと様々だが、先日 家族の希望で施設入所を予定しています。よろしいでしょうか?(原文ママ) このような質…
「仕事でミスが目立ちすぎる」という理由で、上司に同伴されて当院を訪れたAさんの年齢は50歳だった。
診察室という密室の中で行われる医者と患者のやり取りが表に出ることはなく、また病院の診療報酬請求が適切かどうかをチェックする支払基金も、薬の処方根拠を一つ一つ医者に質してくることは通常ない。
先日、新型コロナウイルス(以下、コロナ)の血清抗体検査を受けてみたのだが、結果は「陰性」だった。
今回の症例の教訓。 ドネペジルを10mg使ってやっと改善が見られる患者さんはそういない。 トラムセットによる肝機能異常、食欲不振の頻度は結構ある リリカは定型的に朝夕、朝昼夕などと使うよりも、特に痛みで困る時間帯の前で1回だけ多めに使うと良いことがある…
妄想とは、「現実にはあり得ないことだが、他者が訂正不能で、本人だけが確信している観念」のことである。 バリエーションは無限にあるが、例えば以下のようなやりとりの場合、妄想を言っているのは母親である。 母親「私のお気に入りの香水が、いつの間にか薄くなって…
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