鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

2017-03-01から1ヶ月間の記事一覧

【症例報告】初診時から語義失語が目立った意味性認知症の方。

初診時からかなり語義失語の目立った方であった。周辺症状がほとんど出ないまま経過してくれているのが救いだが、中核症状進行により介護負担度は少しずつ増している。 早期に質の高い介護サービスに繋げられるかどうかは、その後の介護に大きく影響する。

シロスタゾール(プレタール)、台湾の研究で「認知症リスクを低下させる可能性あり」とのこと。

高まる期待。 www.carenet.com 上記リンクより一部引用。

変則的な二人三脚治療。

今回紹介するのは、出来れば薬剤全てを当方で預かりたいと考えている方。 ただ、色々な事情*1がおありのようなので、変則的ではあるが当院で糖質制限指導及び薬剤調整の工夫をお伝えし、糖尿病専門医の処方する薬剤を患者さんと2人3脚で*2調整中である。 *1:病状に…

過食の原因として、また認知症リスクとしての鉄欠乏について。

質的栄養失調による体調不良をきたしている患者さん達を診るようになり、そこで得られた知見を認知症診療にも応用するようになった。 質的栄養失調については、下記を参考に。 www.ninchi-shou.com

スタチンを用いることで、アルツハイマー病のリスクを減少させることができる?

同様の研究はこれまでも行われてきており、その結果は否定的だと思っていたのだが。 今回、CareNetで見かけた記事から考えたことを、文中記事を引用しながら書いていく。

問題解決のプロセスについて。

ある認知症患者さんを診察し、アルツハイマーの可能性が高いかなと考え、アリセプトを処方しようと考えるまでの自分の思考過程を振り返る。

プレタールの血管拡張作用が良くわかる画像。

4年程前の症例を紹介する。 50代女性、脳梗塞後遺症の方。MRAで右後頭動脈に高度狭窄(硬化性変化)を認めていた。そのVR画像が以下。

【症例報告】釣藤散で頭痛が消失。

高齢者の「首から上の」慢性的なお悩みに、釣藤散が著効することをしばしば経験する。 慢性的なお悩みとは、頭痛であったり頭重感であったり、めまいや耳鳴りであったりと様々である。また、使っている間に血圧が下がってくることもしばしば経験するので、内服中の降…

「統計学的に正しい」=「医学的に正しい」?

ある薬が世に出るためには通常、プラセボ(偽薬)もしくは同ジャンルの他剤との比較対照試験を行い、最低でも非劣勢(劣ってはいない)を示す必要がある。 いつものようにアリセプトを例に取るが、添付文書からは以下のような試験を経て世に出たことが分かる。

納得いかないディオバン事件の結末。

ディオバン事件とは何か。 ディオバン事件(ディオバンじけん)とは、高血圧の治療薬であるディオバン(一般名:バルサルタン)の医師主導臨床研究にノバルティス日本法人のノバルティスファーマ社の社員が統計解析者として関与した利益相反問題(COI: Confi…

中学生が抗うつ薬を飲む理由。

自分が学校に行きたいから?それとも、母親が子供を学校に行かせたいから?

認知症初期集中支援チームから、初めて案件依頼がありました。

地域包括支援センターから認知症初期集中支援チームへの委嘱を受けて、そろそろ1年近く経つ。 しかし、相談の案件が全く来ないので「本当に活動実体があるのかな?」と思っていたところ、先日やっと一件目の相談があった。 聞くところによると、1年弱の間に35件の案件…

道路交通法改正によって医者が引き受けることになる「損害賠償請求」のリスク。

道交法改正で我々医者が引き受けるリスクについて、認知症関連学会が連名で作成した、「認知症高齢者の自動車運転に関する専門医のための Q&A 集」から引用しながら考えてみる。 発行日が本日(平成29年3月14日)なので、できたてホヤホヤである。赤文字強調部分は筆…

世間の常識に縛られず、自分に合った食生活が出来れば・・・。

病的レベルの鉄不足とタンパク質不足によるものと思われる頭痛めまいでお悩みの方達は、皆さんほぼ女性である。

【妄想的小考】貧困と脳萎縮の関係から、デフォルトモード・ネットワークと糖質過剰摂取の関係まで考えてみた。

Gigazineから。 gigazine.net 可処分所得が少ないと、食費にしわ寄せがいく。限られた食費の中で、満腹感と効率よいカロリー摂取、時短が重視されると、糖質摂取量が最大化される。 糖質摂取量が最大化されると肥満に繋がりやすく、古くから貧困と肥満の相関関係は指…

道路交通法改正で懸念される、幾つかの点について。

いよいよ道路交通法が改正となる。 今年の1月に、鹿児島県医師会主催による道交法改正に関する説明会が行われたので参加した。 当日配付された資料を基に、改正道交法の問題点や自分の関わり方について、改めて考えてみた。

NAC(N-アセチルシステイン)に危険性はあるのか?

ここ2回にわたってNACを取り上げてきたが、今回で一応最後。 メリットしかない処方薬やサプリメントなどあり得ない訳だが、では抗酸化作用が期待出来るサプリメントのNACについて、危険性はあるのか否かを調べてみた。

【症例報告】薬剤性の前向性健忘(疑)に対するNACの使用例。

前回の記事は以下。 www.ninchi-shou.com 今回は、具体的なNACの使用例をご紹介。

NAC(N-アセチルシステイン)について。

NAC(Nアセチルシステイン)とは含硫アミノ酸であるシステインの誘導体で、強力な抗酸化作用(還元作用)を持つグルタチオンの前駆物質である。

偶然の産物。アリセプト+レミニールの同時処方が著効していた、レビー小体型認知症+特発性正常圧水頭症の方。

現在保険で認可されている抗認知症薬は4種類ある。 アリセプト レミニール リバスタッチパッチ(イクセロンパッチ) メマリー 1~3はAchE阻害剤(アセチルコリンエステラーゼ阻害剤)で、4のメマリーだけ作用機序が違う。 1+4、2+4、3+4という処方は可能だが、1+2のよう…

インフルエンザの感染拡大を抑える工夫について。

うちの子どもが熱発したので、簡易インフルエンザ診断キットで調べてみたところ陽性であった。 その翌日に妻が発症し、更にその翌日に自分が発症するという、典型的な家族内感染となったのだが、幸いにも自分が罹患したタイミングは週末であったこともあり、仕事へ…

インフルエンザウイルスが、診断キットで検出されなくなるまでの期間について。

先日、インフルエンザに罹った。 はっきりとインフルエンザと診断されて学校や仕事を休んだ記憶はないので、ひょっとしたら人生初だったかもしれない。 簡単に、今回の経緯を時系列でまとめる。以下の写真は、診断キットで自分のウイルス排出具合を確認したものであ…