今回は、漢方による頭痛治療が奏功した2例を紹介する。 Instagramでも漢方による改善例を紹介しているので、ご興味の方は覗いてみて欲しい。
当院には、頭痛の相談で看護師さんや介護福祉士さんがよく訪れる。 1735名の医療・介護従事者を対象としたアンケート調査では、特に看護師と介護福祉士において慢性頭痛有病率が高いことが明らかとなっている。*1 *1:「医療福祉従事者における慢性頭痛の現状と業務…
Aさんは、同居する夫と息子さんに伴われて来院した。 「高齢となった父母の、念のための診察」という体であったが、お子さんからは事前に「精神病と思われる母親を診て欲しいが、自分一人の診察だと感づくと絶対に受診しない人なので、父親も連れて行くから形だけでも…
くも膜下出血後の方を1年間フォローした経過を紹介する。 経過中に圧迫骨折があったりパーキンソニズムが目立つようになったりなど色々あったが、何とか入院することなく、かつ介入当初よりも改善に持っていくことが出来た。 このような症例は恐らく、診療科を分…
30代の女性Aさんが、頭痛と物忘れの相談で来られた。 「まず認知症ではなかろう」と思いながら形式的に行った長谷川式テストは満点で、視空間認知テストも問題はなかった。 「発作が来ると光をまぶしく感じる」という症状は片頭痛的だったが、どちらかといえば天候や…
外科の休日当番医をしていたある日、「投げ釣りで竿を振ったら、後頭部にルアー(疑似餌)の針が刺さって抜けなくなった」という小学生が来院した。 返しのついた3つの針のうち、2つが右後頭部に刺さっていた>_
診断から10年経過したパーキンソン病の女性が、他院より転医希望でやってきた。 彼女が転医を希望した理由は、ただ一つ。 「かかりつけ医に何度お願いしても、薬を変えて貰えないから」
高齢者の妄想言動は認知症と結びつけられがちだが、認知症であれば通常、生活全般を営む力が衰えてくる。 生活力は維持されているにも関わらず妄想のみが突出している場合は、認知症ではなく遅発性パラフレニーである可能性が高い。
「仕事でミスが目立ちすぎる」という理由で、上司に同伴されて当院を訪れたAさんの年齢は50歳だった。
妄想とは、「現実にはあり得ないことだが、他者が訂正不能で、本人だけが確信している観念」のことである。 バリエーションは無限にあるが、例えば以下のようなやりとりの場合、妄想を言っているのは母親である。 母親「私のお気に入りの香水が、いつの間にか薄くなって…
「お宅から貰った薬が全然効かないので、もう行きませんから!」 Aさんの奧さんから凄い剣幕で電話がかかってきたと、受付スタッフが困惑した表情で報告に来た。
女性の頭痛や肩こり、めまいや不眠などの症状の背景に鉄タンパク不足が隠れていることが多い。 今回紹介する方は頭痛とめまいで来院されたのだが、採血でフェリチンが1.1と見たこともない極低値だった。11ではなく、1.1である。
以前にも報告したことがあるが、抗めまい薬のジフェニドールを片頭痛の予兆時に内服することで、発作を抑制することに成功した女性を紹介する。 片頭痛は吐き気や光のまぶしさ、音過敏、嗅覚過敏など多彩な随伴症状を伴うことがあるが、「めまい」が随伴症状にある方…
先日、「たんこぶが治らずにブヨブヨしているので診て欲しい」というご相談を受けた。 聞くと、2週間前に転んで頭を打撲し、その後じわじわとたんこぶが膨らんでき改善しないため受診したという経緯だった。
今回紹介するのは、薬物乱用頭痛(medication overuse headache :MOH)に嵌まり、毎日のように市販鎮痛薬のイブを服用していたAさん(女性)である。多い日は一日3錠飲むこともあったそう。 薬物乱用頭痛とは、通常は急性期に使用する頭痛治療薬を乱用することにより、…
脳動脈瘤が破裂して発症する「くも膜下出血」という病気がある。 破裂した瞬間、「人生最悪の痛み」と表現されるほどの激しい頭痛に襲われ身動きが取れなくなるため、ほとんどの患者さんは救急車で病院に運ばれる。 だが、ごく稀に外来に歩いてこられるくも膜下出血の…
めまいの治療で頻用される「メリスロン・アデホス・メチコバール」という薬がある。自分は勝手に「耳鼻科三点セット」などと呼んでいる 。 自分のめまい診療では、圧倒的に漢方の出番が多い。救急薬の五苓散を筆頭に、苓桂朮甘湯、半夏白朮天麻湯、真武湯などを駆使して対…
くも膜下出血と診断され徳島県立中央病院(徳島市)で手術を受けた県内の女性が、執刀医が注意義務を怠ったため両目を失明したなどとして、同病院を運営する県と執刀医に計約1億5600万円の損害賠償を求めて17日までに徳島地裁に提訴した。 訴状による…
Fさんは70代の女性である。 「数分前の記憶が抜け落ちる」、「同じものを何度も買ってくる」という訴えで、夫に伴われてもの忘れ外来を受診した。 多少の自覚はあったものの本人は困っておらず、「困った困った」と言い募っていたのは夫だった。
今回は、そろそろ100歳になろうとする超高齢女性を紹介する。 補中益気湯は、インフルエンザ罹患後の気力体力低下にしばしば著効する。また、病後の回復だけではなくインフルエンザの予防効果も期待出来る。*1 ちなみに、補中益気湯が奏功した人には清暑益気湯もお…
今回は、他院でアルツハイマー型認知症の診断にてドネペジルが処方されていたATさんに対して行った工夫を紹介する。 ちなみに、よくあることだがアルツハイマー型認知症ではなかったのでドネペジルは止めている。その上で行った工夫、ということである。 不安や抑…
嘘のような本当の話。
ある30代女性のHunt症候群の治療で経験したことをシェアする。
MMさんは84歳の男性である。 当院のもの忘れ外来を受診したが、長谷川式テストはほぼ満点だった。認知症の可能性はほぼなかったのだが、「記憶が飛ぶ」、「ボーッとしている」という訴えから、認知症ではない別の病気の可能性が浮上した。
前回の記事は、顔面神経麻痺についてであった。 今回は、めまいとヘルペスウイルスとの関係について書いてみる。
年配の患者さん達が「私は昔、顔面神経痛をやったことがあってね~」と外来で言うことがあるのだが、顔面神経痛という病名(医学用語)は存在しない。 患者さん達の言う顔面神経痛とは、恐らく顔面神経麻痺のことを指していると思われる。 その証拠に、「顔面神経痛を~」…
先日、知人から嬉しい報告を貰った。
年に数人は見かける、橈骨神経麻痺による下垂手について。
自分は脳神経外科医なので、普段から頭痛の患者さんを数多く診ている。 頭痛のおおよそのパターンは把握したつもりになっていたのだが、先日まったく診たことのない(聞いたことのない)頭痛に遭遇したので、今回はそのことを書いてみる。
先日、ケアマネさんの紹介で来院された方をご紹介。
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