鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

2015-09-01から1ヶ月間の記事一覧

アルツハイマー型認知症疑いで紹介された、皮質基底核変性症(CBD)の方。

まず気になったのは、初見時にアルツハイマーの印象を全く受けなかったこと。 その患者さんは、DLBやCBDの方が呈するどことなく暗い表情で入室された。変性性認知症疾患の場合、これまでブログで取り上げてきたピック感やレビー感など、初見で「お?」と思わ…

ウインタミン(コントミン)が、何故頭痛に効くのだろうか?

高齢者の器質的な原因のない頭痛や、頭がわんわん症候群(仮)に対して、少量のウインタミンが治療的なことがある。 何故効くのか?について調べてみたことを書いてみる。ついでに、ウインタミン(クロルプロマジン)の歴史や作用機序などについても少し書いてみ…

強い帰宅願望に勝てず・・・。シャント手術が出来ず、精神科入院が必要となってしまった方。

今回紹介するのは 「入院直後で手術という段取りをしていたら、今頃は・・」 と考えさせられた方である。

水頭症に対するシャント手術後に、シャントバルブ圧の変更が必要な場合がある。その理由と方法について説明。

水頭症手術に対して行われるシャント手術。術後に髄液流量を調整する必要が生じた際には、バルブ圧変更を行う。シャントバルブ圧調整の実際を紹介する。

レスベラトロールは、既に発症したアルツハイマー型認知症の治療に役立つか?

赤ワインで認知症予防! よく見かけるフレーズである。 正確には、赤ワインに含まれるポリフェノールの一種である、レスベラトロールという抗酸化物質による予防効果が期待されている、ということである。予防に役立つなら、治療にも役立つのでは?そんな発…

正常圧水頭症に対するLPシャント術の手術適応はどのように決めているのか?そして、変性性認知症が合併している場合には?

まず前提として、 手術を受けるかどうかを最終的に決めるのは患者さんである。 医者は、手術のメリットやデメリットについて適切な説明を心がけるのみである。ただし、圧倒的にメリットが大きい場合には積極的に勧めることはあるし、余りにもリスクが高い場合…

「坂本龍一が完全菜食主義に」というニュースから考えたこと。

中咽頭癌で闘病中の坂本龍一さん。病状を心配しているファンの人達は多いだろう。最近は安保法案関連のニュースで姿をよく見かけるので、病状は落ち着いているのだと思いたい。 坂本龍一のニュース - 坂本龍一、がん闘病で“完全菜食主義”に - 最新芸能ニュース一…

【告知】平成28年4月に、無床クリニック開院を予定しています。

// 脳神経外科医としてのこれまでの経験を元に、

不定愁訴の原因は大量の薬だった。多剤併用(ポリファーマシー)の問題点とは?

高齢者医療において、多剤併用が大きな問題となっている。5種類以上の内服薬がある場合、副作用発現のリスクが急上昇する、というデータもあるようだ。 高齢者の服薬は5種類までにしてそれ以上の薬はやめるべき | マイナビニュース 必要があって、かつ適切に…

オキシトシンで自閉症状改善のニュース。認知症への適応拡大にも期待。

以前当ブログでオキシトシンについて紹介したことがある。 www.ninchi-shou.com ちなみに、オキシトシンとは母乳産生に作用するホルモンであるが、それ以外にも様々な働きを持つことが知られている。 (Wikipediaより引用)

期間限定の少量ウインタミン使用で、慢性頭痛を卒業した方。

以前、頭痛の治療で紹介したこの方。 www.ninchi-shou.com その後順調に経過していたが、この度晴れて外来を卒業できたのでご報告する。