鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

2015-01-01から1年間の記事一覧

【2015年まとめ】3年間の認知症外来結果報告。

今年最後の投稿です(多分)。 2012年11月20日から2015年12月5日までの約3年間に、当認知症外来を受診された方は延べ869名。漏れも相当数ありますが、ひとまず確認出来た数を元に分析を試みました。

60代男性、ピック病(前頭側頭型認知症)の改善例。

他院で若年性アルツハイマー型認知症の診断を受け、レミニールが開始された方。 少し改善があったようだが、セカンドオピニオン目的で当院を受診となった。

愛情深い夫に支えられて、10年が経過したアルツハイマー型認知症の女性。

外来でお付き合いが始まり、一年ちょっと経過したアルツハイマー型認知症の方をご紹介する。当院に来られるまでの経過を足すと、発症からおよそ10年になる。

シチコリン1500mgで二度目の復活。

以前、グルタチオン点滴による改善例として報告した女性。介入開始から1年3ヶ月が経過。その後の経過報告。 一度目はグルタチオンで、二度目はシチコリンの力で復活を遂げた。 flickr photo shared by Luz Adriana Villa A.

「所得が低いほど栄養バランスが悪い」というニュース。しかし、これまでの推奨栄養バランスに照らし合わせると・・・

なかなか可燃性の高そうなニュースを見かけた。 所得低いほど栄養バランスよい食事取れず NHKニュース 以下でちょっと考察を。

物忘れ外来の流れを紹介。例えばレビー小体型認知症と診断する場合。

認知症外来での患者さんとの会話について考えてみる。 医者「最近調子はどうでしたか?夜は眠れていますか?」 患者「あんまり変わらんね。眠れるときもあれば、眠れない夜もたまにあるよ」 どうということのない会話である。しかし、注意しながら聞いていると・…

診断に役立てるために、検査はどこまで行うべきなのか?(後編)

前回(12/7の記事)に続き、検査はどこまでするべきか?という話。 今回は、自分の昔話が絡みます。 flickr photo shared by Seattle Municipal Archives お前、検査出し過ぎだぞ(怒) 研修医の頃、上司によく怒られたものでした。 大学病院のカンファレンスでは…

認知症絡みの事件を目にするたびに想うこと。

認知症絡みの事件がニュースになる度に、 治療中であったのか? 治療中なら、処方内容は? こういうことが気になるのは自分だけではないと思う。 flickr photo shared by JeanneMenjoulet&Cie

診断に役立てるために、検査はどこまで行うべきなのか?(前編)

「精密検査」と聞くと、なにやら相当詳しいことが分かる気になる。 だが、「詳しい検査結果」と「その結果が治療方針に大きく関わる」かどうかは、また別の話である。

72歳男性、軽度認知機能障害(MCI)。フェルガード+ココナッツオイルで一年経過。

順調そのもの。 flickr photo shared by SingChan

急性硬膜下血腫を開頭せずに治療するには?

頭部外傷をきっかけに起きる急性硬膜下血腫。手術が必要な場合もあれば、不要な場合もある。 我々脳神経外科医は「コウマッカケッシュ」と呼ぶことが多く、その為か説明の際に「くも膜下出血(クモマッカシュッケツ)」と聞き間違われることが多い。二つは勿論、別…

【書評】「コウノメソッド流臨床認知症学」を読んで。

仕事の合間に少しずつ読み、約1ヶ月で読了。感想を述べます。

【書評】「ケトン体が人類を救う」を読んで。

初版があっという間に品切れとなり、既に2万部の増刷がかかったという噂の新刊。読後の感想を述べます。 既知の事実を丁寧に解説 糖質制限について既に知識を持つ人であれば、この本で述べられていることの多くに「そうだよなぁ」と頷けるだろう。例えば、序章にある…

認知症患者さんの万引きを未然に防ぐことは出来るのだろうか?

認知症患者さんの先を予見して備えておくことは、どの程度可能なのだろうか?色々と考えさせられた症例を紹介する。

発症から4〜5年経過したアルツハイマー型認知症疑いの男性の経過報告。

アルツハイマーではない可能性も念頭に置きながら、経過観察中。

阿藤快さんの訃報。死因は胸部大動脈瘤破裂か。

69歳の若さで亡くなられた阿藤快さん。 ご冥福をお祈りいたします。

15種類の内服を減量、調整して8種類にすることで復活した77歳女性。

よその薬を減らすことが、仕事の3割近くを占めるようになりました。あくまでも体感ですが。 flickr photo shared by University of Salford

お財布に優しいウインタミン。

抑制系薬剤のウインタミンで、可愛らしい変化を遂げる方達が少なからずいる。不思議な薬である。 flickr photo shared by Namor Trebat

シチコリン2000mgの世界。

ご家族と相談しながら薬の可能性を追求している。緊張感は伴うものの、やりがいのある仕事である。 今回は、シチコリン2000mgで効果を実感出来た例をご紹介。

慢性硬膜下血腫の治療で行っている工夫。

認知症領域では、いわゆる「treatable dementia(治療可能な認知症)」と呼ばれる慢性硬膜下血腫。 脳神経外科医にとっては、認知症疾患というよりも日常的に遭遇するcommon disease(一般的な病気)である。

認知症の治療目標、介護目標とは?

認知症の治療目標、介護目標を「その後の人生を穏やかに過ごせるように」、「介護者の負担を少しでも軽くすることが出来るように」と設定した場合、薬はあくまでもこれらの目的を達成するための手段に過ぎない。「手段の目的化」には気をつけておかねばならない。

コスト重視の栄養指導で、健康になれるのだろうか?

このようなニュースを見かけた。 「日本初、西友が日本糖尿病協会監修の健康配慮型弁当を発売 - BIGLOBEニュース」 載っていた写真はこちら。 以下、引用を交えて考察。

「認知症の早期発見はナンセンスである」という記事を読んで思ったこと。

「それはやり方次第だろうなぁ・・・」 flickr photo by nathanmac87

施設退去の危機を回避。アリセプト中止と眠剤変更で劇的に落ち着いた方。

余計な薬はやめる。必要があれば変更するか少し加える。 今回は、ほんの微調整のみで落ち着いた方をご紹介。

薬を処方する際には、最少量で最大限の効果を狙う。抑肝散を例に解説。

認知症の周辺症状に対して最もよく使われる薬の一つ、抑肝散。主に、怒りっぽさや幻視などの陽性症状に対して処方される。 小児の夜泣きに使用されることもあるらしい(自分は小児に処方したことはない)。 今回は、就寝前の抑肝散のみで上手くいったケースを…

しつこくしつこく、シチコリン。

認知症が進行し、アパシー(無為)へ向かっていく患者さんには、何はともあれシチコリンを使ってみる価値は十分にあると思う。そのような例を簡単にご紹介。

将来認知症になるのかどうか、MRIを撮れば予測できるのだろうか?

(答)予測できません 認知症診療に携わる医師達からすれば常識だとは思う。 ただし、一般には根強い「MRI信仰」が存在する。 「MRIを撮ったら、先も含めて頭の中のことは大体分かるんでしょ?」 これに対する自分の答えは、 「今の瞬間のことなら、ある程度分かり…

カプサイシンプラスでアレルギー症状出現?

高齢になるにつれて、咀嚼や嚥下に必要な筋力は徐々に低下していく。 認知症患者さんや脳卒中後の方では、その頻度は更に上がる。嚥下困難が問題になるのは、誤嚥性肺炎や窒息に繋がるからである。

軽度認知障害(MCI)の概念と、その対応について。

高齢になれば認知機能が衰えてくるのは当然であるが、 「こんなはずじゃないのに・・・もっと出来るはずなのに・・・」 と、考え悩んでしまう方達がいる。 これは、ある程度致し方ないことである。誰しも自分の老いは認めたくないものだから。逆に、 「年をとっ…

フェルガード100M内服で一年経過した、軽度認知障害(MCI)の80歳女性。

フェルガードで好調を維持している軽度認知機能障害(MCI)の方達は非常に多い。今回は、その中のお一人をご紹介。