鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

データ・まとめ・書評

抗認知症薬レカネマブ(レケンビ®)販売開始。

2023年12月20日、レカネマブが販売開始となった。 レカネマブとは、アルツハイマー型認知症の発症に関わるとされるAβ(アミロイドβ)を除去する薬である。 費用は年間298万円。患者自己負担額は恐らく年間15万円前後。 対象は早期のアルツハイマー病だけで、進行した…

レカネマブについて。

先日、患者さん(70代歳男性、軽度認知障害、HDS-R25/30点)から質問があった。 「先生、画期的なアルツハイマーの新薬が出たんでしょ?いつから使えるの?」 あー、レカネマブのことだろうなと思いながら、こう返した。

【2022年まとめ】10年間の認知症外来診断結果報告。

今年の締めくくりとして、2012年11月20日から2022年11月30日までの、約10年間の「認知症外来初診時における臨床診断結果」を報告する。 「アルツハイマー型認知症+特発性正常圧水頭症」といったような複数の認知症疾患を合併しているケースや、進行性核上性麻痺や大…

【2021年まとめ】9年間の認知症外来診断結果報告。

今年の締めくくりとして、2012年11月20日から2021年11月30日までの、約9年間の「認知症外来初診時における臨床診断結果」を報告する。 「アルツハイマー型認知症+特発性正常圧水頭症」といったような複数の認知症疾患を合併しているケースや、進行性核上性麻痺や大…

【2020年まとめ】8年間の認知症外来診断結果報告。

今年の締めくくりとして、2012年11月20日から2020年11月30日までの、約8年間の「認知症外来初診時における臨床診断結果」を報告する。 「アルツハイマー型認知症+特発性正常圧水頭症」といったような複数の認知症疾患を合併しているケースや、進行性核上性麻痺や大…

認知症外来を始めて7年、ブログを始めて6年、開業して4年。

「なぜ認知症を診るようになったのか?」と聞かれることが時々あるので、書いてみる。 認知症専門医でも何でもない自分が「認知症外来」と銘打って認知症患者さんを診るようになったのは、2012年の11月からだった。 その前年の2011年に赴任して引きついだ外来には多く…

【書評】「誤作動する脳」。

50歳でレビー小体型認知症(以下DLB)と診断されるまでに自身に起きたこと、そして今も起き続けていることを発信し続ける樋口直美さんの新刊、「誤作動する脳」を読んだ。 奇しくも普段から外来で「脳が誤作動を起こして、色々と不便なことが起きるんでしょうね」と患…

爆音とタバコと難聴。

なんとなく昔の椎名林檎の曲のような今回のタイトルだが、難聴についての自分語りである。 耳鼻科で受けた「感音性難聴」の診断 7年ほど前に、両耳で「キーン」と高い音が鳴っていることに気づいた。 この耳鳴は、初めて感じてから今日までの間、起きている間はほぼ途…

【2019年まとめ】7年間の認知症外来診断結果報告。

今年の締めくくりとして、2012年11月20日から2019年11月30日までの、約7年間の「認知症外来初診時における臨床診断結果」を報告する。

【2018年まとめ】6年間の認知症外来診断結果報告。

今年の締めくくりとして、2012年11月20日から2018年12月18日までの、約6年間の「認知症外来初診時における臨床診断結果」を報告する。

気になっている側頭葉の画像所見について。

外来をしていると、「これはどういう意味があるのかな・・・?」という画像に出くわすことがある。そしてそれは、一つのシリーズのように続くことがあるから不思議だ。 以前、小脳の萎縮が気になるという記事を書いたが、 www.ninchi-shou.com 今回は側頭葉、特に内側面で…

「85歳以上の高齢者の17%が抗認知症薬を使用」というニュース。

このニュースは、世間にどう捉えられるだろうか。 mainichi.jp

健康自主管理のお手伝い。

2年近く前になるが、栄養に関する講演を行ったことがある。 キャパシティ350人の会場に約500人が詰めかけるほどの盛況ぶりから、栄養に関する社会の関心が高いことを強く思い知らされ、更に栄養の勉強を積み重ねつつ今に至っている。

【2017年まとめ】5年間の認知症外来結果報告。

いつも当ブログをご覧になって下さり、誠にありがとうございます<(_ _)> 今年の締めくくりとして、2012年11月20日から2017年12月2日までの、約5年間の認知症外来データをまとめてみました。 ちなみに、ここで出したデータは全て「認知症外来初診時における臨床診…

認知症サポート医を1万人まで増やしても・・・

NHK NEWS WEBから。(リンクしていたNHK記事は後に削除。)

「韓国の研究チームが韓国人の脳内地図を完成、認知症の予測に効果」というニュース。

Record Chinaから。 www.recordchina.co.jp

【ちょっとした総括】今の自分の認知症診療について。

約2年6ヶ月経過をみてきたレビー小体型認知症の患者さんが、病状の進行に伴い通院困難となってきたため、近医にお引っ越しとなった。 「そろそろ通院が大変になってきて・・・申し訳ないのですが・・・」と頭を下げる娘さんに、こちらも深く頭を下げる。 「この方やご家族…

プレタールの血管拡張作用が良くわかる画像。

4年程前の症例を紹介する。 50代女性、脳梗塞後遺症の方。MRAで右後頭動脈に高度狭窄(硬化性変化)を認めていた。そのVR画像が以下。

【2016年まとめ】4年間の認知症外来の結果。

いつも当ブログをご覧になって下さり、誠にありがとうございます<(_ _)> 2016年は自分にとって「クリニック開業」という節目の年になりました。 2014年4月に始めた当ブログは、2016年8月19日に累計100万PVを達成。現在、月間およそ10万PVでUUは3万人程。ゆっくりと…

「認知が進んだ」とか「認知が入っている」などという表現を、医療介護現場から払拭したい。

「毎度ありがとうございます→まいどあり」 「焼酎ハイボール→酎ハイ」 「就職活動→就活」 言葉を略する力が高い(好きな?)日本人。造語能力が高いとも言えようか。

認知症診療における「合成の誤謬」について

ふと頭に浮かんだことを書き留めておく。 via Flicker

【2015年まとめ】3年間の認知症外来結果報告。

今年最後の投稿です(多分)。 2012年11月20日から2015年12月5日までの約3年間に、当認知症外来を受診された方は延べ869名。漏れも相当数ありますが、ひとまず確認出来た数を元に分析を試みました。

軽度認知障害(MCI)の概念と、その対応について。

高齢になれば認知機能が衰えてくるのは当然であるが、 「こんなはずじゃないのに・・・もっと出来るはずなのに・・・」 と、考え悩んでしまう方達がいる。 これは、ある程度致し方ないことである。誰しも自分の老いは認めたくないものだから。逆に、 「年をとっ…

認知症ではないのに認知症と診断される?

先日、「認知症ではない方に抗認知症薬が処方されている」という内容のニュースがNHKで報道された。 NHKが取り上げることで、事の重大性が世間に周知されることに期待したい。恐らく、全国的には年間数万人レベルで不要な抗認知症薬処方が行われていると推測する。

保険診療と自由診療、そして混合診療解禁について。

保険診療内で出来る事は多いが、グルタチオン点滴療法やビタミンC大量点滴、ソルコセリル8mgなど、保険診療内では決して到達出来ないレベルの改善が得られる世界がある。 www.ninchi-shou.com 保険診療とは?自由診療とは?混合診療とは何か? 現在の日本の医療制度…

認知症って一体、どんな病気なの?

認知症とはどのような病気?その症状や種類について説明。認知症を疑った場合にお勧めの、簡単な診断テストを紹介する。質問はたったの二つ。

失神とは?脳神経外科を受診する前に知っておきたい4つのこと。

失神でまず疑うべきはTIAか? 脳神経外科に紹介されてくる患者さんの紹介状でよく見かける、「〇月〇日に失神がありました。TIA(一過性脳虚血発作)が疑われるので、精査をお願いします」という文言。気を失ったら脳神経外科へ、というある種のコンセンサスが…

アルツハイマー型認知症(アルツハイマー病)とは?

認知症の代名詞的存在 アルツハイマー博士が1905年(抄録発表は翌1906年)に発表した、主に海馬と頭頂葉が萎縮してくる、脳の変性疾患。

【2014年まとめ】2年間の認知症外来結果報告と、抗認知症薬の使い分けについて。

今年最後の投稿です いつも当ブログをご覧になって下さり、誠にありがとうございます。今年の締めくくりとして、平成26年12月2日時点での認知症外来データをまとめてみました。以前のデータについては下記をご参照下さい。

レビー小体型認知症とは?

レビー小体型認知症の特徴や気づくポイント、レビースコアやバランス8の紹介。