鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

2017-04-01から1ヶ月間の記事一覧

【症例報告】アルツハイマー型認知症+特発性正常圧水頭症の男性。

ある治療により現在の状況を好転させる可能性があっても、結果的に年齢を考慮して「もう年だしね・・・」で様子を見ることは多い。それはそれで一つの決断である。リスクを取りにいった結果、逆に具合が悪くなることもあるため、一律にみなリスクを取るべきとは思わな…

メマリー雑感

先日、抗認知症薬メマリーを販売している第一三共の学術担当者と話していて、その後色々と考えてみたことを書いてみる。 今回は、ちょっと専門的な内容となります<(_ _)>

【ちょっとした総括】今の自分の認知症診療について。

約2年6ヶ月経過をみてきたレビー小体型認知症の患者さんが、病状の進行に伴い通院困難となってきたため、近医にお引っ越しとなった。 「そろそろ通院が大変になってきて・・・申し訳ないのですが・・・」と頭を下げる娘さんに、こちらも深く頭を下げる。 「この方やご家族…

【症例報告】グループホーム入所が決まり、お別れとなった前頭側頭葉変性症(意味性認知症)の方。

約2年3ヶ月経過を診てきた方を御紹介する。 グループホーム入所を切っ掛けに施設の嘱託医とバトンタッチすることになり、先日の外来が最後となった。 ご本人が最後に見せた優しく、そしてどこか不安そうな表情が心に遺った。

【書評】コウノメソッドでみる認知症の歩行障害・パーキンソニズム

2017年3月に発売された「コウノメソッドでみる認知症の歩行障害・パーキンソニズム」を読み終えたので感想を書いてみる。

価値観の相違を、議論で解決することは困難である。

当ブログは現在、コメント欄を閉じて運営している。 そのかわり、FacebookやTwitter、はてなブックマークといったSNSにブログ記事を流しているので、それらのアカウントを持っている方であれば、各々のSNSスレッド内でコメントすることは可能である。寄せられたコメ…

【症例報告】10mg処方のアリセプト減量で頻尿が改善した男性。ちょうどよい量は1.5mgであった。

近医からの紹介で来られた方。主なお悩みは、「頻尿」。 加齢や頭部外傷の影響でわずかにアセチルコリンが欠乏していたところに、過剰な量のアリセプトが入ったことで頻尿が惹起されていたと考えている。*1 *1:アセチルコリンが減ればアルツハイマーと短絡してはい…

トレリーフが、レビー小体型認知症の運動機能を改善させるというニュース。

医療NEWSより。 www.qlifepro.com

【注意喚起】簡易チェックツールで認知症を即診断、即投薬!!

〇〇にハサミは持たせるな。 チェックツールによる簡易診断、即、投薬の危険性について。 (いらすとかにて作成)

医原性認知症について。

栄養を見直し、不要な薬は減らして止める。本当に必要な薬だけ残す。もしくは、少量足す。 何を足して何を引くか?その組み合わせは膨大である。 しかし落としどころさえ誤らなければ、ロジカルに攻めて一定以上の効果をあげることは可能だと感じている。

アルツハイマー病の新薬(タキシフォリン)の話題。

国立循環器病センターから。 www.ncvc.go.jp

【症例報告】70代女性。パーキンソン病発病後に、徐々に認知機能が低下した方。

まずパーキンソン病を発症し、その後に認知機能が低下してきた施設入所中の方をご紹介する。 従来このような方はPDD(認知症を伴うパーキンソン病)と呼ばれ、DLB(レビー小体型認知症)と区別されていたが、近年PDD、DLB共にLBD(Lewy Body Disease、レビー小体病)と…

髄液排除試験(タップテスト)で歩行が改善しても、本人が納得しなければ手術は出来ない。(当たり前)

検査や治療を行うに当たっては、当然だが本人の同意が必要である。しかし、患者さんが認知症の場合、本人の同意を得るのは途端に難しくなる。 ただし、認知症により理解力や判断力が落ちていても、本人が穏やかに医者の説明を聞くことができて、かつご家族のご理解と…

胃酸の分泌を抑え続けると、鉄欠乏をきたしやすくなる。

Medical Tribuneから。 medical-tribune.co.jp

人口肉で作られたハンバーガー、「Impossible Burger」について。

Gigazineから。 gigazine.net

脳神経外科手術と認知症診療、自分の中での共通点。

脳神経外科手術では、脳を愛護的に扱うことが前提となる。 「正常脳を大きく傷つけたけれども、脳腫瘍は全て摘出できました。手足には強い麻痺が遺るでしょう。」では、ダメなのである。 また、動脈瘤の手術であれば「いかに術中に動脈瘤を破裂させず、なおかつ正常脳を…