鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

薬の副作用

課題の分離とポリファーマシー。

今回紹介するのは、かかりつけ医に何かを相談したらその度に薬が増えていくという悪循環に陥り、気づけば10種類の薬を服用するようになっていた80代の女性である。 薬が増えるに従って体調は悪化し訴えが増えるため、見かねた息子さんが転医希望で連れてきたとい…

「軽度認知障害や軽度アルツハイマーに抗認知症薬(ChEI)を使用したら、改善よりも悪化した患者の方が多かった」という研究から考えたこと。

MCIや軽度アルツハイマー型認知症の方に初診時から積極的に抗認知症薬を処方することは滅多にない。 これまでの自身の臨床経験と複数の研究報告から、「抗認知症薬は取り扱い要注意の薬だ」と考えているからである。

「認知症による介護拒否、食事拒否」で紹介となった92才女性。

独居していたMHさんが施設入所となったのは、4ヶ月前のこと。 既往歴に心筋梗塞と心不全があり、13種類の薬を使用中であった。

「認知症には抗認知症薬を」というドグマ。

今回は、90歳女性を例にあげながら、「とりあえず抗認知症薬処方」が無くならない理由を考えてみる。

イクセロンパッチとリバスタッチパッチ、皮膚症状を軽減した基材を開発。

日刊薬業から。 nk.jiho.jp

【症例報告】抗パーキンソン薬の漸減中止が完了した方。

以前の記事で紹介した方の、抗パーキンソン薬卒業が完了したので御報告。 www.ninchi-shou.com 元々パーキンソン病ではなかったと自分は考えていたので、本物のパーキンソン病の方の減薬の際に経験する「これ以上は減らせないな・・・」という局面に遭遇することなく…

認知症「救急」外来、そして解毒外来という当院の役割。

今回紹介するKNさんは、飛び込みで来られた方である。当院は通常、認知症外来は予約で承っている。 その日は既に予約がかなり入っていたため、受付スタッフは「出来れば、日を改めて予約を取って頂けたら・・・」と、後日の受診をご案内した。しかし、同伴の親戚の方が「ど…

【経過報告】ドネペジルを止めて3年経過した男性。

以前当ブログで紹介した方(CMさん)の続報。 www.ninchi-shou.com 抗認知症薬を中止して3年経過したが、認知機能は低下し続けていない。 ということはやはり、CMさんはアルツハイマー型認知症ではなかったということだ。 ところで娘さんから聞いたところによると、「…

患者の存在しない世界。

TSさんは脳梗塞で右半身に麻痺が後遺しているが、独り暮らしでADLは自立している方である。 他院から紹介されてお付き合いが始まり1年ちょっとが経過したが、低糖質高タンパク食の栄養指導により、精神科から処方されていた下記の薬剤を リフレックス15mgx2→15mg…

仕事を続ける動機としての、「贖罪」という意識について。

「今さら医療ミスどうこうを言う気はないのです。ただ、下血で入院するまではあんなに元気だった母が、入院して急に認知症になったと説明されても納得できないのです。」 そう仰ったATさんの息子さんの眼には、涙がにじんでいた。

【妄想的小考】薬を販売するための巧妙な戦略。

『「処方せんチェック虎の巻」改訂版 上』という本がある。 「処方せんチェック」虎の巻 改訂版 上 (日経DI薬局虎の巻シリーズ) posted with amazlet at 17.09.29 澤田 康文 日経BP社 売り上げランキング: 466,536 Amazon.co.jpで詳細を見る 2009年の本で古くは…

「ピロリ菌除菌後のPPI長期使用で胃癌のリスク上昇」というニュース。

Medical Tribuneから。 medical-tribune.co.jp

バランス感覚を欠いた専門医療は、高齢者にとって凶器になり得る。

とある消化器内科クリニックと心療内科クリニックに通院中であった、高血圧などを持つ独居の80代後半の女性(HSさん)をご紹介する。 経過中に心療内科で認知面低下を指摘され、〇〇病院を紹介された。そこで「アルツハイマー型認知症+パーキンソン病」と診断されて…

H2-blockerのプロテカジン(ラフチジン)で誘発された幻視。

胃薬で幻視が誘発されていた方を紹介する。

【症例報告】メマリーによる興奮。

アリセプトによる興奮は有名であるが、メマリーによる興奮も時々経験する。開始や増量直後であれば分かりやすいが、しばらく同じ量で維持している間に徐々に興奮してくることがある。 これに気づかないと、抑制系薬剤の無慈悲な増量に繋がってしまうので気をつ…

【症例報告】10mg処方のアリセプト減量で頻尿が改善した男性。ちょうどよい量は1.5mgであった。

近医からの紹介で来られた方。主なお悩みは、「頻尿」。 加齢や頭部外傷の影響でわずかにアセチルコリンが欠乏していたところに、過剰な量のアリセプトが入ったことで頻尿が惹起されていたと考えている。*1 *1:アセチルコリンが減ればアルツハイマーと短絡してはい…

医原性認知症について。

栄養を見直し、不要な薬は減らして止める。本当に必要な薬だけ残す。もしくは、少量足す。 何を足して何を引くか?その組み合わせは膨大である。 しかし落としどころさえ誤らなければ、ロジカルに攻めて一定以上の効果をあげることは可能だと感じている。

胃酸の分泌を抑え続けると、鉄欠乏をきたしやすくなる。

Medical Tribuneから。 medical-tribune.co.jp

「他科の処方には手を付けたくない」という医者心理は、ポリファーマシーを助長する一因となる。

先日、県薬剤師会主催の研修会に講師として招かれ、「ポリファーマシーを減らすために」というタイトルで話をしてきた。 質疑応答が30分を超える盛り上がりであったが、そのなかで以下のような質問があった。 自分達からみて不要そうな薬があったとしても、病院勤務…

お薬の卒業、おめでとうございます<(_ _)>

新年、明けましておめでとうございます。 今年2017年も、鹿児島認知症ブログを宜しくお願いいたします<(_ _)> おめでたいついでに、新年一本目の投稿は抗認知症薬を卒業出来た方の話をば。

ポラプレジンク(プロマックD)で、相対的な銅欠乏症を来す可能性あり。

亜鉛を含む胃潰瘍の薬、プロマックD(一般名:ポラプレジンク)。 この度、添付文書改正の案内が届いた。

「厚生労働省が抗認知症薬の少量投与を容認」のニュース。

これは全ての患者さんや家族、また患者さん予備軍、そして工夫しながら少量投与を続けてきた医師達にとって、とても意義のあるニュース。 以下、ニュースより抜粋。

アリセプトの23mg製剤、日本での認可はどうなる?

欧米ではその有効性が実証されている(らしい)アリセプト23mg。 アメリカでは2010年に承認取得、アジアでは韓国が2013年に承認取得している。 (上記画像はこちらよりお借りしました) 人種差や体格差などから、欧米人がアジア人よりも高用量を許容できる可能性はあ…

プロトンポンプ阻害薬(PPI)と認知症発症の関連について。

あちらを立てれば、こちらが立たず。 flickr photo shared by Hey Paul Studios

抗認知症薬の増量規定とは?

「物忘れの相談に行ったら、初診でこのような処方が出ました。大丈夫でしょうか?」 ある患者さんとそのご家族が、相談に来られた。 その時見せて頂いたお薬手帳が以下。

コリンエステラーゼ阻害薬の副作用を分析した報告。

ケアネットで見かけた記事のご紹介を。 コリンエステラーゼ阻害剤の副作用である「精神神経系障害」は、やはり多いようだ。 flickr photo shared by CJS*64 A man with a camera

薬を飲んでいないと不安な高齢者。

ある日の外勤先での出来事。 初めてお目にかかる90歳の女性。パーキンソン病と高血圧症の診断で通院中。 杖を使って歩行可能、疎通も良好でお一人暮らし出来ている方である。 flickr photo shared by Dean812

15種類の内服を減量、調整して8種類にすることで復活した77歳女性。

よその薬を減らすことが、仕事の3割近くを占めるようになりました。あくまでも体感ですが。 flickr photo shared by University of Salford

カプサイシンプラスでアレルギー症状出現?

高齢になるにつれて、咀嚼や嚥下に必要な筋力は徐々に低下していく。 認知症患者さんや脳卒中後の方では、その頻度は更に上がる。嚥下困難が問題になるのは、誤嚥性肺炎や窒息に繋がるからである。

不定愁訴の原因は大量の薬だった。多剤併用(ポリファーマシー)の問題点とは?

高齢者医療において、多剤併用が大きな問題となっている。5種類以上の内服薬がある場合、副作用発現のリスクが急上昇する、というデータもあるようだ。 高齢者の服薬は5種類までにしてそれ以上の薬はやめるべき | マイナビニュース 必要があって、かつ適切に…