鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

特発性正常圧水頭症(iNPH)

似たもの夫婦。

考え方や性格が似ている夫婦を俗に「似たもの夫婦」と呼ぶが、世の中には頭のCT所見が似ているご夫婦もいるということを先日知った。

良くなる可能性はあるが、治療が困難な方。

以前ブログで紹介した方の続報。 www.ninchi-shou.com 状況にやや進展はあったのだが、 まだ治療には至っていない。

防衛医療に徹していると、改善の機会を逃すことがある。

治療の選択肢を示すことは、医者の重要な仕事の一つだと思っている。 www.ninchi-shou.com ただ、全ての選択肢を同列で説明する訳ではない。 防衛医療*1に徹しすぎると患者さんが改善の機会を失う事があるため、これまでの自分の経験から上手くいく可能性が高いも…

特発性正常圧水頭症(iNPH)診療の前提として必要なこと。

脳神経外科速報という雑誌を、もう10年以上定期購読している。 脳神経外科速報 2017年8月号(第27巻8号)特集:ひたすら優れた臨床医を目指して ─自分の伸び代を信じて進め posted with amazlet at 17.07.27 メディカ出版 (2017-07-27)売り上げランキング: 73,644…

【症例報告】初診時の説明は、あとになって役立つことがある。

AVIM(無症候性脳室拡大)という概念がある。 www.ninchi-shou.com 画像上は水頭症が疑わしくても、その時点で症状に乏しければ様子観察でもよいと思う。 ただし、「将来的に水頭症が顕在化することは十分にあり得る」ということを強調しておけば、いざという時に思い…

LPシャントで復活して、2年が経過した正常圧水頭症の患者さん。

以前ブログで紹介した方の経過報告。 www.ninchi-shou.com

硬膜下腔が拡大している頭部CTから考える、3つの可能性。

水頭症について、以前総論的な記事を書いた。 www.ninchi-shou.com 今回は、「これは外水頭症かな?」と自分が感じた症例から、水頭症患者の頭の中で起きていること、そして頭部CTを見る際の注目点について述べる。

【症例報告】アルツハイマー型認知症+特発性正常圧水頭症の男性。

ある治療により現在の状況を好転させる可能性があっても、結果的に年齢を考慮して「もう年だしね・・・」で様子を見ることは多い。それはそれで一つの決断である。リスクを取りにいった結果、逆に具合が悪くなることもあるため、一律にみなリスクを取るべきとは思わな…

髄液排除試験(タップテスト)で歩行が改善しても、本人が納得しなければ手術は出来ない。(当たり前)

検査や治療を行うに当たっては、当然だが本人の同意が必要である。しかし、患者さんが認知症の場合、本人の同意を得るのは途端に難しくなる。 ただし、認知症により理解力や判断力が落ちていても、本人が穏やかに医者の説明を聞くことができて、かつご家族のご理解と…

正常圧水頭症に対してLPシャント術。1年後の頭部CTにおける変化は?

以前ご紹介した方の、その後を報告。 今回、術後1年ちょっとが経過したので評価を行った。

疑わなければ気づけない正常圧水頭症。気づけなければ改善には繋がらない。

ある診療所から相談のあった患者さんを紹介。 疑わなければ気づけないし、気づけなければ改善には繋がらない。

誰のための診断か?何のための診断なのか?

「認知症の確定診断をお願いします」という言葉を聞くたびに、蘇る苦い記憶がある。そして同時に、 「その確定診断とは、誰のための、何のための診断ですか?」 という想いが心に浮かぶ。

正常圧水頭症の治療で、体幹バランスが改善。

とある病院にご入院中だった方。 これまで統合失調症+正常圧水頭症というケースの治療例はあったが、双極性障害合併例は初めてだったのでご報告。

LPシャント術後に頭痛とめまいが出現。行った対策について。

脳脊髄液の流れを変えるシャント手術を行うと、術後に頭痛やめまいが出ることがある。 今回は、実際の症例及び行った対策についてご紹介。

LP(VP)シャント手術で留置した圧可変式バルブが、裏返しになった場合の対応について。

シャント手術の後で、皮膚の下に埋め込んだバルブ(体外から髄液の流れ方を調整できる)が裏返しになってしまうことがある。 今回は、その対処方法について説明する。 ☆ボカシをかけてはありますが、手術中の写真が出てきます。苦手な方は回れ右でお願いします…

LOVA(長期存続型著明脳室拡大)に対する、第3脳室底開窓術について(各論的な話)

脳外科医をやっていると、たまに出くわすLOVA。 疾患概念と、その治療について紹介する。

水頭症を分類してみよう(総論的な話)

水頭症とは、簡単にいうと 頭に水がたまって悪さをする病気 であるが、もう少し詳しく説明してみる。

「先生、脇腹から白いモノが出てきたんだけど・・・」

見た瞬間、しばし言葉を失いました・・・。

水頭症に対するシャント手術後に、シャントバルブ圧の変更が必要な場合がある。その理由と方法について説明。

水頭症手術に対して行われるシャント手術。術後に髄液流量を調整する必要が生じた際には、バルブ圧変更を行う。シャントバルブ圧調整の実際を紹介する。

正常圧水頭症に対するLPシャント術の手術適応はどのように決めているのか?そして、変性性認知症が合併している場合には?

まず前提として、 手術を受けるかどうかを最終的に決めるのは患者さんである。 医者は、手術のメリットやデメリットについて適切な説明を心がけるのみである。ただし、圧倒的にメリットが大きい場合には積極的に勧めることはあるし、余りにもリスクが高い場合…

タップテスト(髄液排除試験)後に頭痛の訴えあり。何が起きたのか?

タップテスト(髄液排除試験)とは? タップテストとは、腰椎穿刺(腰椎の隙間から針を差し込む検査)を行い、脳脊髄液を採取する検査のことである。 髄膜炎や神経変性疾患が疑われる場合に行われるが、正常圧水頭症が疑われる場合には、脳脊髄液を抜いて症状が…

「治った」と言えるであろう、特発性正常圧水頭症(iNPH)の改善例。

特発性正常圧水頭症の治療において、「高齢」という理由だけで治療を忌避する必要はない。中には、臨床的に治癒してしまう方もいるのである。

特発性正常圧水頭症に対するLPシャント術後。腹腔側チューブ逸脱例の紹介。

当院(厚地脳神経外科病院)では、iNPH(特発性正常圧水頭症)に対してはLPシャント術を第一選択で行っている。 脊柱管内と腹腔内をチューブで繋ぎ、余分な髄液を背中からお腹の中に逃がしてあげるのがLPシャント術。

正常圧水頭症に対するシャント手術後。シャントバルブ閉塞例の紹介。

シャントバルブが詰まってしまった事例 水頭症に対して行われるシャント手術は、脳外科領域においては比較的低侵襲な手術である。考えられる手術のリスクとして 脊髄損傷(LPシャントの場合) 脳損傷(VPシャントの場合) 腸管損傷(LP、VP両方) 感染症 上記があ…

AVIMという概念について。

正常圧水頭症について軽くおさらい。下記もご参考に。 www.ninchi-shou.com 認知機能低下、歩行障害、尿失禁が古典的三徴 脳脊髄圧は正常範囲内 頭部画像においては、DESH(Disproportionately Enlarged Subarachnoid-space Hydrocephalus)が特徴的 原因不明の…

特発性正常圧水頭症(iNPH)の診断や検査、手術の流れについて。DESHも踏まえて。

紹介、飛び込みを含め当院を訪れる特発性正常圧水頭症の方は多い。 今回ご紹介するのは、これまでどこに行っても「年のせいですかね〜」と言われて困っていた方である。と言っても、まだ73歳の方なのだが。

シャント手術件数から、正常圧水頭症診療の地域差について考える。

水頭症手術の地域差 あるデータを頂いたので紹介する。各都道府県における、水頭症手術(小児水頭症や特発性、続発性、全てひっくるめ)の件数である。 DPC(包括医療費支払い制度方式)を採用している病院から集計された、平成24年度分のデータを抽出し集計した…

特発性正常圧水頭症(iNPH)のシャント手術による改善例

今回は、いわゆるtreatable dementia(治りうる認知症)の代表格とも言える特発性正常圧水頭症(iNPH)について。