「お宅から貰った薬が全然効かないので、もう行きませんから!」 Aさんの奧さんから凄い剣幕で電話がかかってきたと、受付スタッフが困惑した表情で報告に来た。
「うちの母は、どのようにしてアルツハイマーになったのですか?」 と聞かれたら、定説仮説を交えて 「タウタンパクの蓄積やミエリンの脱落、重金属の蓄積や生活習慣病などが関与したのではないでしょうか・・・」 などと答えることは出来る。しかし、 「うちの母は、なぜア…
女性の頭痛や肩こり、めまいや不眠などの症状の背景に鉄タンパク不足が隠れていることが多い。 今回紹介する方は頭痛とめまいで来院されたのだが、採血でフェリチンが1.1と見たこともない極低値だった。11ではなく、1.1である。
今回紹介するのは80代前半の女性である。 高齢者の入院中にSSRI(抗うつ薬)が処方され、退院後もそのまま継続されているケースをちょくちょく見かける。 処方医にいちいち確認することはないが、恐らくは入院中の意欲や活気の低下をからうつ病、またはうつ状態と診…
以前にも報告したことがあるが、抗めまい薬のジフェニドールを片頭痛の予兆時に内服することで、発作を抑制することに成功した女性を紹介する。 片頭痛は吐き気や光のまぶしさ、音過敏、嗅覚過敏など多彩な随伴症状を伴うことがあるが、「めまい」が随伴症状にある方…
新型コロナウイルス(以下、コロナ)の不顕性感染が拡大している。不顕性感染とは、「感染している(していた)けれども、症状がない(なかった)状態」のことである。
自覚が有る無し関係なく、一人で来院する発達障害の方への対応は難しい。 幼少期から発達の特性があったのかどうかは親や兄弟に聞かなければ分からないし、また、社会生活を営むようになってからの様子は、会社の上司や同僚、生活を共にするパートナーに確認する他…
今回は、リバスタッチパッチが良く効いていると思われる症例を紹介する。 4剤ある抗認知症薬のなかで、個人的に最も出番が多いのはリバスタッチパッチ(イクセロンパッチ)である。
他院より採血結果を持ち込んで相談に来られた40代の女性Aさん。 10年ほど前からめまいや倦怠感、イライラ、朝が極端に苦手、頭痛、肩こりなどで悩まされているとのことだった。
改正道路交通法が施行されて3年が経ち、免許を自主返納する高齢者は着実に増えているようだ。
「なぜ認知症を診るようになったのか?」と聞かれることが時々あるので、書いてみる。 認知症専門医でも何でもない自分が「認知症外来」と銘打って認知症患者さんを診るようになったのは、2012年の11月からだった。 その前年の2011年に赴任して引きついだ外来には多く…
50歳でレビー小体型認知症(以下DLB)と診断されるまでに自身に起きたこと、そして今も起き続けていることを発信し続ける樋口直美さんの新刊、「誤作動する脳」を読んだ。 奇しくも普段から外来で「脳が誤作動を起こして、色々と不便なことが起きるんでしょうね」と患…
「お母さんは認知症なんだから、自分がすぐ忘れるということをちゃんと自覚してよ。私たちも大変なんだから!」 「父さん、同じ事を何回確認したら気が済むんだ。それはさっきも聞いてきただろう!」 認知症の親に病気を自覚させようと、親が忘れたら注意し、間違えたら…
先日、「たんこぶが治らずにブヨブヨしているので診て欲しい」というご相談を受けた。 聞くと、2週間前に転んで頭を打撲し、その後じわじわとたんこぶが膨らんでき改善しないため受診したという経緯だった。
抗認知症薬のリバスタッチパッチ・イクセロンパッチは、急激な薬剤血中濃度上昇をきたしにくく、安定して薬効を発揮するという貼付剤ならではの長所がある。 一方、短所は痒みやかぶれといった、やはり貼付剤ならではの皮膚刺激症状である。 リバスタッチパッチ・イ…
娘さんと地域包括支援センタースタッフに伴われて当院を受診された70代後半の女性Aさんは、会話が取り繕いに満ち見るからにアルツハイマー的であった。 顔色不良も気になったので採血をしたところ、重度の貧血が判明したため他院に入院を依頼した。幸いガンなど…
時々だが、若い患者さんからもの忘れの相談を受ける。 今回は、 20代男性のAさんの話。赤文字強調部分に注目して読んで欲しい。
当院通院中のAさんに起きた話。 ある日の朝のこと。デイサービスに行ったAさんは検温で37.2度の熱が確認された。 咳や咽頭痛、鼻汁などの感冒症状が何もなかったにも関わらず、Aさんは家に帰るようデイサービスから言われ、Aさんの家族が迎えに来させられた。
ダイエット目的で糖質制限を始めたという50代女性のAさん。 3ヶ月で5kgの減量に成功して喜んでいたのだが、最近夕方頃に気が遠のくような感じがし、以前よりも疲れやすくなったとのことで相談に来られた。
「今年度もまた、よろしくお願いします。」 依頼があって引き受けた認知症初期集中支援チームのチーム医となって4年近く経つが、継続の意思確認がないまま、自動的に更新され続けてきた。 www.ninchi-shou.com 認知症初期集中支援チームとは、厚生労働省が策定した「…
自分自身の凸凹に向き合う日々である。 象徴的なエピソードを一つ紹介する。 ーーーーー ある休みの日に、妻から 「〇〇先生の奥さん、いま家にいるかな?」 と訊ねられたので、 「僕は〇〇先生の奥さんの夫ではないから、それは分からない」 と答えた。すると妻は、 「そ…
また一人、好きなミュージシャンが逝った。
なんとなく昔の椎名林檎の曲のような今回のタイトルだが、難聴についての自分語りである。 耳鼻科で受けた「感音性難聴」の診断 7年ほど前に、両耳で「キーン」と高い音が鳴っていることに気づいた。 この耳鳴は、初めて感じてから今日までの間、起きている間はほぼ途…
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