鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

運転免許継続に関わる診断書作成の難しさ。

今回紹介するのは、前医で認知症(病型不明)と診断されて抗認知症薬を内服中だった方。 ご家族のご希望で当院にお引っ越しとなったのだが、運転免許にまつわる問題の難しさを改めて感じたので書いてみる。

小林麻央さんの訃報に接して。

2年8ヶ月の闘病の末、小林麻央さんが旅立った。 多くの人が彼女を応援し、回復への期待を抱きつつも、病状の悪化に心を傷めていたことと思う。自分もその一人であった。 彼女のBlogが開設された当初、しばらく読んでいた時期があった。 栄養療法を行っている身として…

ヘッドバンギングと慢性硬膜下血腫との関連について。

ライフワークは音楽鑑賞です(唐突)。 ロックよりの音楽を中心に、色々なジャンルを聴く。最近は頻度が減ったが、以前はHeavy Metalをこよなく好んで聴いていた*1。 高校時代、「メタリカの"Battery"で起床するか、それともメガデスの"Holy Wars"で起床するか」が、ちょ…

1型糖尿病に対するメトホルミンが、長期的に心血管イベントを抑制したというニュース。

Medical Tribuneから。 1型糖尿病にもメトホルミン|ニュース|Medical Tribune

【症例報告】メマリーによる興奮。

アリセプトによる興奮は有名であるが、メマリーによる興奮も時々経験する。開始や増量直後であれば分かりやすいが、しばらく同じ量で維持している間に徐々に興奮してくることがある。 これに気づかないと、抑制系薬剤の無慈悲な増量に繋がってしまうので気をつ…

読書について。

ライフワークは読書です(唐突)。 小学生の頃は、自宅に転がっていた森村誠一や江戸川乱歩といったミステリーをよく読んでいた。

届かない声。

話が通じない成年患者(認知症を除く)に出会った時、4つの可能性を考えるようにしている。 自分の説明力が不足しているから あまりにも今の症状が辛いから 鉄タンパク欠乏をきたしすぎたから 元々のキャラクターゆえに 今回紹介するのは、「このままだと危うい…

糖質制限で、自分自身を知る。

糖質制限を開始して、6年目に入っている。 睡眠の質の改善を初めとして、体感できるメリットは数知れない。ダイエット方法として紹介されることも多い糖質制限だが、自分の場合だと開始1年ちょっとで12kgの減量を達成し、その後維持している。残念ながら運動は全く…

日記を書くことで記憶をつなぎ止めようとし、日記を読むことで嫌なことを思い出す。

ある80代男性(以下Aさん)について。

「韓国の研究チームが韓国人の脳内地図を完成、認知症の予測に効果」というニュース。

Record Chinaから。 www.recordchina.co.jp

ケアマネさんや介護事業所との連携に用いているアプリを紹介。

ケアマネさん達がダイレクトに患者さんを紹介してくれる。 家族背景がpoorであったり、同伴の家族の理解力に難がある場合には、ケアマネさんが付き添ってくることが多い。持ち出し上等で頑張ってくれるケアマネさん達が少しでも楽が出来るように(ついでに自分も)…

認知症患者家族に念書を書かせる警察。

認知症の進行に伴い高まる徘徊のリスク。 夕方症候群のように特定の時間帯でソワソワし始めることもあれば、前触れなくいきなりいなくなることもある。

【症例報告】抗認知症薬と抗うつ薬を減量中止した女性。

今回紹介するのは、抗うつ薬と抗認知症薬を卒業出来た方である。 既に役目を終えている薬を減量卒業するのは、そんなに難しいことではない。薬がまだ役目を果たしている場合には、減らしたり止めたりすると具合が悪くなるので、また戻せばよいだけのことである。 今…

「周辺視野が衰えていく≒マルチタスクが苦手になる」という推測。

ご主人を介護中の80代女性が、物忘れのご相談で来院された。ADLは自立しているものの、最近物探しが増えて冷蔵庫管理が苦手になり、料理の段取りや味付けが怪しくなってきたとのことであった。

認知機能ではなく、運転技能で免許更新の是非を判断すべきだと思う。

Medical Tribuneから。 認知機能ではなく、運転技能で免許更新を|ニュース|Medical Tribune 免許を交付するのも停止するのも警察。医者に免許取り消しの責任を負わせようとしていないか? 新井氏は私見として「本来、運転免許証の更新の可否は運転技能によっ…

器質化した、慢性硬膜下血腫の頭部CT画像。

タイトルそのままです<(_ _)> 慢性硬膜下血腫とは、頭部打撲後しばらくして、徐々に硬膜(脳を包む硬い膜)の下に古い血液成分が貯留して脳を圧迫する病気のことである。

【謎の行動】糖質制限中の患者さんからお菓子を頂き困惑(笑)。

糖質制限に取り組み成果を出せた患者さん(糖質制限者)が、そのお礼に当院(糖質制限推進クリニック)にお菓子を置いていくというコントのような出来事を経験した。 微笑ましいというか、こちらも微妙に困惑するというか(笑)

【症例報告】呉茱萸湯と五苓散が著効した片頭痛の女性。

頭痛といえば片頭痛。 ただし、外来で遭遇する最も頻度の高い頭痛は緊張型頭痛である。片頭痛と緊張型頭痛が混在していることも多い。 典型的な片頭痛は、思春期から20代半ばぐらいまでに始まり、多くは50代、60代にかけて徐々に終熄していく。 今回は、片頭…

The Spirit Carries On

大切なことを患者さんから教えて貰ったので、忘れないうちに書きとめておく。 後々、音楽と共に患者さんの想い出が蘇ってくれることに期待して。 white heart flickr photo by Lora Huber shared under a Creative Commons (BY) license

アルツハイマー治療薬「アデュカヌマブ」、先駆け審査指定品目に。

エーザイとバイオジェンが共同開発中のアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」が、最終段階に入っているようだ。 www.nounow.jp

【書評】『明日から役立つ 認知症のかんたん診断と治療』

結論から先に言うと、「すんごく分かりやすい」本です。

【書評】『認知症 症例から学治療戦略ーBPSDへの対応を中心にー』

書評という名の自分語り。 木村武実先生*1の御著書、『認知症 症例から学治療戦略ーBPSDへの対応を中心にー』の改訂版が出版された。初版は2012年8月なので、約5年ぶりの改訂である。 初版から微修正された今回の改訂版)を読みながら、懐かしい気持ちに浸った。 *1:…

介護殺人に至る、最後の一押し。

認知症を発症した家族にストレスを加えないように配慮しているうちに、家族がストレスで倒れてしまうことがある 「なぜこの人の為に、自分がここまで我慢しなくてはいけないのか?」 理屈では解決し難いこの問いに、明確に答えは出せない。

硬膜下腔が拡大している頭部CTから考える、3つの可能性。

水頭症について、以前総論的な記事を書いた。 www.ninchi-shou.com 今回は、「これは外水頭症かな?」と自分が感じた症例から、水頭症患者の頭の中で起きていること、そして頭部CTを見る際の注目点について述べる。

「自分は何かに帰属している」という意識は、老年期の支えになる。

家族がいてくれるから何も困らないよ。ありがたいことだね。 きれいに周囲に溶け込み、ほぼ個を無くしたかのようにみえる仏様のようなおばあちゃん。 若い頃は仕事を頑張りました。今でも当時の連中には会って元気を貰っていますよ。 周囲から屹立し(孤立で…

橈骨神経麻痺による下垂手(ハネムーン症候群・サタデーナイト症候群)。

久しぶりに経験したので御紹介。

ノベルジンが、低亜鉛血症治療薬とした追加承認を受けたというニュース。

Medical Tribuneから。 medical-tribune.co.jp

純粋自律神経不全症(PAF)とは?

最近、自律神経に関して調べ物をしている時に知った「純粋自律神経不全症(PAF)」という病態について紹介。 以下、MSDマニュアルより抜粋引用。

【症例報告】アルツハイマー型認知症+特発性正常圧水頭症の男性。

ある治療により現在の状況を好転させる可能性があっても、結果的に年齢を考慮して「もう年だしね・・・」で様子を見ることは多い。それはそれで一つの決断である。リスクを取りにいった結果、逆に具合が悪くなることもあるため、一律にみなリスクを取るべきとは思わな…

メマリー雑感

先日、抗認知症薬メマリーを販売している第一三共の学術担当者と話していて、その後色々と考えてみたことを書いてみる。 今回は、ちょっと専門的な内容となります<(_ _)>

【ちょっとした総括】今の自分の認知症診療について。

約2年6ヶ月経過をみてきたレビー小体型認知症の患者さんが、病状の進行に伴い通院困難となってきたため、近医にお引っ越しとなった。 「そろそろ通院が大変になってきて・・・申し訳ないのですが・・・」と頭を下げる娘さんに、こちらも深く頭を下げる。 「この方やご家族…

【症例報告】グループホーム入所が決まり、お別れとなった前頭側頭葉変性症(意味性認知症)の方。

約2年3ヶ月経過を診てきた方。 グループホーム入所を切っ掛けに施設の嘱託医とバトンタッチすることになり、先日の外来が最後となった。 ご本人が最後に見せた優しく、そしてどこか不安そうな表情が心に遺った。

【書評】コウノメソッドでみる認知症の歩行障害・パーキンソニズム

2017年3月に発売された「コウノメソッドでみる認知症の歩行障害・パーキンソニズム」を読み終えたので感想を書いてみる。

価値観の相違を、議論で解決することは困難である。

当ブログは現在、コメント欄を閉じて運営している。 そのかわり、FacebookやTwitter、はてなブックマークといったSNSにブログ記事を流しているので、それらのアカウントを持っている方であれば、各々のSNSスレッド内でコメントすることは可能である。寄せられたコメ…

【症例報告】10mg処方のアリセプト減量で頻尿が改善した男性。ちょうどよい量は1.5mgであった。

近医からの紹介で来られた方。主なお悩みは、「頻尿」。 加齢や頭部外傷の影響でわずかにアセチルコリンが欠乏していた*1ところに、過剰な量のアリセプトが入ったことで頻尿が惹起されていた、と考えている。 *1:アセチルコリンが減ればアルツハイマーと短絡してはい…

トレリーフが、レビー小体型認知症の運動機能を改善させるというニュース。

医療NEWSより。 www.qlifepro.com

【注意喚起】簡易チェックツールで認知症を即診断、即投薬!!

〇〇にハサミは持たせるな。 チェックツールによる簡易診断、即、投薬の危険性について。 (いらすとかにて作成)

医原性認知症について。

栄養を見直し、不要な薬は減らして止める。本当に必要な薬だけ残す。もしくは、少量足す。 何を足して何を引くか?その組み合わせは膨大である。 しかし落としどころさえ誤らなければ、ロジカルに攻めて一定以上の効果をあげることは可能だと感じている。

アルツハイマー病の新薬(タキシフォリン)の話題。

国立循環器病センターから。 www.ncvc.go.jp

【症例報告】70代女性。パーキンソン病発病後に、徐々に認知面低下が低下した方。

今回は考察抜きの症例報告。 まずパーキンソン病を発症、その後認知面が低下してきた施設入所中の方。 従来このような方はPDD(認知症を伴うパーキンソン病)と呼ばれ、DLB(レビー小体型認知症)と区別されていたが、近年PDD、DLB共にLBD(Lewy Body Disease、レビー…

髄液排除試験(タップテスト)で歩行が改善しても、本人が納得しなければ手術は出来ない。(当たり前)

検査や治療を行うに当たっては、当然だが本人の同意が必要である。しかし、患者さんが認知症の場合、本人の同意を得るのは途端に難しくなる。 ただし、認知症により理解力や判断力が落ちていても、本人が穏やかに医者の説明を聞くことができて、かつご家族のご理解と…

胃酸の分泌を抑え続けると、鉄欠乏をきたしやすくなる。

Medical Tribuneから。 medical-tribune.co.jp

人口肉で作られたハンバーガー、「Impossible Burger」について。

Gigazineから。 gigazine.net

脳神経外科手術と認知症診療、自分の中での共通点。

脳神経外科手術では、脳を愛護的に扱うことが前提となる。 「正常脳を大きく傷つけたけれども、脳腫瘍は全て摘出できました。手足には強い麻痺が遺るでしょう。」では、ダメなのである。 また、動脈瘤の手術であれば「いかに術中に動脈瘤を破裂させず、なおかつ正常脳を…

【症例報告】初診時から語義失語が目立った意味性認知症の方

初診時からかなり語義失語の目立った方であった。周辺症状がほとんど出ないまま経過してくれているのが救いだが、中核症状進行により介護負担度は少しずつ増している。 早期に質の高い介護サービスに繋げられるかどうかは、その後の介護に大きく影響する。

シロスタゾール(プレタール)、台湾の研究で「認知症リスクを低下させる可能性あり」とのこと。

期待が高まる。 www.carenet.com 上記リンクより一部引用。

変則的な二人三脚治療。

今回紹介するのは、出来れば薬剤全てを当方で預かりたいと考えている方。 ただ、色々な事情*1がおありのようなので、変則的ではあるが当院で糖質制限指導及び薬剤調整の工夫をお伝えし、糖尿病専門医の処方する薬剤を患者さんと2人3脚で*2調整中である。 *1:病状に…

過食の原因として、また認知症リスクとしての鉄欠乏について。

質的栄養失調による体調不良をきたしている患者さん達を診るようになり、そこで得られた知見を認知症診療にも応用するようになった。 質的栄養失調については、下記を参考に。 www.ninchi-shou.com

スタチンを用いることで、アルツハイマー病のリスクを減少させることができる?

同様の研究はこれまでも行われてきており、その結果は否定的だと思っていたのだが。 今回、CareNetで見かけた記事から考えたことを、文中記事を引用しながら書いていく。

問題解決のプロセスについて。

ある認知症患者さんを診察し、アルツハイマーの可能性が高いかなと考え、アリセプトを処方しようと考えるまでの自分の思考過程を振り返る。