鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

アルツハイマー病の新薬レカネマブに対する見解 by Chat GPT

Chat GPT4(生成AI)に課金し、自分専用のbotを作って活用の道を探っている。 正解を求めるではなく、あるトピックについて肯定的、否定的、両方の見解をAIに語らせて吟味するのが、現時点での自分の主な使い方となっている。 将来的には、当ブログの過去記事を参考に…

抗認知症薬レカネマブ(レケンビ®)販売開始。

2023年12月20日、レカネマブが販売開始となった。 レカネマブとは、アルツハイマー型認知症の発症に関わるとされるAβ(アミロイドβ)を除去する薬である。 費用は年間298万円。患者自己負担額は恐らく年間15万円前後。 対象は早期のアルツハイマー病だけで、進行した…

ブログの要約をAIに頼んだら、ディストピアを垣間見た。

先日、はてなブログから一通のメールが届いた。 「1年前のブログ「亡国のスローガン。」などを振り返りませんか?」

レカネマブについて。

先日、患者さん(70代歳男性、軽度認知障害、HDS-R25/30点)から質問があった。 「先生、画期的なアルツハイマーの新薬が出たんでしょ?いつから使えるの?」 あー、レカネマブのことだろうなと思いながら、こう返した。

まあ、そんなもんだろう。

通勤途中、道行く小学生に「おはよう」と声をかけた。 怪訝そうにチラリとこちらを見た彼は、何も言わずに足早に去っていった。 まあ、そんなもんだろう。 「知らない人に声をかけられたら立ち去りなさい」と、学校や親から教えられているのかもしれない。

【2022年まとめ】10年間の認知症外来診断結果報告。

今年の締めくくりとして、2012年11月20日から2022年11月30日までの、約10年間の「認知症外来初診時における臨床診断結果」を報告する。 「アルツハイマー型認知症+特発性正常圧水頭症」といったような複数の認知症疾患を合併しているケースや、進行性核上性麻痺や大…

【症例報告】漢方頭痛外来。

今回は、漢方による頭痛治療が奏功した2例を紹介する。 Instagramでも漢方による改善例を紹介しているので、ご興味の方は覗いてみて欲しい。

アリセプト(ドネペジル)は、レビー小体型認知症の進行を抑制しない。

抗認知症薬アリセプト(ドネペジル)に関して重要な報告があったので紹介する。

【症例報告】「首から下が自分の身体ではない気がする」という80代女性。

レビー小体病の患者さんの訴えは実に多彩である。 「多彩な症状を訴える高齢患者さんはレビー小体病かもしれない」と考える。 「レビー小体病であれば薬物過敏症があるかもしれない」と考える。 普段からこれらのことを念頭に置いて、高齢の患者さんを診ている。そう…

【症例報告】水分摂取を拒否するので、点滴を止められない患者。

脳梗塞や脳出血などを起こした後に、膀胱が収縮できず排尿困難になることがある。 この状態の膀胱のことを、「神経因性膀胱(中枢性)」と呼ぶ。 神経因性膀胱に対して処方されるウブレチド(ジスチグミン)という薬がある。 コリンエステラーゼという酵素の働きを阻害…

手遅れ。

「早く何とかしないと手遅れになる」 息子からそう言われるたびに、リツ子は考え込む。

【症例報告】夜中に叫びながら自傷行為を繰り返していた80代男性。

他院より転医してこられた80代男性のAさんを紹介する。 約20年前に脳幹出血を発症して以降、Aさんは人が変わったようになってしまった。軽度の麻痺と体幹失調が後遺したが、それらの身体症状よりも、夜の叫びや自傷行為が止まないことが家族の悩みだった。 取り組…

亡国のスローガン。

2021年人口動態月報年計の発表があった。 令和3年(2021)人口動態統計月報年計(概数)の概況|厚生労働省 年間死亡数は143万9809人で、前年の137万2755人より6万7054人増という結果だった。 昨年の時点で既に予測されていたが、これは2011年の東北大震災の年(前…

【症例報告】オムツをむしり続ける施設入所中の90代女性。

カルテからの抜粋(改変あり)による一例報告で、当方がどのように考え治療を行っているかの一端を紹介する。 薬が一気に状況を好転させることは時に経験するが、それはあくまでも適切な介護が前提にあっての話である。施設管理者は特に、このことに留意してほしい。…

タライ。

「せんせーい、会いに来たよ~今日も膝に電気を当ててね~」 ヨシエさん(仮名)は、若くして夫を亡くした後、女手一つで5人の子どもを育て上げた女傑だ。今は田舎で独り暮らしている。

【症例報告】91歳女性、3回目のワクチン接種後9日目に脳梗塞を発症。

Nさんとお会いしたのは4年前。 もの忘れ外来初診時のHDS-Rは28/30で視空間認知テストは問題なく、頭部CTで脳萎縮は認めずとても元気な方だった。 認知症ではなかったNさんだが、加齢に伴う心身機能の衰えで独居が困難になりつつあったため、昨年夏に施設に入所と…

【2021年まとめ】9年間の認知症外来診断結果報告。

今年の締めくくりとして、2012年11月20日から2021年11月30日までの、約9年間の「認知症外来初診時における臨床診断結果」を報告する。 「アルツハイマー型認知症+特発性正常圧水頭症」といったような複数の認知症疾患を合併しているケースや、進行性核上性麻痺や大…

【症例報告】特発性頭蓋内圧亢進症(疑)の改善例。

自覚的なもの忘れを訴えて受診された、やや肥満気味の70代女性Aさん。 同伴した娘さん的には「年齢相応だと思いますけど・・・」とのことだったが、 診察室への入室時にややふらついていた 質問に対する返答がどこかボンヤリとして噛み合っていない 泌尿器科で過活動…

コロナワクチン接種後の頭痛、そしてワクチン接種にまつわる諸々について。

片頭痛、緊張型頭痛、薬物乱用頭痛、群発頭痛など日々多くの頭痛患者を診ているが、最近は連日のようにmRNAワクチン接種後頭痛に遭遇している。 mRNA vaccine-induced headace、略してMIH(勝手に命名)。

脳神経外科無床クリニックの一日②

あるクリニックの、ある一日。 トップバッターは高血圧症をフォローしている80代後半の元気な女性Sさん。コロナワクチン2回目を接種した2週間後に、人生最悪の倦怠感が出現した。 血液検査で白血球とCRP高値を確認。入院してもらうか悩むも、その後1日単位の経過観…

Youtubeに嵌まる中年男性を見て、同じく中年男性が感じたこと。

「Youtubeを見ていた夫が、急に顔色が悪くなり食事を摂らなくなったので診て欲しい」と、妻に連れられて50代男性が来院した。 僕の目の前に現れたのは、「デスラー総統か?」ってぐらいに顔色が悪い人だった。

【症例報告】慢性頭痛に著効したデパケンR。

当院には、頭痛の相談で看護師さんや介護福祉士さんがよく訪れる。 1735名の医療・介護従事者を対象としたアンケート調査では、特に看護師と介護福祉士において慢性頭痛有病率が高いことが明らかとなっている。*1 *1:「医療福祉従事者における慢性頭痛の現状と業務…

誰がためにワクチンは打たれる

新興感染症で世界が混乱している。 死者数が他の国と比べて桁違いに少ない日本でも、それは例外ではない。 テレビを付けると毎日のように「今日は○○人の感染者が報告されました。2週間後には・・・!!」と、ワイドショーのコメンテーターが声を張り上げている。

術前術後の指示を自分で出せない外科医。

当院かかりつけの認知症患者さんが入院し手術が必要になったと、担当ケアマネージャーから連絡があった。 その時点ではまだ入院先からの連絡はなかったが、先に当院での外来経過をまとめた診療情報提供書をFAXで送った。

【症例報告】薬物乱用頭痛とADHD(注意欠如・多動症)。

鎮痛薬を必要以上に飲んでいると、そのうち薬物乱用頭痛*1に嵌まることがある。 頭が痛いから鎮痛薬を飲むのは皆同じだが、鎮痛薬の使用回数が増えてきたときに、セルフモニタリングが出来る人と出来ない人では対応が分かれる。 *1:鎮痛薬乱用で頭痛が悪化してい…

【症例報告】糖質制限のみでHbA1c10.1→5.7に改善した男性。

知人から当院受診を勧められ、40代の男性が来院した。 人間ドックでHbA1c10.1、その他脂肪肝や高血圧などを指摘され内服治療を勧められているが、「出来れば薬は飲みたくない」とのことだった。 半年間、ほぼスーパー糖質制限で取り組んだ結果が以下。

アメリカで承認されたアデュカヌマブ(アデュヘルム)について。

メマンチン以来、実に18年ぶりにFDA(アメリカ食品医薬品局)がアルツハイマー病の新薬を承認した。 製品名は「アデュヘルム」。一般名はアデュカヌマブ。 アルツハイマー発症の原因とされるAβ(アミロイドベータ)を標的とした、モノクローナル抗体薬である。

「認知症者へのコロナワクチン接種に同意します」という同意書。

5月26日に、厚生労働省が「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」という報告書を出した。 厚生労働省ページへのリンク 前回のブログでも懸念は表明したが、予想通り死亡者数は増えていた。

「コロナワクチンの接種は任意」という原則は、認知症高齢者で守られるだろうか。

コロナワクチン(コミナティ筋注)の接種が進んでいる。 厚生労働省の発表する「先行接種者健康調査」によると、先行して接種した約2万人の医療従事者における副反応の出現率や種類は以下のようになっている。 既に各所で指摘されているように、2回目の摂取後の全身…

【症例報告】語義失語、左半側空間無視、左上肢の肢節運動失行を呈していた高齢女性。

Nさんは、夫と二人で暮らす80代後半の女性である。 火の消し忘れ、冷蔵庫の開けっぱなし、料理の味付けの変化など気になることが増えてきており、また、内服中の薬が多すぎるのではないかとのことで、御家族に伴われて受診された。