鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

親に認知症の可能性を見出そうと焦る前に、まずは親の不安を受けとめる。

これは自分にとっても大いに言えることなので、自戒の意味を込めて書く。

常同行動とアイデンティティについて。

息子さん夫婦と暮らす、80代のアルツハイマー型認知症の女性。 診察室の中では常に笑顔で、愛想よく話す。その様子を、同伴のご家族は醒めた目で眺めている。

特発性正常圧水頭症(iNPH)診療の前提として必要なこと。

脳神経外科速報という雑誌を、もう10年以上定期購読している。 脳神経外科速報 2017年8月号(第27巻8号)特集:ひたすら優れた臨床医を目指して ─自分の伸び代を信じて進め posted with amazlet at 17.07.27 メディカ出版 (2017-07-27)売り上げランキング: 73,644…

フェリチンとBUNが高いと、糖質制限がうまくいきやすい(特に女性)

とある50代女性をご紹介。

【症例報告】初診時の説明は、あとになって役立つことがある。

AVIM(無症候性脳室拡大)という概念がある。 www.ninchi-shou.com 画像上は非常に疑わしくても、その時点で症状に乏しければ様子観察でもよいと思う。 ただし、「将来的に水頭症が顕在化することは十分にあり得る」ということを強調しておけば、いざという時に思い出…

夫婦別々で話を聞くことは、時に必要である。

外来では通常、患者さんとご家族いっしょに話をきく。概ねそれで問題はない。 しかし時に、患者さんに同伴したご家族が伴侶であった場合、ご夫婦別々で話を聞くことがある。

【書評】『うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった』を読んで。

書評に名を借りた、いつもの自分語り。 素養があれば、あっという間に読める。素養がなければ、眼からウロコの連続だろう。

学校検診でピロリ菌の尿中抗体を調べるという試みについて。

鹿児島県では、平成29年度の新規事業として、県内の高等学校、特別支援学校高等部、高等専門学校及び専修学校(以下、「高等学校等」という。)の1年生のうち、保護者の同意を得られた生徒を対象として、学校検診の尿検査の献体の一部を利用し、尿中ピロリ菌交代の有無に…

2年越しで届いた、患者さんへのメッセージ。

これまでに何度か、認知症患者さんから「先生はエクボが出るね」と言われたことがある。 ちなみに、ご家族からは一度も言われたことはない。

高齢者に「服薬管理マシーン」は必要か?

Bloombergから。 www.bloomberg.co.jp

白内障の手術をしても大丈夫かどうかを、眼科医から確認されることについて。

手術は通常、執刀医(もしくは執刀医が所属する専門科)の責任の下に行われる。 ただ、全身麻酔の手術で、かつ緊急ではない予定手術であれば、心臓を含めた全身状態が全身麻酔に耐えうるのかどうかを事前に循環器科や麻酔科に相談することはある。

認知症を隠れ蓑にして無罪を主張したのか?

JCASTニュースから。 www.j-cast.com

低力価スタチンで1.9倍、高力価スタチンで2.6倍、糖尿病発症リスクが上昇したというニュース。

CareNetから。 www.carenet.com

認知症サポート医を1万人まで増やしても・・・

NHK NEWS WEBから。 www3.nhk.or.jp

LPシャントで復活して、2年が経過した方。

以前ブログで紹介した方の経過報告。 www.ninchi-shou.com

「認知症予防の新たな標的、グルコースピーク」というニュース。

CareNetから。 www.carenet.com

プロテカジン(ラフチジン)で誘発された幻視。

胃薬で幻視が誘発されていた方を紹介する。

どのぐらいの数値で、フェリチンは足りていると言えるのか。

フェリチン30で元気ピンピンの人もいれば、頭痛肩こり不眠でグッタリの人もいる。

運転免許継続に関わる診断書作成の難しさ。

今回紹介するのは、前医で認知症(病型不明)と診断されて抗認知症薬を内服中だった方。 ご家族のご希望で当院にお引っ越しとなったのだが、運転免許にまつわる問題の難しさを改めて感じたので書いてみる。

小林麻央さんの訃報に接して。

2年8ヶ月の闘病の末、小林麻央さんが旅立った。 多くの人が彼女を応援し、回復への期待を抱きつつも、病状の悪化に心を傷めていたことと思う。自分もその一人であった。 彼女のBlogが開設された当初、しばらく読んでいた時期があった。 栄養療法を行っている身として…

ヘッドバンギングと慢性硬膜下血腫との関連について。

ライフワークは音楽鑑賞です(唐突)。 ロックよりの音楽を中心に、色々なジャンルを聴く。最近は頻度が減ったが、以前はHeavy Metalをこよなく好んで聴いていた*1。 高校時代、「メタリカの"Battery"で起床するか、それともメガデスの"Holy Wars"で起床するか」が、ちょ…

1型糖尿病に対するメトホルミンが、長期的に心血管イベントを抑制したというニュース。

Medical Tribuneから。 1型糖尿病にもメトホルミン|ニュース|Medical Tribune

【症例報告】メマリーによる興奮。

アリセプトによる興奮は有名であるが、メマリーによる興奮も時々経験する。開始や増量直後であれば分かりやすいが、しばらく同じ量で維持している間に徐々に興奮してくることがある。 これに気づかないと、抑制系薬剤の無慈悲な増量に繋がってしまうので気をつ…

読書について。

ライフワークは読書です(唐突)。 小学生の頃は、自宅に転がっていた森村誠一や江戸川乱歩といったミステリーをよく読んでいた。

届かない声。

話が通じない成年患者(認知症を除く)に出会った時、4つの可能性を考えるようにしている。 自分の説明力が不足しているから あまりにも今の症状が辛いから 鉄タンパク欠乏をきたしすぎたから 元々のキャラクターゆえに 今回紹介するのは、「このままだと危うい…

糖質制限で、自分自身を知る。

糖質制限を開始して、6年目に入っている。 睡眠の質の改善を初めとして、体感できるメリットは数知れない。ダイエット方法として紹介されることも多い糖質制限だが、自分の場合だと開始1年ちょっとで12kgの減量を達成し、その後維持している。残念ながら運動は全く…

日記を書くことで記憶をつなぎ止めようとし、日記を読むことで嫌なことを思い出す。

ある80代男性(以下Aさん)について。

「韓国の研究チームが韓国人の脳内地図を完成、認知症の予測に効果」というニュース。

Record Chinaから。 www.recordchina.co.jp

ケアマネさんや介護事業所との連携に用いているアプリを紹介。

ケアマネさん達がダイレクトに患者さんを紹介してくれる。 家族背景がpoorであったり、同伴の家族の理解力に難がある場合には、ケアマネさんが付き添ってくることが多い。持ち出し上等で頑張ってくれるケアマネさん達が少しでも楽が出来るように(ついでに自分も)…

認知症患者家族に念書を書かせる警察。

認知症の進行に伴い高まる徘徊のリスク。 夕方症候群のように特定の時間帯でソワソワし始めることもあれば、前触れなくいきなりいなくなることもある。

【症例報告】抗認知症薬と抗うつ薬を減量中止した女性。

今回紹介するのは、抗うつ薬と抗認知症薬を卒業出来た方である。 既に役目を終えている薬を減量卒業するのは、そんなに難しいことではない。薬がまだ役目を果たしている場合には、減らしたり止めたりすると具合が悪くなるので、また戻せばよいだけのことである。 今…

「周辺視野が衰えていく≒マルチタスクが苦手になる」という推測。

ご主人を介護中の80代女性が、物忘れのご相談で来院された。ADLは自立しているものの、最近物探しが増えて冷蔵庫管理が苦手になり、料理の段取りや味付けが怪しくなってきたとのことであった。

認知機能ではなく、運転技能で免許更新の是非を判断すべきだと思う。

Medical Tribuneから。 認知機能ではなく、運転技能で免許更新を|ニュース|Medical Tribune 免許を交付するのも停止するのも警察。医者に免許取り消しの責任を負わせようとしていないか? 新井氏は私見として「本来、運転免許証の更新の可否は運転技能によっ…

器質化した、慢性硬膜下血腫の頭部CT画像。

タイトルそのままです<(_ _)> 慢性硬膜下血腫とは、頭部打撲後しばらくして、徐々に硬膜(脳を包む硬い膜)の下に古い血液成分が貯留して脳を圧迫する病気のことである。

【謎の行動】糖質制限中の患者さんからお菓子を頂き困惑(笑)。

糖質制限に取り組み成果を出せた患者さん(糖質制限者)が、そのお礼に当院(糖質制限推進クリニック)にお菓子を置いていくというコントのような出来事を経験した。 微笑ましいというか、こちらも微妙に困惑するというか(笑)

【症例報告】呉茱萸湯と五苓散が著効した片頭痛の女性。

頭痛といえば片頭痛。 ただし、外来で遭遇する最も頻度の高い頭痛は緊張型頭痛である。片頭痛と緊張型頭痛が混在していることも多い。 典型的な片頭痛は、思春期から20代半ばぐらいまでに始まり、多くは50代、60代にかけて徐々に終熄していく。 今回は、片頭…

The Spirit Carries On

大切なことを患者さんから教えて貰ったので、忘れないうちに書きとめておく。 後々、音楽と共に患者さんの想い出が蘇ってくれることに期待して。 white heart flickr photo by Lora Huber shared under a Creative Commons (BY) license

アルツハイマー治療薬「アデュカヌマブ」、先駆け審査指定品目に。

エーザイとバイオジェンが共同開発中のアルツハイマー病治療薬「アデュカヌマブ」が、最終段階に入っているようだ。 www.nounow.jp

【書評】『明日から役立つ 認知症のかんたん診断と治療』

結論から先に言うと、「すんごく分かりやすい」本です。

【書評】『認知症 症例から学治療戦略ーBPSDへの対応を中心にー』

書評という名の自分語り。 木村武実先生*1の御著書、『認知症 症例から学治療戦略ーBPSDへの対応を中心にー』の改訂版が出版された。初版は2012年8月なので、約5年ぶりの改訂である。 初版から微修正された今回の改訂版)を読みながら、懐かしい気持ちに浸った。 *1:…

介護殺人に至る、最後の一押し。

認知症を発症した家族にストレスを加えないように配慮しているうちに、家族がストレスで倒れてしまうことがある 「なぜこの人の為に、自分がここまで我慢しなくてはいけないのか?」 理屈では解決し難いこの問いに、明確に答えは出せない。

硬膜下腔が拡大している頭部CTから考える、3つの可能性。

水頭症について、以前総論的な記事を書いた。 www.ninchi-shou.com 今回は、「これは外水頭症かな?」と自分が感じた症例から、水頭症患者の頭の中で起きていること、そして頭部CTを見る際の注目点について述べる。

「自分は何かに帰属している」という意識は、老年期の支えになる。

家族がいてくれるから何も困らないよ。ありがたいことだね。 きれいに周囲に溶け込み、ほぼ個を無くしたかのようにみえる仏様のようなおばあちゃん。 若い頃は仕事を頑張りました。今でも当時の連中には会って元気を貰っていますよ。 周囲から屹立し(孤立で…

橈骨神経麻痺による下垂手(ハネムーン症候群・サタデーナイト症候群)。

久しぶりに経験したので御紹介。

ノベルジンが、低亜鉛血症治療薬とした追加承認を受けたというニュース。

Medical Tribuneから。 medical-tribune.co.jp

純粋自律神経不全症(PAF)とは?

最近、自律神経に関して調べ物をしている時に知った「純粋自律神経不全症(PAF)」という病態について紹介。 以下、MSDマニュアルより抜粋引用。

【症例報告】アルツハイマー型認知症+特発性正常圧水頭症の男性。

ある治療により現在の状況を好転させる可能性があっても、結果的に年齢を考慮して「もう年だしね・・・」で様子を見ることは多い。それはそれで一つの決断である。リスクを取りにいった結果、逆に具合が悪くなることもあるため、一律にみなリスクを取るべきとは思わな…

メマリー雑感

先日、抗認知症薬メマリーを販売している第一三共の学術担当者と話していて、その後色々と考えてみたことを書いてみる。 今回は、ちょっと専門的な内容となります<(_ _)>

【ちょっとした総括】今の自分の認知症診療について。

約2年6ヶ月経過をみてきたレビー小体型認知症の患者さんが、病状の進行に伴い通院困難となってきたため、近医にお引っ越しとなった。 「そろそろ通院が大変になってきて・・・申し訳ないのですが・・・」と頭を下げる娘さんに、こちらも深く頭を下げる。 「この方やご家族…

【症例報告】グループホーム入所が決まり、お別れとなった前頭側頭葉変性症(意味性認知症)の方。

約2年3ヶ月経過を診てきた方。 グループホーム入所を切っ掛けに施設の嘱託医とバトンタッチすることになり、先日の外来が最後となった。 ご本人が最後に見せた優しく、そしてどこか不安そうな表情が心に遺った。