鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

【症例報告】うつ病とか適応障害とか診断名を付ける前に、やっておくべきこと。

今回紹介するのは、寮生活を送りながら部活を頑張ってきた女子高生。ある時期から練習についていけなくなり、頭痛や不眠、低血圧で悩まされるようになった。 心療内科を受診し、下された診断は「適応障害」。次に訪れた心療内科では「うつ病」と診断され、抗うつ薬と眠剤…

【症例報告】何かを足したら、何かを引く。

多剤併用で害が起きている状態を、ポリファーマシーと呼ぶ。 今回は、足し算医療によるポリファーマシーでバランスを崩していたNSさんをご紹介する。 「何かを足したら何かを引く」のが高齢者医療の鉄則だが、最初からそれを心がけておけばポリファーマシーは激減す…

【症例報告】若い女性が好きな高齢男性。それに苛立つ高齢の奥さん。

久しぶりにヒヤリとした経験をご紹介。 高齢男性が、口やかましく厳しい奥さんを尻目に若い女性に鼻の下を伸ばすことを責めるのは酷な気もするが、そのことを奥さんが快く思わないのもまた当然の話。 どちらに付くわけにもいかないのだが、放っておく訳にもいかな…

【症例報告】眠剤変更のみでほぼ落ち着いた87歳男性。

易怒や興奮を抑えるために、かなりの抑制系薬剤が投入された状態で他院から紹介があったHKさん。 抗精神病薬の影響と思われる身体の固さ、表情の乏しさ(≒薬剤性パーキンソニズム)を認めた為、「精神系の薬が多すぎるので、減らした方がいいと思うのですが」とご家族…

【症例報告】脳萎縮に明確な左右差がある男性。

軽度認知障害(MCI)の男性を紹介。 脳萎縮に明瞭な左右差があるため*1、今後MCIからFTLDに移行していくのかを注意深く見守っている。 *1:脳萎縮に明瞭な左右差を認めた場合、前頭側頭葉変性症(FTLD)の可能性を念頭に置く。

【症例報告】注意欠陥障害の成人女性。

HRさんは20代前半の女性である。 職場で何度言われても仕事でミスが目立ち、同僚(上司?)から「あなたの記憶力には相当問題がある。病気かもしれないから頭を調べて貰いなさい」と言われて来院された。 以下の経過を追うと、発達障害の中でも注意欠陥障害というもの…

【症例報告】PSP+iNPHの方。

今回は、PSP(進行性核上性麻痺)+iNPH(特発性正常圧水頭症)を合併していたNMさんをご紹介する。 前医の脳神経外科でPSPを指摘され、グルタチオン点滴が開始されていたが、効果は感じていなかった。 当院で初回1600mgでグルタチオン点滴を行ったところ即座に歩行に…

『「治る認知症」見つける事前検査、7割行われず』というニュース。

朝日新聞DIGITALから。 www.asahi.com

【症例報告】Mガードについて。

認知症サプリメントのフェルガードを販売しているグロービアが昨年、Mガードという新たなサプリメントの販売を開始した。 最初にMガードの自験例を、その次に、Mガードを使用しているご家族の観察記録を紹介する。

自分語りをしながら、便秘について語る。

今回は、ほぼほぼ自分語り。

Hunt症候群と診断してステロイドを処方した後に、糖尿病が発覚。

ある30代女性のHunt症候群の治療で経験したことをシェアする。

【症例報告】切れ味良くイクセロンパッチが効いた84歳女性。

「イクセロンパッチやリバスタッチが効くときは、大体こんな感じだよね」という典型例をご紹介。 「アルツハイマーね、ハイ薬ね」ではなく、じっくりと考えてもらい決断してもらったというプロセスが重要で、そこに本人も加わっているというのが更に重要。 初診で認知…

高齢発症の側頭葉てんかんについて。

MMさんは84歳の男性である。 当院のもの忘れ外来を受診したが、長谷川式テストはほぼ満点だった。認知症の可能性はほぼなかったのだが、「記憶が飛ぶ」、「ボーッとしている」という訴えから、認知症ではない別の病気の可能性が浮上した。

終わりを迎えた父。

容態悪化の報を受けて父の入院先に向かって車を走らせる道すがら、幼い頃の記憶を手繰っていた。

製薬会社が主催する講演会で発表するスライドは、事前検閲を受けるという話。

「検閲」という言葉をご存じだろうか。 検閲(けんえつ)は、狭義には国家等の公権力が、表現物(出版物等)や言論を検査し、国家が不都合と判断したものを取り締まる行為をいう。(Wikipediaより引用) 日本の歴史上では、敗戦後の日本でGHQが行った検閲が有名で…

進行性核上性麻痺(PSP)の画像所見について。

進行性核上性麻痺(PSP)とは、 垂直方向の眼球運動障害 姿勢障害による易転倒性 頚部体幹優位の固縮や寡動などのパーキンソン症状 認知機能低下 などを主症状とする、進行性の神経変性疾患である。詳しくは、前回記事をご参考に。 www.ninchi-shou.com 今回は、PSP…

進行性核上性麻痺(PSP)について。

進行性核上性麻痺(PSP)とは、 垂直方向の眼球運動障害 姿勢障害による易転倒性 頚部体幹優位の固縮や寡動などのパーキンソン症状 認知機能低下 などを主症状とする、進行性の神経変性疾患である。 「目は見開き気味で認知機能低下があり、身体は固い。首を後ろに…

病型診断だけでは片手落ち。

言葉によるコミュニケーションがうまくいかない時に考えること。

じりじりと経過していく時間。

頭部打撲を切っ掛けにお付き合いが始まった87歳独居の女性。初診時数分のやり取りで、認知機能低下をきたしていることはすぐに分かった。 既にかかりつけ医があり、かつ残薬が家に溢れているという状況だったため、当院が濃厚に介入することで混乱を招くことを恐…

めまいとヘルペスウイルスとの関係について。

前回の記事は、顔面神経麻痺についてであった。 今回は、めまいとヘルペスウイルスとの関係について書いてみる。

顔面神経麻痺について。

年配の患者さん達が「私は昔、顔面神経痛をやったことがあってね~」と外来で言うことがあるのだが、顔面神経痛という病名(医学用語)は存在しない。 患者さん達の言う顔面神経痛とは、恐らく顔面神経麻痺のことを指していると思われる。 その証拠に、「顔面神経痛を~」…

満たされない想い。

数年間、外来でお付き合いしている患者さんがいる。 患者さんと言ったが、実は、自分はその方を患者と思ってはいない。

「医者」としての自分と、「人」としての自分。

「治るんじゃなかったんですね・・・」 そう仰ったMSさんの奥さんの表情からは、深い諦めが見て取れた。

白寿を祝い、外来を卒業。

先日、お祝い用のちゃんちゃんこを3色購入してみた。 院長室の片隅で出番を待つ、ちゃんちゃんこ達

【症例報告】待ってくれている人がいるから。

MTさんの奥さんは、突如出現した夫の猛烈な嫉妬妄想と幻視に苛まれていた。 自分のクリニック以外の所であれこれとコトが動いていたので、正直あまり深く関わったわけではない。ただし、数回の介入がその都度奥さんを少しずつ救ったという点では、効率的介入だった…

パーキンソン病の勉強になる、おすすめ書籍。

ざっと3冊をご紹介。

終わりに向かって歩む父。

心不全で入院していた父が先日、リハビリのため転院になった。 医療上必要な転院というよりも、我々家族が「逃がした」という表現の方が適切かもしれない。 入院前は中等度介助で歩行していた父が、3週間の入院で寝たきりになり、食事も摂れなくなってしまった。

【症例報告】抗パーキンソン薬の漸減中止が完了した方。

以前の記事で紹介した方の、抗パーキンソン薬卒業が完了したので御報告。 www.ninchi-shou.com 元々パーキンソン病ではなかったと自分は考えていたので、本物のパーキンソン病の方の減薬の際に経験する「これ以上は減らせないな・・・」という局面に遭遇することなく…

【症例報告】前頭側頭型認知症の方。2年4ヶ月のお付き合いの末、かかりつけ医変更に。

今回紹介するのは、前頭側頭型認知症のHYさん。 初診時は60代後半。それまでアルツハイマー型認知症の診断でドネペジルが処方されていた。 約2年4ヶ月の経過を、ほぼカルテからの引用で紹介する。ご家族や施設スタッフ、ケアマネさん達と情報をやりとりしながら、皆…

認知症「救急」外来、そして解毒外来という当院の役割。

今回紹介するKNさんは、飛び込みで来られた方である。当院は通常、認知症外来は予約で承っている。 その日は既に予約がかなり入っていたため、受付スタッフは「出来れば、日を改めて予約を取って頂けたら・・・」と、後日の受診をご案内した。しかし、同伴の親戚の方が「ど…