鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

【症例報告】前頭側頭型認知症の改善例(ケアマネさんのファインプレー)

今回紹介するのは、典型的な前頭側頭型認知症の方(UTさん)。 2年前にアルツハイマー型認知症の診断を受け、アリセプトが出されて易怒性亢進というお約束パターンに嵌まり続けていたのだが、担当のケアマネさんが気づいて連れてきて下さったことで改善に繋がった。…

【症例報告】長期経過のパーキンソン病の方。ジスキネジアと幻視を制御。

パーキンソン病の経過中に問題となる、ジスキネジアやon-off現象。 今回紹介するSRさんは、16年という長期経過の末にジスキネジアやon-offが現れた。同時に幻視でADLも低下していた。レボドパ合剤の減量と組み合わせ、コムタン減量、モサプリド追加、セレネース少量…

健康自主管理のお手伝い。

2年近く前になるが、栄養に関する講演を行ったことがある。 キャパシティ350人の会場に約500人が詰めかけるほどの盛況ぶりから、栄養に関する社会の関心が高いことを強く思い知らされ、更に栄養の勉強を積み重ねつつ今に至っている。

【年末恒例】5年間の認知症外来結果報告

いつも当ブログをご覧になって下さり、誠にありがとうございます<(_ _)> 今年の締めくくりとして、2012年11月20日から2017年12月2日までの、約5年間の認知症外来データをまとめてみました。 ちなみに、ここで出したデータは全て「認知症外来初診時における臨床診…

「エーザイ、バイオジェンと共同開発のアルツハイマー新薬臨床試験で好結果得られず」のニュース。

新薬の開発とは、本当に難しいものである。 今回の発表を受けて、エーザイの株価は急落している様子。 www.excite.co.jp

【症例報告】病識の有無で、説明の仕方を変えているという話。

今回紹介するのは、介入3ヶ月で「なかなかいいですねぇ」となったSMさん。 「自分が今までのようではない」という意識(病識)を持っていた方なので、

【経過報告】糖質制限7年目の経過報告。

先日、Amazonの購入履歴を遡ってみたところ、2011年8月に江部先生の本を購入していたことが分かった。 ということは、糖質制限を始めて7年目に入ったということになる。 糖質制限を始める切っ掛けになった本 この書籍はその後、版を重ねてリニューアルされているよ…

【症例報告】栄養の工夫と鉄補充で、頭痛薬を卒業した女性。

頭痛で一番有名なのは、恐らく片頭痛だろう。 実際、子供の頃から頭痛持ちの方は「自分の頭痛は片頭痛」と考えていることが殆どである。しかし、よくよく話を聞くと、片頭痛以外の複数の頭痛要素を合併していることが結構ある。 複数要素を併せ持つ頭痛を、例えばロキ…

「専門医療」をシンプルにするための工夫。

当院に来られる典型的な方達を、一部ご紹介。

アルコールによる振戦が、パーキンソン病の振戦と間違われていた男性。

他医でパーキンソン病と診断された、ある40代男性を紹介する。 奥さんが「これは何かおかしい」と早めに気づいて連れてきてくれたから良かった。

診断名に頼らずに、治療の成果を追求する。

変な話かもしれないが、初診時の診断をあまり当てにしていない自分がいる。 認知症外来を始めてからつけている病型分類の内訳があるが www.ninchi-shou.com 全て、「初診時」の診断名を元に作成している。これも、別に確定診断などというつもりはなく、「その要素を…

賞味期限切れと、消費期限切れの違い。

ある88歳女性とお会いするのを、毎回楽しみにしている自分がいる。

薬物乱用型頭痛について。

外来で頭痛の患者さんを診ていると、薬物乱用型頭痛(Medication Overuse Headache:MOH)に結構な頻度で遭遇する。 MOHとは、頭痛患者*1が鎮痛剤を不適切に乱用することにより、頭痛が増強、または次の頭痛を呼び込んでしまう病態のことである。 国際頭痛分類による…

3年間グルタチオン点滴を続け、一旦終了となったDLBの方。

3年前からグルタチオン点滴をはじめ、このたび一旦終了となった方(TRさん)を御紹介する。

仕事を続ける動機としての、「贖罪」という意識について。

「今さら医療ミスどうこうを言う気はないのです。ただ、下血で入院するまではあんなに元気だった母が、入院して急に認知症になったと説明されても納得できないのです。」 そう仰ったATさんの息子さんの眼には、涙がにじんでいた。

良くなる可能性はあるが、治療が困難な方。

以前ブログで紹介した方の続報。 www.ninchi-shou.com 状況にやや進展はあったのだが、 まだ治療には至っていない。

【妄想的小考】薬を販売するための巧妙な戦略。

『「処方せんチェック虎の巻」改訂版 上』という本がある。 「処方せんチェック」虎の巻 改訂版 上 (日経DI薬局虎の巻シリーズ) posted with amazlet at 17.09.29 澤田 康文 日経BP社 売り上げランキング: 466,536 Amazon.co.jpで詳細を見る 2009年の本で古くは…

「ピロリ菌除菌後のPPI長期使用で胃癌のリスク上昇」というニュース。

Medical Tribuneから。 medical-tribune.co.jp

元のお父さんに戻った!

認知症外来をやっていると、時に「以前の母(父)に戻りました」という言葉を頂く。 改善例は多く経験してきたが、元に戻ったという評価はそうそう頂けないので、そう言われたときの嬉しさはひとしおである。

社交について感じていること。

勤務医時代よりも意識して、患者さん達に愛想良く振る舞おうと努力している自分がいる。院長が無愛想なクリニックには、誰も来たがらないだろうから。 医師の愛想や機嫌の良さは、患者さんやご家族に安心して頂くために必要なスキルということは理解しているので、…

バランス感覚を欠いた専門医療は、高齢者にとって凶器になり得る。

とある消化器内科クリニックと心療内科クリニックに通院中であった、高血圧などを持つ独居の80代後半の女性(HSさん)をご紹介する。 経過中に心療内科で認知面低下を指摘され、〇〇病院を紹介された。そこで「アルツハイマー型認知症+パーキンソン病」と診断されて…

鉄不足を解消し、抗うつ薬を卒業出来た30代女性。

罹病期間が短ければ短いほど、薬を卒業するために必要な時間も短くなるはず。 Just An Invitation...... flickr photo by Emuishere Peliculas shared under a Creative Commons (BY-ND) license

オルタナティブ・ストーリーを生きる。

「自分はこういう人間で、家族はこういう人間で、自分が属する共同体はこのようなもので・・・」 人はみな、このような物語を編みながら生きている。

ナイアシン処方の工夫について。

統合失調症の方を数名診ている。 長年の経過で陽性症状は既に枯れ、陰性症状メインの方達である。みなさん抗精神病薬は精神科が処方しており、当院では生活習慣病対策を行っているのだが、少しでも抗精神病薬の減量に繋がればと考えてナイアシンを処方している。

防衛医療に徹していると、改善の機会を逃すことがある。

治療における選択肢を示すことは、医者の重要な仕事の一つだと思っている。 www.ninchi-shou.com ただ、全ての選択肢を同列で説明する訳ではない。 防衛医療*1に徹しすぎると患者さんが改善の機会を失う事があるため、これまでの自分の経験から上手くいく可能性が…

一回だけの診察で、情報をどこまで伝えるべきか?

診察で得られた情報を、患者さんや家族にどこまで説明するべきなのだろうか。このことで、しょっちゅう悩む自分がいる。 特に、その情報が確定的なものではなく、自分の推測が多く含まれていて、尚且つその推測に対する明確な対処法(決定的な治療法)がない場合には、…

運転免許の自主返納を促すにあたって、気をつけていること。

道路交通法改正から、およそ7ヶ月が経過した。 www.ninchi-shou.com 運転免許継続に関わる当院への診断書作成依頼は、徐々に増えてきている。

専門医療の足し算は、高齢者を幸せにするだろうか?

病気を診ずして病人を診よ(高木兼寛) 蓋し名言である。 ある患者さんが、自分の専門領域の病気のみに罹患しているとする。その病気の治療が上手くいき、治癒に成功すれば仕事は終了である。 では、患者さんが自分の専門領域以外の病気に罹患している可能性を感じた…

「困っていない。放っておいてくれ」という人に介入するために必要なこと。

医者という仕事をしていながらこういうことを言うのもアレだが、自分は極力病院にはかかりたくないと思っている人間である。*1 認知症診療をしていて時にやりきれなくなるのは、「私はどこも悪くないし困ってもいなのに、なんで病院にこなくちゃいけないの?」と、怒…

こうして、ポリファーマシーが増えていくのだろうか。

一人の患者さんに対して、複数の病院が複数の処方を行っている状況を写真で表現するならば、以下の様になると思う。 Recursive Pizza flickr photo by aaronparecki shared under a Creative Commons (BY) license このことがポリファーマシー*1の大きな要因と…