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鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

メマリー雑感

先日、抗認知症薬メマリーを販売している第一三共の学術担当者と話していて、その後色々と考えてみたことを書いてみる。 今回は、ちょっと専門的な内容となります<(_ _)>

【ちょっとした総括】今の自分の認知症診療について。

約2年6ヶ月経過をみてきたレビー小体型認知症の患者さんが、病状の進行に伴い通院困難となってきたため、近医にお引っ越しとなった。 「そろそろ通院が大変になってきて・・・申し訳ないのですが・・・」と頭を下げる娘さんに、こちらも深く頭を下げる。 「この方やご家族…

【症例報告】グループホーム入所が決まり、お別れとなった前頭側頭葉変性症(意味性認知症)の方。

約2年3ヶ月経過を診てきた方。 グループホーム入所を切っ掛けに施設の嘱託医とバトンタッチすることになり、先日の外来が最後となった。 ご本人が最後に見せた優しく、そしてどこか不安そうな表情が心に遺った。

【書評】コウノメソッドでみる認知症の歩行障害・パーキンソニズム

2017年3月に発売された「コウノメソッドでみる認知症の歩行障害・パーキンソニズム」を読み終えたので感想を書いてみる。

価値観の相違を、議論で解決することは困難である。

当ブログは現在、コメント欄を閉じて運営している。 そのかわり、FacebookやTwitter、はてなブックマークといったSNSにブログ記事を流しているので、それらのアカウントを持っている方であれば、各々のSNSスレッド内でコメントすることは可能である。寄せられたコメ…

【症例報告】10mg処方のアリセプト減量で頻尿が改善した男性。ちょうどよい量は1.5mgであった。

近医からの紹介で来られた方。主なお悩みは、「頻尿」。 加齢や頭部外傷の影響でわずかにアセチルコリンが欠乏していた*1ところに、過剰な量のアリセプトが入ったことで頻尿が惹起されていた、と考えている。 *1:アセチルコリンが減ればアルツハイマーと短絡してはい…

トレリーフが、レビー小体型認知症の運動機能を改善させるというニュース。

医療NEWSより。 www.qlifepro.com

【注意喚起】簡易チェックツールで認知症を即診断、即投薬!!

〇〇にハサミは持たせるな。 チェックツールによる簡易診断、即、投薬の危険性について。 (いらすとかにて作成)

医原性認知症について。

栄養を見直し、不要な薬は減らして止める。本当に必要な薬だけ残す。もしくは、少量足す。 何を足して何を引くか?その組み合わせは膨大である。 しかし落としどころさえ誤らなければ、ロジカルに攻めて一定以上の効果をあげることは可能だと感じている。

アルツハイマー病の新薬(タキシフォリン)の話題。

国立循環器病センターから。 www.ncvc.go.jp

【症例報告】70代女性。パーキンソン病発病後に、徐々に認知面低下が低下した方。

今回は考察抜きの症例報告。 まずパーキンソン病を発症、その後認知面が低下してきた施設入所中の方。 従来このような方はPDD(認知症を伴うパーキンソン病)と呼ばれ、DLB(レビー小体型認知症)と区別されていたが、近年PDD、DLB共にLBD(Lewy Body Disease、レビー…

髄液排除試験(タップテスト)で歩行が改善しても、本人が納得しなければ手術は出来ない。(当たり前)

検査や治療を行うに当たっては、当然だが本人の同意が必要である。しかし、患者さんが認知症の場合、本人の同意を得るのは途端に難しくなる。 ただし、認知症により理解力や判断力が落ちていても、本人が穏やかに医者の説明を聞くことができて、かつご家族のご理解と…

胃酸の分泌を抑え続けると、鉄欠乏をきたしやすくなる。

Medical Tribuneから。 medical-tribune.co.jp

人口肉で作られたハンバーガー、「Impossible Burger」について。

Gigazineから。 gigazine.net

脳神経外科手術と認知症診療、自分の中での共通点。

脳神経外科手術では、脳を愛護的に扱うことが前提となる。 「正常脳を大きく傷つけたけれども、脳腫瘍は全て摘出できました。手足には強い麻痺が遺るでしょう。」では、ダメなのである。 また、動脈瘤の手術であれば「いかに術中に動脈瘤を破裂させず、なおかつ正常脳を…

【症例報告】初診時から語義失語が目立った意味性認知症の方

初診時からかなり語義失語の目立った方であった。周辺症状がほとんど出ないまま経過してくれているのが救いだが、中核症状進行により介護負担度は少しずつ増している。 早期に質の高い介護サービスに繋げられるかどうかは、その後の介護に大きく影響する。

シロスタゾール(プレタール)、台湾の研究で「認知症リスクを低下させる可能性あり」とのこと。

期待が高まる。 www.carenet.com 上記リンクより一部引用。

変則的な二人三脚治療。

今回紹介するのは、出来れば薬剤全てを当方で預かりたいと考えている方。 ただ、色々な事情*1がおありのようなので、変則的ではあるが当院で糖質制限指導及び薬剤調整の工夫をお伝えし、糖尿病専門医の処方する薬剤を患者さんと2人3脚で*2調整中である。 *1:病状に…

過食の原因として、また認知症リスクとしての鉄欠乏について。

質的栄養失調による体調不良をきたしている患者さん達を診るようになり、そこで得られた知見を認知症診療にも応用するようになった。 質的栄養失調については、下記を参考に。 www.ninchi-shou.com

スタチンを用いることで、アルツハイマー病のリスクを減少させることができる?

同様の研究はこれまでも行われてきており、その結果は否定的だと思っていたのだが。 今回、CareNetで見かけた記事から考えたことを、文中記事を引用しながら書いていく。

問題解決のプロセスについて。

ある認知症患者さんを診察し、アルツハイマーの可能性が高いかなと考え、アリセプトを処方しようと考えるまでの自分の思考過程を振り返る。

プレタールの血管拡張作用が良くわかる画像。

4年程前の症例を紹介。 50代女性、脳梗塞後遺症の方。MRAで右後頭動脈に高度狭窄(硬化性変化)を認めていた。そのVR画像が以下。

【症例報告】釣藤散で頭痛が消失。

高齢者の「首から上の」慢性的なお悩みに、釣藤散が著効することをしばしば経験する。 慢性的なお悩みとは、頭痛であったり頭重感であったり、めまいや耳鳴りであったりと様々である。また、使っている間に血圧が下がってくることもしばしば経験するので、内服中の降…

「統計学的に正しい」=「医学的に正しい」?

ある薬が世に出るためには通常、プラセボ(偽薬)もしくは同ジャンルの他剤との比較対照試験を行い、最低でも非劣勢(劣ってはいない)を示す必要がある。 いつものようにアリセプトを例に取るが、添付文書からは以下のような試験を経て世に出たことが分かる。

納得いかないディオバン事件の結末。

ディオバン事件とは何か。 ディオバン事件(ディオバンじけん)とは、高血圧の治療薬であるディオバン(一般名:バルサルタン)の医師主導臨床研究にノバルティス日本法人のノバルティスファーマ社の社員が統計解析者として関与した利益相反問題(COI: Confi…

少年が抗うつ薬を飲む理由。

自分が学校に行きたいから? それとも、母親が子供を学校に行かせたいから?

認知症初期集中支援チームから、初めて案件依頼がありました。

地域包括支援センターから認知症初期集中支援チームへの委嘱を受けて、そろそろ1年近く経つ。 しかし、相談の案件が全く来ないので「本当に活動実体があるのかな?」と思っていたところ、先日やっと一件目の相談があった。 聞くところによると、1年弱の間に35件の案件…

道路交通法改正によって医者が引き受けることになる「損害賠償請求」のリスク。

以下、認知症関連学会が連名で作成した、「認知症高齢者の自動車運転に関する専門医のための Q&A 集」から引用。発行日が本日(平成29年3月14日)なので、できたてホヤホヤである。赤文字強調部分は筆者によるもの。

世間の常識に縛られず、自分に合った食生活が出来れば・・・。

病的レベルの鉄不足とタンパク質不足によるものと思われる頭痛めまいでお悩みの方達は、皆さんほぼ女性である。

【妄想的小考】貧困と脳萎縮の関係から、デフォルトモード・ネットワークと糖質過剰摂取の関係まで考えてみた。

Gigazineから。 gigazine.net 可処分所得が少ないと、食費にしわ寄せがいく。限られた食費の中で、満腹感と効率よいカロリー摂取、時短が重視されると、糖質摂取量が最大化される。

道路交通法改正で懸念される、幾つかの点について。

いよいよ道路交通法が改正となる。 今年の1月に、鹿児島県医師会主催による道交法改正に関する説明会が行われたので参加した。 当日配付された資料を基に、改正道交法の問題点や自分の関わり方について、改めて考えてみた。

NAC(N-アセチルシステイン)に危険性はあるのか?

ここ2回にわたってNACを取り上げてきたが、今回で一応最後。 メリットしかない処方薬やサプリメントなどあり得ない訳だが、では抗酸化作用が期待出来るサプリメントのNACについて、危険性はあるのか否かを調べてみた。

【症例報告】薬剤性の前向性健忘(疑)に対するNACの使用例。

前回の記事はこちらから。 www.ninchi-shou.com 今回は、具体的なNACの使用例をご紹介。

NAC(N-アセチルシステイン)について。

NAC(Nアセチルシステイン)とは含硫アミノ酸であるシステインの誘導体で、強力な抗酸化作用(還元作用)を持つグルタチオンの前駆物質である。

偶然の産物。アリセプト+レミニールの同時処方が著効していた、レビー小体型認知症+特発性正常圧水頭症の方。

現在保険で認可されている抗認知症薬は4種類ある。 アリセプト レミニール リバスタッチパッチ(イクセロンパッチ) メマリー 1~3はAchE阻害剤(アセチルコリンエステラーゼ阻害剤)で、4のメマリーだけ作用機序が違う。 1+4、2+4、3+4という処方は可能だが、1+2のよう…

インフルエンザの感染拡大を抑える工夫について。

娘が熱発したので、簡易インフルエンザ診断キットで調べてみたところ陽性であった。 その翌日に妻が発症し、更にその翌日に自分が発症するという、典型的な家族内感染となったのだが、幸いにも自分が罹患したタイミングは週末であったこともあり、仕事への影響は最…

インフルエンザウイルスが、診断キットで検出されなくなるまでの期間について。

先日、インフルエンザに罹った。 はっきりとインフルエンザと診断されて学校や仕事を休んだ記憶はないので、ひょっとしたら人生初だったかもしれない。 簡単に、今回の経緯を時系列でまとめる。以下の写真は、診断キットで自分のウイルス排出具合を確認したものであ…

【症例報告】釣藤散+五苓散の著効例。

とある離島から来られた方をご紹介。 「頭に薄皮1枚の膜をかぶったような・・・」と仰る高齢者をちらほら見かける。 病名、診断名を問われると何とも答えられないが、経験的には釣藤散が良く効いてくれることが多い。

自分にとって理解困難な対象を、病気認定して済ませてしまおうとしていませんか?

数年前に、とある講演会で座長を務めたのだが、その時の演者が自信たっぷりにこう言い放っていた。 今あるエビデンスに基づくと、抗認知症薬は可能な限り速やかに最高量まで増量した方が、認知症の進行抑制効果が出ている。少量投与ではそのようなエビデンス…

警察と認知症患者さんの狭間で考えること。

先日、ある患者さんのことで警察から照会があった。 詳細は省くが、法に触れる幾つかの行動があったとのこと。 その患者さんは、長谷川式テストが10/30で遅延再生は0/6。時計描画は可能であったが、透視立方体模写は不可。頭部CTでは萎縮の左右差を認めた。 その他、日…

糖質制限を認知症治療の中心に据えることが出来たら、治療は捗るだろうなぁという夢想。

病気の根本治療とは、病気の原因を取り除き、現在悩んでいる症状を消失させることである。 そうすると、アルツハイマー病のような変性疾患の根本治療とは、病理学的組織変性を修復し、同時に記憶障害や失行などの中核症状を改善させることとなる。これは事実上不可…

糖質制限+フェルガード+ココナッツオイルで2年間フォローしてきた軽度認知機能障害(MCI)の方。

自覚的、他覚的改善が得られているようです(^^)/

糖質制限に対する、ある「自然派医師」の見解から思うこと。

ameblo.jp 腸内細菌叢の重要性について異論はないのだが、このDrは「糖質制限≒腸内細菌叢破壊行為」と考えているようだ。

【症例報告】抑うつ症状に対する糖質制限、鉄補充の効果。

当院では基本的に、ほぼ全ての患者さん達に糖質制限をお勧めしている。ただし、どの程度実生活に取り入れるかはお任せである。 糖質制限を勧める優先順位の高い疾患は、順不同で以下。 糖尿病を筆頭とした生活習慣病 軽度認知機能障害 頭痛や肩こり、不眠やうつ 理…

主治医として、祖母の最後を看取りました。

主治医としておよそ2年半経過を診てきた祖母が先日、94歳で他界した。

糖尿病を合併している認知症患者さんの、治療目標設定の難しさについて。

約2年経過を診てきた方。経過中に改善の感触はあったが、最終的にはご本人やご家族の満足度が高いとは言えない状態のまま、お別れとなった。

ポリファーマシーを本気で減らしたいのであれば、誰かが舵取り役を務めなければならない。

身体のどこかに不具合を感じ、専門診療科に相談に行く。場合によっては治療が始まる。 高齢者は複数の病院にかかっていることが多い。各病院の医師達は、それぞれの専門領域に関してはアドバイスを行うが、患者さんの全身を俯瞰して舵取りをする者は不在のことが多…

選択肢が少なくなっていく哀しさ。

肉親や知人の死、子供の独立、自身の病気。 加齢に伴う何らかの「喪失」に遭遇したとき、人は自分に残された時間を考える。そして、「自分には、あと幾つの選択肢(選択権)が残っているだろう?」とも考える。

「他科の処方には手を付けたくない」という医者心理が、ポリファーマシーを助長する一因。

先日、県薬剤師会主催の研修会に講師として招かれ、「ポリファーマシーを減らすために」というタイトルで話をしてきた。 質疑応答が30分を超える盛り上がりであったが、そのなかで以下のような質問があった。 自分達からみて不要そうな薬があったとしても、病院勤務…

何となく飲み続けていた抗うつ薬を中止した結果・・・

遠回りしてしまったが、抗うつ薬中止で完璧な満足を得ることが出来た男性をご紹介。