以前の記事で紹介した方の、抗パーキンソン薬卒業が完了したので御報告。
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元々パーキンソン病ではなかったと自分は考えていたので、本物のパーキンソン病の方の減薬の際に経験する「これ以上は減らせないな・・・」という局面に遭遇することなく、スムーズに卒業出来た。
ただしこれは、抗パーキンソン薬への曝露期間が短かったからである。もし年単位で内服を続けていたら・・・。
ひょっとすると、減薬の途中で有害事象が出現し、ある程度の量で維持せざるを得なくなっていたかもしれない。
約3ヶ月で抗パーキンソン薬を卒業した40代女性
減薬開始
〇〇病院から引っ越しとなった。
- 常に眠いのに、ちゃんと眠れない
- 目の前の事象が、コマ送りで見える
- 体幹を細かく揺らすジスキネジア
これらは全て抗パ剤の作用(副作用)と考えていいだろう。
ミラペックスLAは2週間おきに0.375mgの減量を図っていく。本人の強いご希望でドパコールは100-100-100から100-0-100に減量。ゾニサミドは漸減なしでそのまま終了。
緊張型頭痛に対してノイロトロピン内服を。代わりに処方理由不明なメコバラミンを止める。両肩にスーパーライザー照射。温かくなり少し軽くなったと。
(減薬開始前)
ドパコールL100 3T3X
ミラペックスLA1.5mg 3T1X朝
エクセグラン25mgx2
2週間後
- コマ送り現象は改善傾向
- 立ち上がりは少しスムーズに
- 睡眠はまだまだ
今回ミラペックスLAを0.375mg減量、ドパコールは100mg減量。
採血でB6不足は顕著。甲状腺は問題なし。最近気になる抜け毛は低タンパク由来かな。
2週間後
- 歩行が非常にスムーズに
- 揺れるようなジスキネジアは消失
- コマ送り現象もなくなった
自覚的他覚的に改善大。
今回はミラペックスを3.75mg→3mgに0.75mg減らす。
ドパコールは100mg→50mgに。
いずれも最終的にはゼロを目指す。もの凄くうれしいらしく、「気づいて下さってありがとうございました」とお礼を言われた。
デイのスタッフからも改善を言われうれしいと。スーパーライザーは肩こりに良く効くと。今日も照射。
2週間後
抗パ剤減量に伴う有害事象なし。ただ、この1ヶ月ほど羞明を感じるようになった。また、麻痺側である右上下肢の感覚異常を以前より意識するようになった。これは、一時期のドパミン過剰が退いていく過程の一過性のものか?
ドパコールは終了。ミラペックスLAは0.75mg減量して2.25mg/dayに。
いずれ、離島で独居している母親を呼び寄せて同居する予定とのこと。
2週間後
2週間で4kgの体重増。毎日3合の米を炊いていると。
ミラペックスLA減量に伴う有害事象なし。今回も0.75mg減量する。あと2回で卒業かな。
天候左右性の頭痛に五苓散が著効。梅雨時には大活躍だろう。
2週間後
緊張型頭痛は以前からあったが、この1年ほどの間で嘔気を伴わない拍動性頭痛を時に感じるようになった。耳の奥でバチバチと音が鳴りだした後に始まるとのことで、片頭痛的なエピソードである。
これで痛み出すと長時間寝込むことがあるらしいので、トリプタン製剤はアマージを選択。
今回もミラペックスLAを0.75mg減量し、次回で終了とする。
減薬開始から3ヶ月後
今回でミラペックス終了。良かったですね。
アマージは良く効くとのことで、少し多めに処方。風邪対策は冷えもあるので麻黄附子細辛湯で。去年は肺炎を経験している。
(引用終了)