以前ご紹介した方の、その後を報告。
今回、術後1年ちょっとが経過したので評価を行った。
HDS-Rは18/30で遅延再生が0/6。透視立方体模写と時計描画テストはいずれも問題なし。失点パターンからはアルツハイマー型認知症を疑うが、今のところ傾眠傾向や軽度パーキンソニズムからレビー小体型認知症寄りで考えている。
使用薬剤はリバスタッチ4.5mgにメネシット200mg/day、ドプス200mg/day。現在の状況にご主人は完璧に満足しておられる。
頭部画像では、1年の経過で頭頂脳溝の描出が鮮明になった。また、脳梁角が鈍角化してもいた。
ちなみに、シャント手術後の効果判定はあくまでも臨床症状の改善の有無、つまり歩行や尿失禁、認知症症状に改善があるかどうかで行う。
画像による変化、例えば脳室の縮小や頭頂脳溝描出を目標に、シャント圧調整を行う必要はない。症状が改善していれば、それでOKである。
更なる症状の改善を期して圧調整を行った場合、慢性硬膜下血腫や頭痛を来すことがあるので注意が必要である。
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