4年程前の症例を紹介する。
50代女性、脳梗塞後遺症の方。MRAで右後頭動脈に高度狭窄(硬化性変化)を認めていた。そのVR画像が以下。
〇で囲った部分が強い動脈硬化を来している箇所である。今にも途切れそう。
他医より引き継いだ方だったのだが、内服中であったバイアスピリン100mgをプレタール200mgに切り替え、半年後に撮影したMRAが以下。
見事に狭窄部位が拡張していることが分かる。
プレタールの持つPDE3(ホスホジエステラーゼ3)阻害作用は、抗血小板作用のみならず、血管平滑筋に作用して血管拡張作用も持つ。
この血管拡張作用が魅力的なので、頭痛や動悸といった副作用の発現率がそれなりに高いにも関わらず、自分は抗血小板薬のファーストチョイスとしてプレタールを使っている。