鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

2015-01-01から1年間の記事一覧

アルツハイマー型認知症疑いで紹介された、皮質基底核変性症(CBD)の方。

まず気になったのは、初見時にアルツハイマーの印象を全く受けなかったこと。 その患者さんは、DLBやCBDの方が呈するどことなく暗い表情で入室された。変性性認知症疾患の場合、これまでブログで取り上げてきたピック感やレビー感など、初見で「お?」と思わ…

ウインタミン(コントミン)が、何故頭痛に効くのだろうか?

高齢者の器質的な原因のない頭痛や、頭がわんわん症候群(仮)に対して、少量のウインタミンが治療的なことがある。 何故効くのか?について調べてみたことを書いてみる。ついでに、ウインタミン(クロルプロマジン)の歴史や作用機序などについても少し書いてみ…

強い帰宅願望に勝てず・・・。シャント手術が出来ず、精神科入院が必要となってしまった方。

今回紹介するのは 「入院直後で手術という段取りをしていたら、今頃は・・」 と考えさせられた方である。

水頭症に対するシャント手術後に、シャントバルブ圧の変更が必要な場合がある。その理由と方法について説明。

水頭症手術に対して行われるシャント手術。術後に髄液流量を調整する必要が生じた際には、バルブ圧変更を行う。シャントバルブ圧調整の実際を紹介する。

レスベラトロールは、既に発症したアルツハイマー型認知症の治療に役立つか?

赤ワインで認知症予防! よく見かけるフレーズである。 正確には、赤ワインに含まれるポリフェノールの一種である、レスベラトロールという抗酸化物質による予防効果が期待されている、ということである。予防に役立つなら、治療にも役立つのでは?そんな発…

正常圧水頭症に対するLPシャント術の手術適応はどのように決めているのか?そして、変性性認知症が合併している場合には?

まず前提として、 手術を受けるかどうかを最終的に決めるのは患者さんである。 医者は、手術のメリットやデメリットについて適切な説明を心がけるのみである。ただし、圧倒的にメリットが大きい場合には積極的に勧めることはあるし、余りにもリスクが高い場合…

「坂本龍一が完全菜食主義に」というニュースから考えたこと。

中咽頭癌で闘病中の坂本龍一さん。病状を心配しているファンの人達は多いだろう。最近は安保法案関連のニュースで姿をよく見かけるので、病状は落ち着いているのだと思いたい。 坂本龍一のニュース - 坂本龍一、がん闘病で“完全菜食主義”に - 最新芸能ニュース一…

【告知】平成28年4月に、無床クリニック開院を予定しています。

// 脳神経外科医としてのこれまでの経験を元に、

不定愁訴の原因は大量の薬だった。多剤併用(ポリファーマシー)の問題点とは?

高齢者医療において、多剤併用が大きな問題となっている。5種類以上の内服薬がある場合、副作用発現のリスクが急上昇する、というデータもあるようだ。 高齢者の服薬は5種類までにしてそれ以上の薬はやめるべき | マイナビニュース 必要があって、かつ適切に…

オキシトシンで自閉症状改善のニュース。認知症への適応拡大にも期待。

以前当ブログでオキシトシンについて紹介したことがある。 www.ninchi-shou.com ちなみに、オキシトシンとは母乳産生に作用するホルモンであるが、それ以外にも様々な働きを持つことが知られている。 (Wikipediaより引用)

期間限定の少量ウインタミン使用で、慢性頭痛を卒業した方。

以前、頭痛の治療で紹介したこの方。 www.ninchi-shou.com その後順調に経過していたが、この度晴れて外来を卒業できたのでご報告する。

間一髪。物忘れ外来の予約待ちをしている間に手遅れになっていたかもしれない脳腫瘍症例。

テレビや新聞、雑誌で認知症に関する情報が氾濫している。その結果、何も困ってはいない元気な人達でも 今のうちにしっかり調べておこう ! と考えて、物忘れ外来を予約するようになってきた。 予防意識が高まっているのは結構なことだが、その影響で本当に…

アクトス(ピオグリタゾン)でパーキンソン病発症リスクが低下する可能性あり

Medical Tribune(2015年8月20日号)で見つけた記事。 左上の「インスリン抵抗性でAD(アルツハイマー)リスク増大」という記事も含めて興味深かったので紹介。

抗認知症薬の添付文書は守るべき?守ったことで逆に危険なことになるケースがある。

レビー小体型認知症なのにアルツハイマー型認知症と誤診された方。それでもアリセプトの用量を少量にしておけばよかったものを、添付文書通りに増量した結果、一気に悪化してしまった、更にその挽回のために抗うつ薬まで処方されていた。

医者の言葉が、患者さんの人生に大きな影響を及ぼすことがある。そして、逆もまた然りである。

患者さんやご家族に対する言葉使い、言葉の選び方には気をつけている。 丁寧に話していればいいというものでもないが、何気ない自分の言葉が患者に多大な影響を及ぼしてしまうことは、医療関係者であれば誰でも経験していると思う。 今回紹介するのは、医者…

薬を止めたら良くなった(笑) アルツハイマー型認知症と診断され、アリセプトを12年間飲まされてきた84歳男性。

こういう風に話を聞いてもらったことは、12年間で一回もありませんでした。本当に「一回も」ありませんでした。ありがとうございました。 このように仰り、外来をあとにしたある患者さんの奥さん。 憤り、理解、そして未来へのわずかな希望。約20分間の外来で、様々な想…

アリセプト内服で、うつの副作用が出現。

若年性アルツハイマー型認知症疑いで経過をみている方をご紹介。 試行錯誤しながら、あっという間に一年以上が経過した。

抗認知症薬の脳萎縮予防効果?萎縮を予防したら認知症は予防できる?

ケアネットでみかけたこの記事。 抗認知症薬の脳萎縮予防効果を確認:藤田保健衛生大|医師・医療従事者向け医学情報・医療ニュースならケアネット 果たして脳の萎縮を予防できたら、認知症予防につながるのだろうか?

抗認知症薬のメマリー(メマンチン)に副作用報告。「横紋筋融解 」の危険性ありとのこと。

厚生労働省から、メマリーに対する添付文書改訂の通告があったようだ。 認知症薬メマリー、横紋筋融解症の恐れも- 厚労省、添付文書改訂の周知を | 医療介護CBニュース 2012年4月以降、同剤の投与後に、骨格筋の細胞が融解したり、壊死したりすることによって…

患者や家族の足を引っ張る看護師。

何を(誰を)信じていいのか分からない 「先生、患者さんの娘さんから相談の電話があって。かなり困っているご様子なので診察をお願い出来ますか・・・?」 外来日ではない日に、外来看護師さんからこのような依頼があった。 大抵は皆さん困って来院する訳で、わざわざそ…

夫に認知症を疑われ、物忘れ外来に連れて来られた60代女性。

「夫(妻)の前では言えない・・・」 長年連れ添ったからこその遠慮、というものはある。このような時、どちらの言い分を重視すべきだろうか?

認知症ではないのに認知症と診断される?

先日、「認知症ではない方に抗認知症薬が処方されている」という内容のニュースがNHKで報道された。 NHKが取り上げることで、事の重大性が世間に周知されることに期待したい。恐らく、全国的には年間数万人レベルで不要な抗認知症薬処方が行われていると推測する。

保険診療と自由診療、そして混合診療解禁について。

保険診療内で出来る事は多いが、グルタチオン点滴療法やビタミンC大量点滴、ソルコセリル8mgなど、保険診療内では決して到達出来ないレベルの改善が得られる世界がある。 www.ninchi-shou.com 保険診療とは?自由診療とは?混合診療とは何か? 現在の日本の医療制度…

「幻覚が見える」から、「頭がわんわんする」へシフト?

物忘れだけではなく、様々な相談が持ち込まれることが多い認知症外来。今回は、ちょっと不思議な経過を辿った方をご紹介。

約3ヶ月歩くことが出来なかった方が、ソルコセリル8mgの点滴で再び歩き出した。

グルタチオン点滴にソルコセリル8mgを併用し、著明に改善を得た症例をご紹介。

「突然認知症みたいになってしまったんですけど・・・」というご相談があり、MRIを撮ってみたところ・・

脳皮質下出血を起こしていた 先々週の日曜日に、突然表情がなくなってボーッとなりました。その後も、TVのリモコンの使い方が分からなくなったり、おかしな事を言ったり、まるで認知症になったみたいなんです・・・ このようなご相談があった。2週間様子をみ…

認知症の祖母の主治医になって、一年が経過(2015年7月)。

認知症の祖母の主治医となって、そろそろ一年が経過する。一時は相当悪化したが、その後持ち直している。処方の工夫などを公開。フェルガードやプロルベイン、少量レミニールなど、使えるあらゆる手段を講じている。

タップテスト(髄液排除試験)後に頭痛の訴えあり。何が起きたのか?

タップテスト(髄液排除試験)とは? タップテストとは、腰椎穿刺(腰椎の隙間から針を差し込む検査)を行い、脳脊髄液を採取する検査のことである。 髄膜炎や神経変性疾患が疑われる場合に行われるが、正常圧水頭症が疑われる場合には、脳脊髄液を抜いて症状が…

意味性認知症かアルツハイマー型認知症か迷った方。一年後のご様子は?

長谷川式テストの点数は上がっていたが・・・ 初診時でアルツハイマー型認知症なのか、前頭側頭葉変性症の意味性認知症なのか迷うケースは多い。 今回、初診以降はかかりつけ医にお願いしていた方が一年ぶりに来院されたのでご報告。

脳血管性認知症の方、治療開始1年後の経過報告。

脳血管性認知症の治療を開始して一年経過。介入前より改善し、良い状態をキープしている。