フェルガードで好調を維持している軽度認知機能障害(MCI)の方達は非常に多い。今回は、その中のお一人をご紹介。
80歳女性 軽度認知機能障害(MCI)
初診時
(現病歴)
2〜3ヶ月ぐらい前から物忘れが気になる、とご夫婦で来院。毎日温泉にいって血圧を測るのが日課と。
(診察所見)
HDS-R:19
遅延再生:5
立方体模写:OK
時計描画:OK
クリクトン尺度:8
保続:なし
取り繕い:なし
病識:あり
迷子:なし
レビースコア:施行せず
rigid:なし
ピックスコア:施行せず
頭部CT左右差:なし
介護保険:なし
胃切除:なし
(診断)
ATD:
DLB:
FTLD:
MCI:〇
その他:
野菜語想起が弱い。にこにこほがらか。失点パターンがATD特異的な感じではないが、病識があり、夫からも指摘を受け、且つHDS-Rが19/30。MCIと考えておくべきかな。ADLは完全に自立。
3ヶ月後に再診を。今のところ薬やサプリメントは希望しないと。
3ヶ月後
ちょっと早めの来院。特に変化はなかったと。
内服など何もしていないが前回より5点アップ。特に認知の変動というわけでもなさそうだが。運動や食事には気をつけるようになったと。
フェルガードに興味を示したので、資料をお渡し。
3ヶ月後再診。
6ヶ月後
日時見当識が弱点。前回から横ばい。新聞の音読励行。
フェルガード100Mをx1で始めている。ご主人も飲みたいと。どうぞ。
9ヶ月後
日時見当識が相変わらず低いが、横ばいで経過。
フェルガードはご夫婦で仲良く内服中。
次回で1年経過。
1年後
これまででもっともよい結果。
現在100Mx3に増量して内服中とのこと。
フォロー継続。順調ですね。お二人とも嬉しそう。
(記録より引用終了)
フェルガードの飲み方は、皆さんそれぞれで工夫している
自分の認知症治療において重要な選択肢となっているフェルガード。処方薬ではなくサプリメントである。
抗認知症薬に全く反応しなかった方を大幅に改善させたこともある。
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勿論、お財布との相談(100Mであれば、月に5500〜6000円ほど)ではあるが、
- いきなり処方薬を飲むのは副作用が心配で恐い
- 「今のところは大丈夫」と言われたけど、何もしないで様子をみるのは心配だ
こういったお悩みを持つ方であれば、試してみる価値は十分にあると思う。効果を実感出来たら続ければいいし、しばらく続けてピンとこなかったら、止めればいい。
この方は、フェルガード100Mを朝だけ1包で内服を始め、その後ご主人と相談しながら増量し、現在は朝昼晩と3包内服するようになってから、ご自分でも効果を実感出来るようになっている。
症状が良くなる方達(ご家族含む)に共通するのは、
元々薬やサプリメントに興味があり、その特徴や副作用を勉強して、積極的に用量用法調整について意見を述べる
という姿勢。
「自分の身体に入るものには、自分で責任を持ちたい」ということなのであろう。
基本的なことなのだが、案外みんなが忘れがちなことでもある。