鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

2017-01-01から1年間の記事一覧

診断名の変遷(レビー小体型認知症→進行性核上性麻痺)

最初に変性疾患の診断を下した医者が、その患者さんを最後までフォローすることは、恐らくだが殆どないと思われる。 施設入所などをきっかけに主治医が変更になると、病名と薬は概ね引き継がれる。 しかし、最初に診断した医者だけが持ち得た診断に当たっての…

【妄想的小考】ニンチガー症候群とは?

世に蔓延るニンチガー症候群*1。 その定義は以下の様なものである。 適切なアセスメントをせずに"認知面低下=認知症"と即断し、"認知症=ニンチ"と頻繁に略する。また、場にそぐわない行動をとる患者や利用者を指して「ニンチが進んだ」と表現し、薬物投与で対処を図…

「自分は浄化された」という患者さんの話。

東洋医学では、好転反応と呼ばれる身体反応があるらしい。 好転反応(こうてんはんのう)とは、もともとは東洋医学(按摩や鍼)で使われる用語で、治療の過程で一時的に起こる身体反応のこと。反応の程度はさまざまである。(Wikipediaより引用)

どちらも長谷川式テスト22点だが、対象的な87歳。

支える人が周囲にいるのかどうか。いるならば、その人達に何をお願いすべきか。いなければ、どのように支援体制を構築していけばよいのか。薬は必要なのか。必要でないならば、どのようにして病院とのつながりを保てばよいのか。薬が必要なら、その量や内服回数はどの…

「なにかあったらいけないから」CTは積極的に撮影すべき?

「なにかあったらいけないから、早めに病院を受診しましょう」 「なにか」を否定したいのが本人ではない場合、「病院へ〜」の促しは慎重にしたいものである。

自院のことを考えつつ、患者さんの満足度に気をつけつつ。

病院を受診し、窓口でお金を払う。領収書を見ると、色々と書いてある。 初・再診料〇〇点 画像診断〇〇点 投薬〇〇点 処置〇〇点 各々を合計して負担率(3割や1割)を掛けた金額が、いわゆる自己負担額である。

こどもへの鉄補充について。

以前ブログで取り上げた少年(以下、Y君)の、その後を報告。 2017年夏の、ちょっとした良い想い出になった。 www.ninchi-shou.com

【経過報告】以前シチコリンで復活した女性、再度のシチコリンでまたしても復活。

以前、当ブログで紹介した方の経過報告。 www.ninchi-shou.com

認知的不協和と非科学的態度について。

週刊東洋経済(2017年8/12-8/19合併号)に、「抗認知症薬の功罪」というタイトルの記事が掲載された。 週刊東洋経済 2017年8/12-19合併号 [雑誌] posted with amazlet at 17.08.15 東洋経済新報社 (2017-08-07) Amazon.co.jpで詳細を見る 記事を一部抜粋しながら…

器質的な脳萎縮が先行→軽度認知機能障害パターンを経過観察中。

以前ブログで紹介した方の続報。 www.ninchi-shou.com 同記事最後の部分を引用する。

親に認知症の可能性を見出そうと焦る前に、まずは親の不安を受けとめる。

これは自分にとっても大いに言えることなので、自戒の意味を込めて書く。

常同行動とアイデンティティについて。

息子さん夫婦と暮らす、80代のアルツハイマー型認知症の女性。 診察室の中では常に笑顔で、愛想よく話す。その様子を、同伴のご家族は醒めた目で眺めている。

特発性正常圧水頭症(iNPH)診療の前提として必要なこと。

脳神経外科速報という雑誌を、もう10年以上定期購読している。 脳神経外科速報 2017年8月号(第27巻8号)特集:ひたすら優れた臨床医を目指して ─自分の伸び代を信じて進め posted with amazlet at 17.07.27 メディカ出版 (2017-07-27)売り上げランキング: 73,644…

フェリチンとBUNが高いと、糖質制限がうまくいきやすい(特に女性)

とある50代女性をご紹介。

【症例報告】初診時の説明は、あとになって役立つことがある。

AVIM(無症候性脳室拡大)という概念がある。 www.ninchi-shou.com 画像上は水頭症が疑わしくても、その時点で症状に乏しければ様子観察でもよいと思う。 ただし、「将来的に水頭症が顕在化することは十分にあり得る」ということを強調しておけば、いざという時に思い…

夫婦別々で話を聞くことは、時に必要である。

外来では通常、患者さんとご家族いっしょに話をきく。概ねそれで問題はない。 しかし時に、患者さんに同伴したご家族が伴侶であった場合、ご夫婦別々で話を聞くことがある。

【書評】『うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった』を読んで。

書評に名を借りた、いつもの自分語り。 素養があれば、あっという間に読める。素養がなければ、眼からウロコの連続だろう。

学校検診でピロリ菌の尿中抗体を調べるという試みについて。

鹿児島県では、平成29年度の新規事業として、県内の高等学校、特別支援学校高等部、高等専門学校及び専修学校(以下、「高等学校等」という。)の1年生のうち、保護者の同意を得られた生徒を対象として、学校検診の尿検査の献体の一部を利用し、尿中ピロリ菌交代の有無に…

2年越しで届いた、患者さんへのメッセージ。

これまでに何度か、認知症患者さんから「先生はエクボが出るね」と言われたことがある。 ちなみに、ご家族からは一度も言われたことはない。

高齢者に「服薬管理マシーン」は必要か?

Bloombergから。 www.bloomberg.co.jp

白内障の手術をしても大丈夫かどうかを、眼科医から確認されることについて。

手術は通常、執刀医(もしくは執刀医が所属する専門科)の責任の下に行われる。 ただ、全身麻酔の手術で、かつ緊急ではない予定手術であれば、心臓を含めた全身状態が全身麻酔に耐えうるのかどうかを事前に循環器科や麻酔科に相談することはある。

認知症を隠れ蓑にして無罪を主張したのか?

JCASTニュースから。 www.j-cast.com

低力価スタチンで1.9倍、高力価スタチンで2.6倍、糖尿病発症リスクが上昇したというニュース。

CareNetから。 www.carenet.com

認知症サポート医を1万人まで増やしても・・・

NHK NEWS WEBから。(リンクしていたNHK記事は後に削除。)

LPシャントで復活して、2年が経過した正常圧水頭症の患者さん。

以前ブログで紹介した方の経過報告。 www.ninchi-shou.com

「認知症予防の新たな標的、グルコースピーク」というニュース。

CareNetから。 www.carenet.com

H2-blockerのプロテカジン(ラフチジン)で誘発された幻視。

胃薬で幻視が誘発されていた方を紹介する。

どのぐらいの数値で、フェリチンは足りていると言えるのか。

フェリチン30で元気ピンピンの人もいれば、頭痛肩こり不眠でグッタリの人もいる。

高齢者の運転免許継続に関わる診断書作成の難しさ。

今回紹介するのは、前医で認知症(病型不明)と診断されて抗認知症薬を内服中だった方。 ご家族のご希望で当院にお引っ越しとなったのだが、運転免許にまつわる問題の難しさを改めて感じたので書いてみる。

小林麻央さんの訃報に接して。

2年8ヶ月の闘病の末、小林麻央さんが旅立った。 多くの人が彼女を応援し、回復への期待を抱きつつも、病状の悪化に心を傷めていたことと思う。自分もその一人であった。 彼女のBlogが開設された当初、しばらく読んでいた時期があった。 栄養療法を行っている身として…