鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

フェリチンとBUNが高いと、糖質制限がうまくいきやすい(特に女性)

とある50代女性をご紹介。

50代女性 頭痛と肩こり

 

頭痛と肩こり、高血圧のご相談で来院。当院が糖質制限推進クリニックと聞き、糖質制限のことも教えて欲しいと。

 

最近、近医で採血検査を受けており、その結果を持参していたので確認。

 

  • Hb 14.9
  • MCV 93.5
  • AST 24
  • ALT 38
  • γ-GTP 79
  • BUN 11.5

 

トランスアミナーゼの数値からは脂肪肝が疑われた。体型は、かなりふくよか。

 

BUN2桁でタンパク摂取はまずまず足りているようで、HbとMCVの数値からは、恐らくフェリチンも足りているのだろうな、と思った。

 

肩こりはかなり強く、ノイロトロピンを4T2Xで処方。そして、糖質制限の理屈と実践方法を説明。

 

念のためにフェリチン採血を行い、1週間後に再診とした。

 

1週間後

 

颯爽とした表情で、その方は現れた。

 

「ビックリするぐらい、肩こりが楽になりました。主食を外してタンパク質を増やしていますけど、何か気分が凄く晴れやかです。"循環が上手くいっている"、そんな感じです」

 

と、嬉しそうに報告してくれた。

 

採血結果だが、フェリチンは90。やはり、十分にフェリチンを持っていた。

 

糖質制限が最初からうまくいくかどうかは、その時点のタンパク摂取量とフェリチンに依存するのではないか。糖質制限の効果が速やかに現れやすいのが男性なのは、そういう理由だと思っている。

 

この方は、初診の時点でタンパク量とフェリチンに問題はないだろうと思ったので、最初から糖質制限を勧めた。

 

ただし、もしいずれかが少ないことが予想されたら、採血結果を確認してからの糖質制限開始が無難である。

 

単純にカロリー不足が疑われる場合には、糖質制限ではなく脂質タンパク摂取量を増やすように勧めている。

 

主食を外す糖質制限をその時点で導入するかどうかは別として、菓子類や清涼飲料水などは最初から外した方がよいのは言うまでもない。

 

肩こり