知人から当院受診を勧められ、40代の男性が来院した。
人間ドックでHbA1c10.1、その他脂肪肝や高血圧などを指摘され内服治療を勧められているが、「出来れば薬は飲みたくない」とのことだった。
半年間、ほぼスーパー糖質制限で取り組んだ結果が以下。
- 体重 107.2kg→90.4kg(身長180cm)
- 血圧 133/96→103/66
- AST 57→21
- ALT 118→29
- γ-GTP 72→27
- 中性脂肪 234→62
- HDL-C 33→39.8
- LDL-C 126→98
- 血糖 194→103
- HbA1c 10.1→5.7
高血圧、脂肪肝、脂質異常、糖尿病、全てが改善した。
仕事の都合上、どうしても昼には茶碗半分程度の米を食べているが、朝と夕はタンパク質中心のおかずのみで、主食としての糖質摂取はしていない。
主食を摂らなくなった分、肉を相当な量食べるようになったが、体重は半年で17kgの減量に成功。ちなみに、運動はほぼしていない。
自覚的な不調はなく、糖質制限を続けていることによるストレスもないとのこと。
念のために甲状腺ホルモンも確認しているが、Low T3にもなっていない。
糖質制限は確度の高い生活習慣病改善策だが、糖質を摂らないことが多大なストレスになってしまう人は別な道を模索するのが良い。
生活習慣病の相談を受ける時、「もう薬を飲んだ方がいいんですかね?それとも、まだ食事や運動でいけますか?」と聞かれることがある。
投薬を否定するわけではなく、また状況次第でもあるのだが、薬から生活習慣病対策を始めると本質的な改善の機会を失うことが多いように思う。
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