最後に調子を整えたのは、プロルベインであった。
80代男性 アルツハイマー型認知症
初診時
(現病歴)
もの探し、やったことをやっていないと言い張る、ぼーっとしている、動きが緩慢になった、
頭痛を訴える、などなど。1年ぐらい前から。
(診察所見)
HDS-R:11.5
遅延再生:1
立方体模写:微妙
時計描画:OK
クリクトン尺度:25
保続:なし
取り繕い:なし
病識:あり
迷子:なし
レビースコア:4
rigid:上肢にあり
幻視:なし
ピックスコア:1.5
頭部CT左右差:なし
介護保険:なし
胃切除:なし
歩行障害:ゆっくり緩慢
排尿障害:なし
易怒性:軽度
(診断)
ATD:△
DLB:△
FTLD:
MCI:
その他:
離島から来られた方。ATD<DLBの印象。目線は合わないが、診察中ややせん妄気味?
イクセロンパッチ4.5mg開始。遠方につき、2ヶ月処方。落ちついたら地元にバトンタッチかな?
2ヶ月後
- 歩行が明らかに速くなった
- 笑顔が増えた
- 食欲大丈夫
- 睡眠大丈夫
- 視線も合う
- HDSR18/30
イクセロンパッチ著効。
最初の1週間は少し怒りっぽく、失禁があった。しかしその後落ち着き良くなってきた。
以前からだが、毎日のように頭痛を訴えると。頭痛の局在はなく、嘔気もなし。
常同的頭痛の要素を感じる。ウインタミン少量を試す。朝4mgで。ダメなら釣藤散かな。
初診から6ヶ月後
2ヶ月前にふらふらするとのことで近医受診。脳梗塞及び内頚動脈狭窄を指摘され入院。
しかし、入院直後から徘徊が始まり退院させられた。
当院MRIでは、軽度の左内頚動脈狭窄を認める。プレタール50mg開始。100mgまでは上げるかな。降圧薬はアジルバで。目標は収縮期160位でいいかな。
台風を考慮して、念のために3ヶ月分処方。
初診から8ヶ月後
収縮期で90〜200と血圧変動が大きい。アジルバは中止。収縮期180以上で、アジルバ20mgを10mgに割って対応及び残薬調整。
プレタールは100mgに増量して維持。
初診から10ヶ月後
- とても調子がよい
- rigidなし
- 歩行しっかり、笑顔
ご家族含め満足度高い。今どれぐらい進んでいるか、農作業の進捗状況を自分で説明できる。
血圧対策としてプロルベインはどうか?
次回MRI。
初診から1年後
MRIで新鮮な所見は認めず。
内頚動脈狭窄も有意所見とまでは言えず。
血圧は相変わらず110〜190の間で変動する。
プロルベインを推奨。まずは4カプセル/dayで。
次回効果確認、その後はプレタールは50mgでもいいのかも。
初診から14ヶ月後
プロルベインで劇的に調子が良くなったと。
HDSRは初診時とほぼ変化なしだが、クリクトン尺度は25点→9点と大きく改善している。
活気が上がり自発性が増し、これまで以上に畑仕事に精を出すようになった、と娘さんが興奮した口調で話す。自分の血圧にもいいかもしれないと考えて、娘さんもプロルベインを飲み出したようだ。
また、頭痛がする際に1カプセル飲むと、程なくして和らいでいるようだと。
頭痛時は顔がむくむとのことなので、五苓散も併用とする。
(引用終了)
プロルベインDRとは?
ミミズ乾燥粉末(HLP:国産)、田七人参、イカキトサン、ルチンを配合した医療機関取扱い健康食品のこと。
自分はそこまで使用経験が多くはないのだが、
- 高血圧の是正
- 自律神経失調が影響していると思われる血圧乱高下の是正
- 活気上昇
今のところ、このような効果を感じている。自分の家族にも飲んでもらっているが、
- 父親→降圧薬を減らすことが出来た
- 祖母→右下肢閉塞性動脈硬化症で足背動脈が触知出来ず、跛行が目立つようになっていたが、プロルベイン内服開始後2週間弱で足背動脈触知が可能となり、歩行の安定性が明らかに増した
- 義母→降圧薬を2剤内服していたが、プロルベインを開始して約3ヶ月で降圧薬は2剤とも終了になった
このような効果を確認している。
プロルベインに関しては岩田先生が多くの使用経験をお持ちである。以下をご参考に。
ドクターイワタの認知症ブログ2013年12月20日 | ドクターイワタの認知症ブログ~認知症専門外来と認知症専門往診を融合~ - 楽天ブログ