先日、とある会に参加したときのこと。
「認知症関連で10分ほど講演を」と依頼があったので、
認知症予防には糖質制限が有用である
といった内容で話をしたのだが、その後にご自身も糖質制限に取り組んでいらっしゃるという方(以下Kさん)から声を掛けて頂いた。
Kさんのご厚意で、宮崎のイタリアンレストラン「バルカドーロ」さんから糖質制限メニューを送って頂いた。
糖質制限ブランパンを食す!
大きな箱の中には、ブランパン(ローソンでもみかけますね)とブランパンで作ったサンドイッチ、パンナコッタ、ピザ、などが入っていた。
今回はこの中から、ブランパン(1個50g、糖質3.2g、89kcal)を選択し、食前と食後の血糖値を測定してみた。
食べたブランパンは3個。摂取糖質量は9.6g。
通常、2型糖尿病では1gの糖質摂取で3mg/dL程度の血糖値上昇がある、といわれている。
また、糖尿病でなければ、1gの糖質摂取で1ml/dL程度の血糖値上昇にとどまる、ともいわれている。
自分は糖尿病ではないので、理論上は9.6gの糖質摂取で、恐らく血糖値は9〜10ほど上昇するはず。
では、実食!
食前血糖値
食後30分の血糖値
食後60分の血糖値
食後120分の血糖値
糖質1g摂取で1mg/dLの血糖値上昇
大変美味しく頂きました<(_ _)>
女性であれば、恐らく1個でも十分満足できるボリュームかもしれません。
血糖は81→90まで上がり、その後低下。予想通りの結果に終わって満足。
もし自分が2型糖尿病であれば、食後血糖は恐らく110以上まで上がっていたのだろう。
グルコーススパイクを防ごう!
空腹時血糖値と食後血糖値の差が大きく、食後に血糖値が大きく上昇することを「グルコーススパイク」と呼ぶ。グルコーススパイクは動脈硬化の要因として注目されている。
動脈硬化が起きることで、高血圧、心筋梗塞、脳卒中、そして認知症などの様々な病気を発症するリスクが高まる。
糖質制限の意義は、糖尿病予防は勿論のこと、この「グルコーススパイクを抑制することで、動脈硬化を起こさないようにする」ことにある。
糖質は、摂る工夫よりも減らす工夫を
食後高血糖の定義は、
血糖値が食後2時間で140mg/dL以上
である。
今回食前血糖値は81だったので、理論上58gまでの糖質摂取であれば、ギリギリ140未満を達成できることになる。
58gの糖質量は、大体ご飯茶碗一杯の量なので、おかずと一緒にご飯を食べていたら、大抵はグルコーススパイクを起こしてしまうことになるだろう。
勿論これは理論上の話で、実際はインスリンの基礎分泌と追加分泌がしっかりあれば、そこまで血糖値が上がることはないと思われる。
しかし、三度三度の食事のたびに追加インスリンが大量に分泌され続けると、そのうち膵臓が疲弊してくることは容易に想像できる。
そして、その先に待っているのは「糖尿病」であり、糖尿病合併症としての
- 腎不全→透析
- 糖尿病性網膜症→失明
- 下腿壊疽→下肢切断
などである。
「糖質は、摂る工夫よりも減らす工夫を」
これが大事だと思います。
バルカドーロさん、Kさん、ありがとうございました。ブランパン以外のメニューも、全部美味しく頂きました<(_ _)>
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