3例に肝機能障害が発現、うち1例は死亡
2月17日に厚労省から添付文書改訂の指示が出たようだ。
厚生労働省医薬食品局は2月17日、アルツハイマー型認知症治療剤「メマリー」(一般名:メマンチン塩酸塩)において、同剤との関連性が否定できない重篤な肝機能障害、黄疸関連の報告が国内において3例報告、そのうち1例で死亡に至ったことが確認されたことから、添付文書の改訂を指示した。 この指示に対し、製造販売元である第一三共株式会社は「重大な副作用」の項に「肝機能障害、黄疸」を追記。「AST(GOT)、ALT(GPT)、ALP、ビリルビン等の上昇を伴う肝機能障害、黄疸があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。」と注意喚起した。加えて同社では自主改訂として、「その他の副作用」の項に「顔面浮腫」、「眼瞼浮腫」、「脱力感」を追記した。 これは、同剤との関連性が否定できないこれらの副作用の報告が国内において集積されたことによるもの。
ウインタミンとの併用に注意が必要か
今の所、自分の患者さんでメマリーによる肝障害が出現した方はいない。
しかし、このニュースをみて思ったのは
「ウインタミンとメマリーを併用している患者さんには注意しておこう」
ということ。この組み合わせで処方しているピック病の方はいる。
ウインタミンによる肝障害は有名だが、メマリーとの相乗効果で、肝障害のリスクが増すことはあるかもしれない。