シリーズ化の可能性
またまたウインタミンが頭痛に効を奏した一例をご紹介。
81歳女性 頭痛の訴え
初診時
(記録より引用開始)
転倒による後頭部打撲で救急外来受診。
これまでiNPH(特発性正常圧水頭症)疑いで数回フォローされているが、シャント手術には至っていない。歩行は小刻みすり足ではある。
頭部CTで頭蓋内出血や骨折はない。やや左有意の萎縮。DESHは認めないが、脳室拡大はある。萎縮の影響が大きいかな?
以前から頻繁に頭痛を訴えると。鎮痛薬は効かないと。訴えの割に表情はケロッとしている、と旦那さん。
一般外来からウインタミンを試してみるかな。よかったらいらして下さい。
数日後
来られた。
ウインタミンの話をすると、「よろしくお願いします」と。頭痛の有無を問うと、「毎日痛いです」と無表情に答えた。
朝4mgで開始。
2週間後
訴えがかなり減ったと旦那さん。
本人はケロッとしたまま。朝4mgで継続。
更に4週間後
これまで喜怒哀楽があまりなかったが、テレビを見て手拍子を打ったりするようになったと。
頭痛の訴えは半分程度になったようだ。
今回から朝6mgに増やしてみましょう。
更に8週間後
寝ている時間が減って、活動性が上がった。頭痛はたまに訴える程度。旦那さんは喜んでいる。本人はケロッとしている。
かかりつけにバトンタッチ。良かったですね。
(引用終了)
今回は引き継ぐことが出来た(ホッ)
以前、かかりつけ医から「そんな処方はウチでは出来ない」と断られたことがある。今回は問い合わせこそあったものの、引き継いで頂けてよかった。
また、頭痛改善以外にも活気上昇などの嬉しい随伴効果もあった。
シリーズ化しそうなので、その内にウインタミンの打率も出してみようか。
今回もバタバタで長谷川式やピックスコアなどは行えなかったが、ウインタミン処方の決め手は、
- 認知症の存在
- 特発性正常圧水頭症の可能性を指摘されたことがあり、かつ画像上若干だがそれを示唆する所見あり
- 萎縮に左右差有り
- 訴えに深刻さが余りなく、かつ常同的
この辺りであった。
「頭がわんわん症候群(仮)」にウインタミンを使用する際にも、上記を一応の基準としている。興味のある方は、下記をご参考までに。
www.ninchi-shou.com