足底貼付でも脱落例はある
50代女性、アルツハイマー型認知症の方。
背部へのイクセロンパッチ貼付で治療を開始し、活気の上昇と自発性向上が得られていた。
しかし、貼付開始当初から強い掻痒感を訴えていた。4ヶ月ほどは最小容量の4.5mgで背部貼付を行い、その後は背部よりは発赤掻痒感の出にくい足底に貼ってもらったにも関わらず、貼付部位に一致して上記の様に水疱が出現した。
パッチの効果が出ていたので残念ではあったが、ご本人ご家族と相談して、アリセプト内服に切り替えた。
50代と若いので、治療介入当初からフェルガード100Mを併用していたが、今回の抗認知症薬変更に伴いフェルガードもLAに切り替えた。元々易怒性は全くなく穏やかな方である。
イクセロンパッチ(リバスタッチ)貼付の工夫
イクセロンパッチ(リバスタッチ)の貼り方については
- まずはヒルドイドクリームを先に塗り込む。その後イクセロンパッチは背中に交互に貼っていく。痒くならなければ、そのまま続ける。
- 掻痒感があれば、フルメタローションを予定貼付部位に先に塗り、乾いた後にイクセロンパッチを貼る。
- それでも痒ければ、足底貼付に切り替える。
このようなやり方を指導しているが、これまで足底貼付でも上記の様に水疱形成と掻痒感が出たために貼付継続を断念した方が2人いる。
薬の副作用と思われる症状が出ていても使い続けてしまう方達は一定数いらっしゃる。
「せっかく病院の先生が出してくれたものだから」という理由であることが多いのだが、これは「薬は基本的にはいいものだ」という考えからなのだろう。
薬には、良い面もあれば悪い面もある。
貼付剤に限ったことではないが、予想される副作用や、「こういった症状が出たら止めて下さい」ということを事前に伝えておくことは重要である。