当院がオープンして、ちょうど1ヶ月が経過した。
自分もスタッフも大分慣れてきた観があるが、今回は物忘れ外来初診時に使用している問診票を紹介してみる。診療を円滑に行うために、問診表に工夫を凝らすことは大事だと考えている。
ひらやま脳神経外科物忘れ外来の問診票
2枚綴りの問診票の2枚目である。ちなみに、1枚目は患者情報や既往歴、アレルギー歴など一般的な項目なので割愛。
4つのブロックに区切って鑑別診断のヒントが得られるように工夫している。
①の項目
アルツハイマー型認知症(ATD)を抽出しやすくするための項目。ここに多くチェックが付き、かつ他のブロックにチェックが付かなければATDを疑ってみる。
②の項目
歩行障害や自律神経障害を抽出するための項目。レビー小体型認知症(DLB)や特発性正常圧水頭症(iNPH)、その他PSPやCBS、MSAなどが引っかかってくることに期待している。
③の項目
レビースコアの問診項目のみを抽出している。ここで3点以上となれば、診察前にDLBの可能性を疑える。ちなみに、上4つがレビースコアの2点項目、下3つが1点項目である。
④の項目
ピックスコアの問診項目のみを抽出している。ここでフルスコア(4点)となれば、診察前にFTLDの可能性を疑える。ここの項目はいずれも1点ずつである。
極力お待たせせずに、かつ見落としを少なくする工夫を続ける
当院は認知症に特化している訳ではないが、認知症の患者さんの数が圧倒的に多い。そして認知症外来はどうしても時間がかかるものである。なので、うかうかしていると「いつまで待たせるんだ!!」と不満が続出することになる。
生産性と診療の質*1はバーターとなりがちだが、これを両立させるために開業したようなものなので、色々と工夫してやってみようと思っている。
他にもいくつか試していることがあるが、そのご紹介はまたの機会に。
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