これは全ての患者さんや家族、また患者さん予備軍、そして工夫しながら少量投与を続けてきた医師達にとって、とても意義のあるニュース。
以下、ニュースより抜粋。
高齢者医療に取り組む医師らが抗認知症薬の少量処方を認めるよう求めている問題で、厚生労働省は31日までに、添付文書で定めた規定量未満での少量投与を容認し、周知することを決めた。
認知症の進行を遅らせる「アリセプト」(一般名ドネペジル)などの抗認知症薬には、少量から始めて有効量まで増量する使用規定がある。規定通りに投与すると、患者によっては興奮や歩行障害、飲み込み障害などの副作用が出て介護が困難になると医師らのグループが指摘していた。
厚労省は6月1日付で各都道府県の国保連の中央会などに、規定量未満の投与も症例に応じて薬剤費を支払うよう求める事務連絡を出す。(西日本新聞 2016年06月01日より引用)
今後も当面は他院で規定通りに増量されて悪化したケースの後始末が続くだろうが、
「規定通りの増量を行った結果、副作用が出たようですので、今後ご注意下さい(キリッ)」
と、かかりつけ医への情報提供書に堂々と書くことが出来る。これは嬉しい。
このように書かれたかかりつけ医は、その後かなり気をつけるようになるだろう*1。そして、徐々に皆が適正処方を意識するようになっていくだろう。
厚労省の英断、そしてこの英断に大きく関与したであろう「抗認知症治療薬の適量処方を実現する会」の尽力に感謝する。
flickr photo shared by Emily McCracken under a Creative Commons ( BY ) license