鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

72歳男性、アルツハイマー型認知症の早期改善例

イクセロンパッチの切れ味


今回は、72歳男性のご紹介。


72歳男性 アルツハイマー

 

 

72歳男性アルツハイマー CT画像




72歳男性 アルツハイマー型認知症

 

初診時


(記録より引用開始)

(既往歴)

高血圧で他院かかりつけ。

(現病歴)

物忘れ、しまい忘れ、同じ事を何度も聞くとのことで妻に伴われ来院。ぼーっとした印象。

(診察所見)

HDS-R:12
遅延再生:2
立方体模写:不可
時計描画:不可
クリクトン尺度:11
保続:ありあり
取り繕い:なし
病識:あり?
迷子:なし
レビースコア:1
rigid:なし
ピックスコア:3
頭部CT左右差:なし
介護保険:なし
胃切除:なし

(診断)
ATD:〇
DLB:
FTLD:
MCI:
その他:

海馬萎縮はあり。側頭葉外側萎縮とpressure effect様の所見には少し注意しておく。

イクセロンパッチで介入開始。

車の運転は卒業を目指して調整を。介護保険申請も。ピックスコア3は注意しておく。

2週間後


表情が目立って明るくなった。HDSR19点に。著効例と考える。

表情と長谷川式テストに改善あり


(引用終了)

今後の注意点

 

  • ピックスコア3点
  • 頭頂部脳溝消失はないが、脳溝の不均等拡大を認める。今のところはすり足歩行や失禁はないが、今後正常圧水頭症が合併してこないか
 
上記2点に注意しつつフォローアップしていく。
 
初診時における微妙な+αに注意しておけば、後々その症状が顕在化してきた際に慌てずに済む。
 
今回はこれで終了。