鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

期間限定の少量ウインタミン使用で、慢性頭痛を卒業した方。

 以前、頭痛の治療で紹介したこの方。

 

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その後順調に経過していたが、この度晴れて外来を卒業できたのでご報告する。

 

薬の中止基準とは?

73歳女性 慢性頭痛

 

いったんかかりつけにウインタミン処方を依頼するも、「そんな処方はウチでは出来ない」と言われたため、当院継続になった。その2ヶ月後からの記載。


平成26年12月

 

別人のようになりました。頭痛は一切ありません。

昔の妻です!とご主人感激。

次回2ヶ月後。当院受診を楽しみにしているとのこと。

 

平成27年2月

 

頭痛の訴えなし。経過良好。

ウインタミンは4mg/dayで継続。


平成27年5月


突発易怒なし
食欲睡眠十分

本当に落ち着いていると御主人。処方維持。


平成27年7月


調子はいいですと。ウインタミン開始から約9ヶ月経過している。この間、頭痛の訴えは完全に消失している。休薬を提案してみたところ、了承された。

 

1ヶ月後に再診。


平成27年8月


ウインタミン中止で1ヶ月。症状再燃はない

本人は『症状はないけど、不安だから飲みたい』と。

 

御主人と相談して、このまま終了に。何かあったらいつでもどうぞ。本人少し残念そう。

 

(記録より引用終了)

 

周辺症状対策の薬剤は、いつまで続ける?

 

「薬はいつまで飲み続けるのか?」という疑問を持たれる方は多い。

 

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「身体が必要としている限りは、続けた方がよい」というのが一つの答えだと思うが、「本当に身体が必要としているのか?」という疑問も同時に涌くと思う。

 

向精神薬や抗不整脈薬、抗凝固薬、抗てんかん薬など一部の薬剤は除く(これらの薬剤は、自己判断による休薬が致命的な結果になる可能性があるため)が、個人的な考えを以下に記す。

 

 採血による数値チェックが出来ない薬剤(実際はそういう薬がほとんどだが)については、現在症状が治まって半年以上経過出来ていたら、医者と相談しながら減らすか止めてみる。

 

もっと簡単に言うと、

 

 薬が本当に効いているかどうかは、止めてみないと分からない

 

ということである。

 

止めて症状が再燃した場合には、また再開すればよいだけのことである。今回の方は、止めて1ヶ月経過しても症状が再燃しなかったので、そのまま卒業出来た。

 

「安心したいから何か薬が欲しい」という方は結構いるのだが、多剤併用のリスクを説明したうえで

 

 何かあったらいつでも相談して下さいね

 

と話せば、ご理解頂けることがほとんどである。

ひょっとしたらその後、別の病院に同じ薬を貰いに行っている可能性は否定できないが・・・