鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

認知症の簡易スクリーニングテストについて。

  今回は、当院で行っている物忘れスクリーニングテストをご紹介する。

 浦上式認知症簡易スクリーニングテスト(改変)

 

 

ひらやま脳神経外科 スクリーニングテスト

 

このようなシートを用いている。対象者は以下。

 

  • ご自分でご自分の心配をして、ご自分で来院した方
  • 抗認知症薬は使用せず、フェルガードで経過観察中の方(今後)

 

「15点満点のテストで12点以下の場合に認知症の可能性を疑う」というテストである。

 

鳥取大学の浦上先生が開発されたもので、主にアルツハイマー型認知症を可能性を調べるためのものである。

 

復唱及び遅延再生の確認、日時見当識の確認、図形による頭頂葉の空間把握能力の確認など、各種の項目がバランス良く盛り込まれている。

 

ちなみに、本家版では最後の図形問題は透視立方体模写なのだが、当院では五角形模写(ダブルペンタゴン)に置き換えている。特に深い理由はないのだが、MMSEで用いられており特異度が高いと自分が感じている*1ので、今のところ使っている。

 

このスクリーニングテストで引っかかってくる人達は、改めて詳細な問診や診察を行う、という2段階方式を採用している。

 

これまでの経験では、ご自分でご自分の心配が出来る方は、このスクリーニングテストに引っかかることはほぼなかった

 

もし引っかかる方がいたら、その時は当ブログで報告してみようと思う。

*1:ダブルペンタゴンが描けなければ何らかの異常があるだろう、ぐらいの意味。正確な数字は調べたが分からなかった。