鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

「投薬は侵襲行為」という自覚。

薬を処方するということについて、思うところを書く。

医者が自分を救うには。

もうだいぶ、昔の話。 ある50代女性の想い出 ある50代の女性Aさんが、当時勤務していた離島のある病院に救急搬送されてきた。 「3日前に突然頭痛が始まり、それからずっと頭が痛くて吐き続けている」とのことだった。 CTを撮ったところ、予想通りくも膜下出血だった。…

【症例報告】「認知症疑い」と紹介された、発達障害の60代男性。

今回紹介する60代の男性Yさんは、注意欠陥の突出した発達障害の方である。 途中に少しずつフェイクを入れているが、おおむねカルテから引用した経過を記載している。Yさんの持つ「生きづらさ」が少しでも伝わればと思う。

客単価と患者単価。

先日、開業時に借り入れをした銀行の担当者(代替わりして4代目ぐらい?)から 「先生。開業前の事業計画で掲げていた予想患者単価ですが、最近は下がっていますね。何か理由はありますか?」 と聞かれた。 ここでいう「患者単価」とは、『患者さん一人が、一回の受診で使う…

止めたドネペジルを再開すべきかで悩む、若手医師。

ある医師専用の掲示板で、 「全ての薬を中止したら、せん妄が改善した。その薬の中にはドネペジルがあったのだが、再開すべきか?するとしたら、どのようにすべきか?」 という若手医師からの質問に対する、大学病院医師と一般医師の見解が述べられていた。 「薬を止めた…