他院で若年性アルツハイマー型認知症の診断を受け、レミニールが開始された方。
少し改善があったようだが、セカンドオピニオン目的で当院を受診となった。
60代男性 ピック病(前頭側頭葉変性症)
(記録より引用開始)
初診時
(現病歴)
セカンドオピニオン目的で来院。
現在配送センターの仕分け作業をしている。眼は見開き気味で腕組み肘付き。
入室の瞬間からピック感満載。
(診察所見)
HDS-R:16
遅延再生:2
立方体模写:OK
時計描画:OK
クリクトン尺度:2
保続:なし
取り繕い:なし
病識:なし
迷子:なし
レビースコア:施行せず
rigid:なし
幻視:なし
ピックスコア:2.5
頭部CT左右差:わずかに左側萎縮?
介護保険:なし
胃切除:なし
(診断)
ATD:
DLB:
FTLD:〇
MCI:
その他:
既に他院でMRI、SPECTの結果から若年性ATDの診断を受けている。レミニールが現在16mg/dayで、奥さんからすると少しよい感じだと。
ピックスコアは2.5点だが、醸し出されるピック感と前頭葉脳回矮小化、語義失語(スプーンをフォーク、腕時計を携帯電話などと答えた。語性錯語とも考えられる)などから、FTLD(前頭側頭葉変性症)を最も考える。Pick≒SDの印象。フェルガード100Mの併用を勧めた。
本人と家族希望で当院に主治医変更となった。処方は据え置き。
2ヶ月後
フェルガード100Mを初めて2週間経過。本人は記憶力改善、家族は易怒性減退を実感していると。
HDSRは17.5で横ばい。
レミニール16mg/dayは当面維持。
更に1ヶ月後
奥さん曰く、少し記憶力が落ちたかな?と。
仕事は続けている。易怒性は全くない。これはフェルガード効果だろう。
更に1ヶ月後
著変無く経過中。
肩凝り対策にテルネリン。
フェルガードは忘れずに。
更に3ヶ月後
フェルガードが切れるとイライラし出すようだ。表情は目立って柔らかになっている。
著効している。周辺症状全くなし。
今のところ、抑制系は不要。
(引用終了)
目つきの変化が最も印象的であった
初診時の目つきの鋭さがとても印象的であった方。7ヶ月の経過で、非常に柔和な面持ちに変わった。
今後易怒性が出現してくれば、ウインタミンを併用してフェルガード100Mをx3に増量する予定である。
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