鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

【症例報告】薬の効果判定のために、誰の意見を最優先とすべきか。

今回の症例の教訓。 ドネペジルを10mg使ってやっと改善が見られる患者さんはそういない。 トラムセットによる肝機能異常、食欲不振の頻度は結構ある リリカは定型的に朝夕、朝昼夕などと使うよりも、特に痛みで困る時間帯の前で1回だけ多めに使うと良いことがある…

遅発性パラフレニーについて。

妄想とは、「現実にはあり得ないことだが、他者が訂正不能で、本人だけが確信している観念」のことである。 バリエーションは無限にあるが、例えば以下のようなやりとりの場合、妄想を言っているのは母親である。 母親「私のお気に入りの香水が、いつの間にか薄くなって…

高齢夫婦のケンカの仲裁が、認知症外来に持ち込まれることがある。

「お宅から貰った薬が全然効かないので、もう行きませんから!」 Aさんの奧さんから凄い剣幕で電話がかかってきたと、受付スタッフが困惑した表情で報告に来た。

「なぜ?」に答える難しさ。

「うちの母は、どのようにしてアルツハイマーになったのですか?」 と聞かれたら、定説仮説を交えて 「タウタンパクの蓄積やミエリンの脱落、重金属の蓄積や生活習慣病などが関与したのではないでしょうか・・・」 などと答えることは出来る。しかし、 「うちの母は、なぜア…

慢性的な頭痛とめまいで悩んでいた女性のフェリチン値に驚いた。

女性の頭痛や肩こり、めまいや不眠などの症状の背景に鉄タンパク不足が隠れていることが多い。 今回紹介する方は頭痛とめまいで来院されたのだが、採血でフェリチンが1.1と見たこともない極低値だった。11ではなく、1.1である。