鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

課題の分離とポリファーマシー。

今回紹介するのは、かかりつけ医に何かを相談したらその度に薬が増えていくという悪循環に陥り、気づけば10種類の薬を服用するようになっていた80代の女性である。 薬が増えるに従って体調は悪化し訴えが増えるため、見かねた息子さんが転医希望で連れてきたとい…

時間泥棒。

当院通院中だった90歳のAさん。 あるとき転倒してB病院に入院となった。幸いにも治療経過は良好で、担当のC医師が退院前の病状説明で 「認知症だから、今後は独り暮らしは難しいでしょうね」 と家族に話したところ、家族から 「今まで認知症とは診断されていませんが…

一度治験に失敗したアデュカヌマブが復活する?

2019年3月に治験中止が発表され、エーザイの株価を急落させた抗認知症薬アデュカヌマブ。 アミロイド仮説失敗の最終通告かと思っていたが、ここにきて復活の話が出てきた。

死者の眼差し。

医者人生で獲得できるトロフィー(栄誉)とは何であろうかと考えたとき、世俗的なところでは

共感疲れと、共感できない疲れ。

対人援助職が患者や家族に寄り添おうとした時に、必要となるのが共感的態度である。 同じ状況を自分が直接経験していなくても、辛い事態に打ちひしがれている患者や家族を前に自分も辛い気持ちを感じながら、 「大変ですよね、お察し申し上げます」 と寄り添うのが…