鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

【症例報告】日中100回以上トイレに行く高齢男性。

他者から見て目的があるようには見えない、しかし延々と繰り返される行動のことを「常同行動(常同運動症)」という。 認知機能が衰えると常同行動が目立ってくる。ピック病(≒前頭側頭型認知症)の常同行動は有名だが、アルツハイマーでも他の認知症でも常同行動は見…

「早期発見、早期絶望」はご勘弁。

今回紹介するAさんは60代前半の男性。恐らく50代半ば頃に発症したと思われる意味性認知症の方である。 65歳未満で認知症を発症したら若年性認知症と定義されるが、若年性認知症という特別な認知症があるわけではない。

無事に運転免許を自主返納した80代男性。

高齢者の運転事故のニュースを目にする度、 「自分の患者さん達は大丈夫だろうか?」 と思わずにはいられない。

「投薬は侵襲行為」という自覚。

薬を処方するということについて、思うところを書く。

医者が自分を救うには。

もうだいぶ、昔の話。 ある50代女性の想い出 ある50代の女性Aさんが、当時勤務していた離島のある病院に救急搬送されてきた。 「3日前に突然頭痛が始まり、それからずっと頭が痛くて吐き続けている」とのことだった。 CTを撮ったところ、予想通りくも膜下出血だった。…

【症例報告】「認知症疑い」と紹介された、発達障害の60代男性。

今回紹介する60代の男性Yさんは、注意欠陥の突出した発達障害の方である。 途中に少しずつフェイクを入れているが、おおむねカルテから引用した経過を記載している。Yさんの持つ「生きづらさ」が少しでも伝わればと思う。

客単価と患者単価。

先日、開業時に借り入れをした銀行の担当者(代替わりして4代目ぐらい?)から 「先生。開業前の事業計画で掲げていた予想患者単価ですが、最近は下がっていますね。何か理由はありますか?」 と聞かれた。 ここでいう「患者単価」とは、『患者さん一人が、一回の受診で使う…

止めたドネペジルを再開すべきかで悩む、若手医師。

ある医師専用の掲示板で、 「全ての薬を中止したら、せん妄が改善した。その薬の中にはドネペジルがあったのだが、再開すべきか?するとしたら、どのようにすべきか?」 という若手医師からの質問に対する、大学病院医師と一般医師の見解が述べられていた。 「薬を止めた…

【症例報告】50代女性。3ヶ月の糖質制限で5kg減量し、各種採血パラメータも改善。

今回紹介する50代の女性は、健康診断で常に高血圧や脂質異常、糖尿病、肝機能異常などを指摘されていた方である。 出産後に体重が20kg以上増えたとのことだが、初診時の体重は76.6kgだった。 ダイエットのために運動に取り組もうとしても、この体重では膝や腰を痛め…

発達障害サプリメント、「カーミン」について。

認知症サプリメントのフェルガードやMガードを発売しているグロービアが、2019年4月に発売した「カーミン」というサプリメントを紹介する。 一粒の大きさは、約8mmと小さく飲みやすい。ほんのりレモン風味。 カーミンとは? カーミンは、「フェルラ散」と「αーGPC」という…

【症例報告】不眠を伴う夜間せん妄時の対策について。

今回は、度重なる入院を切っ掛けにせん妄のスイッチがonになってしまった80代後半の女性を紹介する。 熱心な娘さんと細かいやり取りをしながら、介入74日目の外来で一定の評価を頂いた。結論を先に書くと、「テトラミド4mg」に辿り着くまで74日かかった、ということ…

朝の風景。

クリニックまで車で通勤する道すがら、目に留まり記憶に残る人たちのこと。 まず目に飛び込んでくるのは、ゴミ出しをしている80代女性。5年前に、僕が手術をした方だ。 www.ninchi-shou.com ドネペジルを10mg投与され徐脈となり、意識消失を起こしたその女性が救急…

【症例報告】記憶力低下を主訴に受診した発達障害の女性。鉄補充にて改善。

40代女性のOMさんは、物忘れを主訴に外来を受診した方である。 話を伺う限り、恐らく親が発達障害で結婚相手も発達障害、OMさんの子も発達障害と思われた。この見立てについては、OMさん自身も「やっぱり・・・」と深く同意していた。 親や結婚相手、そして子の発達特性を…

夫に心を閉ざした妻。

Fさんは70代の女性である。 「数分前の記憶が抜け落ちる」、「同じものを何度も買ってくる」という訴えで、夫に伴われてもの忘れ外来を受診した。 多少の自覚はあったものの本人は困っておらず、「困った困った」と言い募っていたのは夫だった。

【症例報告】コンサータで眠気が減り、仕事の能率も向上した20代男性。

Kさんと同じ職場で働くAさんは、Kさんが発達障害に違いないと確信していた。 Aさんや周囲のスタッフは様々な提案や指導をKさんに行ってきたけれども改善がなく、職場全体が困っていた。 そこでAさんは、職場が困っている彼の特性や仕事ぶりを列挙した情報提供書を…