鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

カロリー神話は崩壊した。

WHOが砂糖について新たな指針を発表

 

砂糖の一日上限量とは


このようなニュースをみつけた。

 

世界保健機関(WHO)は4日、成人が1日に取る砂糖をティースプーン6杯分の25グラム程度に抑えることを奨励する砂糖摂取の新指針を発表した。

 

砂糖の取りすぎを抑えることで、肥満や虫歯を防ぎ、慢性疾患の予防にもつなげることが狙い。昨年3月に示した指針案を正式決定した。これまでWHOは、食物から取り込む熱量(カロリー)のうち砂糖の割合を10%以下にする目標を掲げてきたが、新指針は5%以下にすることを求めた。これにより成人にとっての適量は、従来の50グラム程度以下から半分に減る。たとえば炭酸飲料1缶(350ミリ・リットル)には砂糖が約40グラム含まれ、軽く超える。WHOはケチャップなど加工食品に含まれる砂糖の量にも注意が必要だと強調している。(WHOが砂糖新指針…炭酸飲料1缶でも超える : 国際 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE))


 WHOが推奨する一日の砂糖摂取量が25g以下!

これはなかなか衝撃的な数字。ちなみに、ご飯茶碗一杯分の糖質(ブドウ糖換算)は、約55g。一日3杯ご飯を食べると約165gの糖質摂取となる。


一日25g以下の砂糖の量で生活することは、相当にハードルが高い。清涼飲料水を一本飲んだ時点で、大体アウトであろう。

自分はいわゆる「スーパー糖質制限」に近い食生活(一日の糖質を60g以下)で、一年間で12kgの減量に成功し、今でもキープしているが、砂糖25g以下はちょっと想像がつかない世界。

しかし、このニュースで重要なのは、砂糖25g以下云々よりも、

砂糖(糖類)の毒性とはそれほど高い


ということをキチンと理解することだと思う。

一日に必要なエネルギー量から、推奨(と言われている)糖質量を計算してみた



日本医師会のページ
から、自分の一日辺りの必要エネルギー量を計算してみると、2295kcal/dayだった。

そして、日本糖尿病学会は

2) 栄養素摂取比率について 糖尿病における三大栄養素の推奨摂取比率は、一般的には、炭水化物 50~60%エネルギー( 150g/日以上 )、たんぱく質 20%エネルギー以下を目安とし、残りを脂質とする。この炭水化物の推奨摂取比率は、現在の日本人の平均摂取比率がこの範囲にあり、他の栄養素との関係からも妥当と考えられる (2013年3月【PRESS RELEASE】日本人の糖尿病の食事療法に関する日本糖尿病学会の提言より)


という指針を出している。これは糖尿病における食事療法の話だが、現在のところ糖尿病食事療法においてはカロリー制限が主体のため、三大栄養素の推奨摂取比率そのものは健康な人と同じである。

この基準に則ると、自分の場合で大体毎日1200kcal分の炭水化物(糖質)を摂取した方が良い、ということになる。

糖質1gが4kcalなので、毎日300gの糖質摂取。ご飯茶碗で約6杯。糖質=砂糖ではないが、WHO新基準と照らし合わせると・・・

ちょっと無理かな。

カロリー神話の崩壊を予感



「いつものパン」があなたを殺すを読んで② - 鹿児島認知症ブログ

 

でも紹介したこのニュース。

 

コレステロール制限必要なし=食事摂取で新見解―米当局 (時事通信) - Yahoo!ニュース


現在のところ

糖質1gが4kcal、タンパク質1gが4kcal、脂質1gが9kcal計算になるので、極力脂質を摂らない食事が健康的でヘルシーである


という考えが支配的だと思うが、今回のWHOの糖質に関する報告と、先日のアメリカからのコレステロール制限必要なしのニュースから、もはや

カロリー神話は崩壊している


と言わざるを得ない。

今年は栄養学において重要な年になると予感。

 

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※追記

江部先生のブログに今回の件をご報告してみたところ、

WHOの指針は「糖質」ではなくて「糖類」です。


というお返事を頂いた。確かに記事には「砂糖」とあり、砂糖=糖質ではない。用語の定義は大事です。江部先生、ご指摘ありがとうございました。

糖類=単糖類(ブドウ糖、果糖)と二糖類(砂糖、乳糖、麦芽糖)

糖質は炭水化物-食物繊維。また、糖質=糖類+多糖類(デンプンやグリコーゲンなど)+糖アルコール(キシリトールやエリストリールなど)+その他(アセスルファムKやスクラロースなど)でもある

今回のニュースでは、砂糖(二糖類)を25g程度で抑えることを推奨、とのことなので、厳密に言うならば単糖類や多糖類や糖アルコールについては述べてはいない、ということになる。

ただ常識的に考えると、「二糖類は25g程度に抑えることが推奨されるけど、単糖類や多糖類、糖アルコールなどは制限なし」ということにはならないだろうから、今回のWHOの提言は、糖質(糖類)に注意すべきと捉えてもよいと思っている。

※追記(2016年7月14日)

 

糖質と糖類で混乱する記事内容であったため、一部内容を訂正しました。

 

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