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鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

グルタチオン低血糖問題について。ビタミンC併用との関連を考えてみた。

フェルガードやグルタチオン関連

今年も鹿児島認知症ブログをよろしくお願いいたします

 

あけましておめでとうございます




年末は大晦日まで脳卒中患者対応、また「年内に何とかみてほしい」という認知症、物忘れ相談への対応などで、慌ただしく過ぎていきました。

今年も忙しい年になりそうですが、どうぞよろしくお願いいたします<(_ _)>

では、新年1回目の投稿です。

 

 

グルタチオンは糖代謝を揺さぶる薬剤?

 

 
昨年の河野先生のブログで紹介された、グルタチオンによる低血糖問題。以下Wikipediaより引用


インスリン自己免疫症候群とは、空腹時低血糖・血清免疫反応性インスリン高値・血清中のインスリン自己抗体の存在、の3つで特徴づけられる自己免疫疾患である。最初の症例は、1970年に平田幸正らによって報告された。別名平田病(平田氏病とも)とも言われる。

本症候群の日本人患者の96%が、HLA-DR4を持つ(HLA-DR4をもつ日本人は43%)。ヌクレオチド分析された患者のすべては、DRB1*0406/DQA1*0301/DQB1*0302のハロタイプを持っていた(このハロタイプを持つ日本人は14%)。

DRB1*0406アリルは、インスリンペプチドT細胞に提示する重要な役割をもつようである。約半数において、低血糖発作の4-6週間前に、-SH基のような官能基を持つ薬剤(メチマゾール・カルビマゾール・ペニシラミンカプトプリルグルタチオン・イミペネムなど)を投与されているため、薬剤誘起性の自己免疫現象と言われている。



念のために自分の患者さんも調べているが、今のところ低血糖を起こしている方はいない。

ただ、血糖値が上昇している方が複数名いたので気になって調べてみた。


グルタチオン著効例は、血糖が上昇する?


下記5名の方達が、グルタチオン前後で血糖値が上昇していた。 

79歳男性 DLB BS 108→150
69歳女性 CBD BS 100→147
87歳女性 DLB BS 109→179
73歳女性 DLB BS 129→145
75歳女性 LPC BS 115→152


皆さん、グルタチオンが著効している方達である。

強力な抗酸化作用を持つグルタチオンだが、喫煙や高血糖などの酸化ストレスに晒され続けると枯渇してしまい、様々な病気を発症すると考えられている。

上記5名の結果を見る限りでは、グルタチオン点滴療法後で血糖値が上昇しているようだ。


ビタミンCの関与?


当院におけるグルタチオン点滴療法は、

「生理食塩水50ml+グルタチオン(〜3000mg程度)+ビタミンC(1〜2g)」

というやり方である。

この投与方法で血糖値が上昇する原因として、以下の3つを考えてみた。


  1. 簡易血糖測定器が、ビタミンCをブドウ糖と誤認している(ビタミンCとブドウ糖は化学構造式が似ているため)
  2. 注射の針を刺す際の痛みによるストレスで、血糖値が上昇する
  3. グルタチオンそのものが血糖を上昇させている
 
今のところ、1の可能性を最も疑っている。つまり、「みせかけの高血糖」ということで、これなら大きな心配はいらないと思う。
 
グルタチオンが効くという指標になるか?と一瞬期待したが、著効例に血糖上昇が多い、というのはたまたまなのかもしれない。
 
点滴療法研究会HPより
 
 
ただ、高濃度ビタミンCを身体がブドウ糖と誤認して(化学構造式が似ているため)インスリンが分泌され、血糖値が下がることもあるらしいので、注意が必要である。
 
正確を期すのであれば、血糖簡易測定器ではなく、採血を行って臨床検査会社に依頼するのがいいだろう。
 
1g〜2gのビタミンC投与でそこまでの変化が出るのか?とも思うが、対策としては
 
  • グルタチオン点滴(ビタミンC併用)
  • 開始1ヶ月後、2ヶ月後で血糖値測定
  • もし低血糖が確認されたら・・
  • HLA-DR4を確認する
  • HLA-DR4陽性であれば、念のためにグルタチオンは中止
  • HLA-DR4陰性であれば、血糖値に十分注意しつつ、ビタミンCを併用せずにグルタチオン単独の点滴を行う
 
このようなやり方はどうだろうか。
 
ちなみに、グルタチオン点滴療法におけるビタミンC併用の意義は、グルタチオンの効果持続を期待して、ということにある。
 
今後は、少なくとも糖尿病を持つ方へのグルタチオンやビタミンC投与には敏感になっておく必要があると感じた。
 
ちなみに、グルタチオンによりインスリン自己免疫症候群を発症した場合、予後は良好のようである。
 

大多数は予後良好である。3ヶ月以内に自然寛解し、薬剤中止の4-12ヶ月後にインスリン自己抗体が消失する。カルビマゾールやメチマゾール治療を継続しても、インスリン自己抗体が自然消失したという報告もある。(Wikipediaより引用)