前回の続き。
採血結果を、単位を省略して以下に示す。
- 白血球:4800
- 赤血球:495
- Hb:15.3
- MCV:91
- MCHC:33.8
- 血小板:24.2
- 血清鉄:81
- フェリチン222.4
- AST:17
- ALT:22
- γ-GTP:16
- ALP:105
- 亜鉛:100
- 尿素窒素(BUN):23
- クレアチニン:0.69
- 総タンパク:7.2
- アルブミン:4.7
- 尿酸:6.1
- 中性脂肪(TG):67
- HDL-C:71
- LDL-C:94
- アミラーゼ:53
- 空腹時血糖:84
- HbA1c:4.9
- FT3:2.89
- FT4:1.31
- TSH:1.5
- 遊離テストステロン:20.5
- 25-0H:17.2
自分の観測範囲では、非糖尿病者がスーパー糖質制限を続けていると、HbA1cは5未満になることが多い。自分も8年間HbA1c5未満が続いている。
スーパー糖質制限者に時に起きると言われるLow T3症候群にはなっていない。
相変わらずALPが低いが、このことによる体感としての害が別になく、亜鉛やマグネシウムの補充などひとしきりの対策をしても全く数値の変化がないので、今は工夫の対象外になっている。
今回初めて遊離テストステロンを調べてみたが、20.5と基準範囲内だった。
もの忘れを主訴に外来に来られる初老の男性で遊離テストステロンが低い方を時に見かける。テストステロン不足による男性更年期症候群は、認知症外来では気にかけておくべき疾患の一つである。
今回の採血結果の個人的トピックは、「17.2」という25-OHの低値だった。数年前に、一時期ビタミンDのサプリを内服していた頃は60ぐらいあったはずなのだが。
ビタミンDの血中濃度を示す25-OHは、臨床的には30未満で不足状態、20未満で欠乏症とされる。
ビタミンDは紫外線を浴びて皮膚で作られる脂溶性ビタミン(一種のホルモン)である。
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従って、朝6時半に出勤し夜の20時前に帰宅するという生活を送る自分は十分なビタミンDを自家生産出来ないため、経口摂取で補充する他ない。
シャケの切り身を毎日100g程食べれば、およそ1200IU(国際単位)程度のビタミンDを稼げるらしいが、ヒグマではないので毎日シャケという訳にもいかない。よって、「手っ取り早く」サプリメントである。
ちなみに、一日のビタミンD推奨摂取量は最高で4000IUとされているが、骨折やガン、糖尿病、その他諸々のリスクを下げたいと考える自分は現在、血中濃度60~80ng/mlを目指して10000IUを毎日サプリメントで摂取している。目標数値に達したら、維持量は改めて考える。
サプリメントや食事の実験はしょっちゅう行っているが、基本的には体感を重視しつつ、数値で確認できる項目は定期的にモニタリングするようにしている。
以下に、現在自分が毎日使用しているサプリメントを列挙しておく。ご興味の方はリンク先からどうぞ。
(ビタミンB)
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(ビタミンC)
iherb.co
(ビタミンE)
iherb.co
(マグネシウム・カルシウム)
iherb.co
(ビタミンD)
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情報収集について
何らかの栄養素が高度に不足した状態が長く続いた場合、大量補充には一定の意義がある。
だが、「どれぐらいの量」を「いつまで」続けたら良いのかについての定説はない。
経済的な問題もあるにせよ、最終的には自身の判断で決めるしかない。
ネットの情報を元にプロテインやナイアシンアミドを大量摂取して具合が悪くなる人たちは一定数以上いると思われ、実際に自分もそのような患者を診る機会があるのだが、情報リテラシーを身につけることの難しさを想う。
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自分の場合、良いと思われる理論や手法に出会ったとき、できる限り自分で試した後に、「多くの人に効いてほしい」と願いながら慎重に臨床に下ろしていく。
そうやって、複数の人々で繰り返し観察出来た結果から「この手法は効果的」と判定したら残す。
時にうまくいかない事例に遭遇し、「何故だろう?」と考える。考えた結果、別なやり方を試してみるときには、それを患者に伝え賛同を得られたら導入する。そして、観察する。
臨床とは、その繰り返しである。
自分が確証バイアスに嵌まりすぎていないか、自分自身をモニタリングし続けるのにはそれなりのリソースが必要であり、そして、個々人の持つリソースは時間に大きく規定されるため、残念ながら有限である。
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ネットで情報を漁り続ける人たちは、惰性で他者の言説を追いかけ続けていないか一度確認したほうがよい。惰性の行為で有限のリソースを消費し続けるのは時間の無駄だから。
栄養に限ったことではないが、界隈で「議論」という名目の元に行われていることは、その実、自説の正しさを証明するためのマウントの取り合いだったり、セミナーその他物販ビジネスへの導線だったりする。
世は他者に対してマウントを取りたい人に溢れており、そのような人に限って、他者に対する優越性をひけらかしたい気持ちを隠しながら「我こそは中立」といった体を維持するのに必死である。
色々な生き方があろうから、別にそれは構わない。絡まれない限りは自分に関係の無いことである。
心地よいと感じる方向に人は進んでいくものであり、情報収集もその例外ではない。ただし、情報には鮮度というものがある。
「その時の」自分にとって都合が良い情報を集めているうちに自尊心や自己肯定感が満たされ、いつの間にか何事かに回収されていく。
どこに回収されていくのかは、確証バイアスに嵌まりながら情報収集している時には分からないものだ。