鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

【症例報告】ウインタミン著効例。

 

今回紹介するのは、施設入所中の80代男性MKさん。

 

同伴した施設スタッフ曰く、「易怒性が高く、どうにも集団生活にフィット出来ず対応に苦慮している」とのことだった。MKさんはこれまでにうつ病やアルツハイマー型認知症などの診断を受けていたが、自分が診察して感じた病型は前頭側頭型認知症(≒ピック病)であった。

 

頭部CTで両側側頭葉内側の萎縮は年齢を大きく超えることはなかったものの、前頭葉は強く萎縮していたので、諸々の症状と照らし合わせて前頭側頭型認知症かなと判断した。

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診断告知について。

 

先日、「脳が疲労しているので調べて欲しい」という男性が、一人で当院を受診した。頭痛ではなく、「脳が疲労している」である。

 

  • 親との関係形成の未熟さ
  • 過度とも思える医師への阿り
  • 急に頭を抱えてうめき出す芝居がかった行動

 

このような特徴から、「衝動性の強いボーダー*1なのかな?」と考えた。

*1:境界性パーソナリティ障害

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【症例報告】頭痛で受診した女性。その後、ADHDに気づく。

 

今回紹介するHCさんは50代の女性。

 

今思い返すと、頭痛の相談で来られた初診時から、

 

  • 相手の話を聞き終えずに自分の話を被せてくること
  • 診察中に目が合わず手足をモゾモゾ動かしていること

 

などが気にはなっていたのだが、これらの特徴(特性)を治療をする上で自分は重視しなかった。いや、重視しなかったというよりも、気づけなかったという方が正しい。

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【症例報告】プチ糖質制限を半年間継続。血糖下降薬と眠剤、脂質下降薬を卒業した男性。

 

今回紹介するのは、高血圧症・2型糖尿病・脂質異常症・不安神経症・不眠症・胃食道逆流症(GERD)の診断で、10年ほど内服治療をされていた60代男性。退職を機に当院にかかりつけ医を変更したいとのご希望で来院された。 

 

これまでの食生活は至って"普通"。ラーメンが好きというのも、B級グルメが大人気の昨今、取り立てて特別ということもない。どこにでもいるであろう、60代の男性だった。

 

当方がお勧めしたのは、

 

  • 適度な散歩
  • 夕食だけ主食を抜く"プチ"糖質制限(オカズは増やすように)

 

この2点。さて、どのような経過を辿っただろうか。

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【8年目】糖質制限の経過報告。

 

2011年の9月から糖質制限を始めて、今年の9月で8年目に突入する。

 

これまで丸7年間のうち、9割方はスーパー糖質制限で過ごしてきた。途中で何かよっぽどのことがない限りは、今後も糖質制限を続けていく予定である。

 

糖質制限8年目

 

今回は途中経過報告ということで、現在の食事と先日行った採血結果について紹介がてら書いてみる。

 

2018年9月19日現在、

 

  • 身長:183cm
  • 体重:63kg
  • 体脂肪率:8.9%
  • 骨格筋率:32%

 

このような身長体重である。

 

糖質制限開始前の体重は73kg。スーパー糖質制限1年間で13kg減量した。身長から考えると60~63kgはかなり痩せている訳だが、自分は膝や腰に不安を抱えているので、今の体重ぐらいでキープするのが望ましいと考えている。

 

体脂肪率や骨格筋率は、この数年ほぼ変化はない。

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【症例報告】20代男性、ストラテラ内服で仕事の能率向上。

 

今回紹介するFTさんは、20代の男性である。

 

小学校低学年から60才過ぎの初老男性まで、当院で診ているADHD患者さんの年齢層は幅広く、みなそれぞれに生きづらさを抱えている。

 

薬に反応する方ばかりではないが、「生活を支援する」ということを大事にしながら付き合っている。

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【症例報告】鉄タンパク欠乏の20代女性、めまいで受診。

 

今回紹介するのは海外の方。

 

20代の女性ZCさんは、2年前に海外から日本に学びに来た留学生である。ある朝、起床時にめまいを感じたとのことで、友人に伴われて当院を受診された。

 

鉄タンパク欠乏は、洋の東西を問わず、ある程度の先進国に共通する病態なのかもしれない。ただし、留学生ならではの事情として、ひょっとしたら書籍代や学費などを捻出するために食費を切り詰めてしまった結果、鉄タンパク欠乏をきたすということはあるかもしれない。お財布事情に首を突っ込むことはしたくないので、深くは訊かなかったが。

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【症例報告】認知症の進行よりも妄想対策を優先させ、結果落ち着いている事例。

 

今回紹介するのは80代後半の女性SMさん。

 

もの忘れよりも妄想が生活上の大きな問題となっていた方で、治療に用いる薬剤は「認知症の進行を抑える薬」ではなく、「妄想を抑える薬」を選んだ。そして、妄想が一段落して家族に余裕が生まれてきたら、今度は栄養療法を少し加え、プレタールで認知機能を補強。処方は全て、一日一回朝食後とした。

 

使用する必要性を感じなかったので、3年間一度も抗認知症薬を使うことはなかった。

 

「"取り敢えず"、進行を抑えるために抗認知症薬は入れておかないと」と考える人にとっては、抗認知症薬を入れることで妄想が悪化する可能性は二の次かもしれない。

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