読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

警察と認知症患者さんの狭間で考えること。

雑記 雑記-書評・論文評価・考察

 

先日、ある患者さんのことで警察から照会があった。

 

詳細は省くが、法に触れる幾つかの行動があったとのこと。

 

その患者さんは、長谷川式テストが10/30で遅延再生は0/6。時計描画は可能であったが、透視立方体模写は不可。頭部CTでは萎縮の左右差を認めた。

 

その他、日常生活における被刺激性の亢進を窺わせるエピソードや、質問に対する極端な考え無精、診察室内での不機嫌ぶり、診察室からの立ち去り行動などから、脱抑制型のbv-FTD(行動異常型-前頭側頭型認知症)、つまり"ピック病"の可能性を考えた。

 

照会に訪れた警官から尋ねられたことは以下。

 

  1. 認知症なのか?
  2. 治療はどうするつもりか?
  3. 責任は問えるのか?

 

それぞれについて、当方がどのように説明したかを以下に書いてみる。

続きを読む

糖質制限を認知症治療の中心に据えることが出来たら、治療は捗るだろうなぁという夢想。

栄養学 栄養学-糖質制限

 

病気の根本治療とは、病気の原因を取り除き、現在悩んでいる症状を消失させることである。

 

そうすると、アルツハイマー病のような変性疾患の根本治療とは、病理学的組織変性を修復し、同時に記憶障害や失行などの中核症状を改善させることとなる。これは事実上不可能なことのように思う。

続きを読む

【症例報告】抑うつ症状に対する糖質制限、鉄補充の効果。

認知症以外の症例 認知症以外の症例-鉄欠乏

 

当院では基本的に、ほぼ全ての患者さん達に糖質制限をお勧めしている。ただし、どの程度実生活に取り入れるかはお任せである。

 

糖質制限を勧める優先順位の高い疾患は、順不同で以下。

 

  • 糖尿病を筆頭とした生活習慣病
  • 軽度認知機能障害
  • 頭痛や肩こり、不眠やうつ

 

理解力と実践力のある方なら、体感レベルで改善が得られることが多い。

続きを読む

糖尿病を合併している認知症患者さんの、治療目標設定の難しさについて。

認知症の症例 認知症の症例-アルツハイマー型認知症(ATD)

 

約2年経過を診てきた方。経過中に改善の感触はあったが、最終的にはご本人やご家族の満足度が高いとは言えない状態のまま、お別れとなった。

続きを読む

ポリファーマシーを本気で減らしたいのであれば、誰かが舵取り役を務めなければならない。

雑記 雑記-書評・論文評価・考察

 

身体のどこかに不具合を感じ、専門診療科に相談に行く。場合によっては治療が始まる。

 

高齢者は複数の病院にかかっていることが多い。各病院の医師達は、それぞれの専門領域に関してはアドバイスを行うが、患者さんの全身を俯瞰して舵取りをする者は不在のことが多い。

続きを読む

「他科の処方には手を付けたくない」という医者心理が、ポリファーマシーを助長する一因。

雑記 雑記-薬の副作用

 

先日、県薬剤師会主催の研修会に講師として招かれ、「ポリファーマシーを減らすために」というタイトルで話をしてきた。

 

質疑応答が30分を超える盛り上がりであったが、そのなかで以下のような質問があった。

 

  自分達からみて不要そうな薬があったとしても、病院勤務の薬剤師としては、それぞれの専門科の先生達に「薬を減らして欲しい」とは頼みにくい。何か良い伝え方がないだろうか?

 

上手い答えを思いつかなかったが、とりあえず以下のように答えた。

続きを読む