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鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

【ちょっとした総括】今の自分の認知症診療について。

 

約2年6ヶ月経過をみてきたレビー小体型認知症の患者さんが、病状の進行に伴い通院困難となってきたため、近医にお引っ越しとなった。

 

「そろそろ通院が大変になってきて・・・申し訳ないのですが・・・」と頭を下げる娘さんに、こちらも深く頭を下げる。

 

「この方やご家族に、少しでも何かいいことが出来たか?」と自問自答するが、すぐに「それは自分が決めることではなく、相手が決めることだ」という、いつもの結論に辿り着く。

 

忸怩たる想いに駆られると同時に、自分の無力さを嗤う。正真正銘の変性疾患のすさまじさには、まだまだ歯が立たないことを痛感する。

 

初診時に撮影した写真に映るその方は、背筋を伸ばしてこちらをしっかりと見つめていた。

 

経過中に転倒による圧迫骨折があり、またパーキンソニズムの進行も重なって、今ではかなりの前傾姿勢になってしまっていた。

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【症例報告】グループホーム入所が決まり、お別れとなった前頭側頭葉変性症(意味性認知症)の方。

 

約2年3ヶ月経過を診てきた方。

 

グループホーム入所を切っ掛けに施設の嘱託医とバトンタッチすることになり、先日の外来が最後となった。

 

ご本人が最後に見せた優しく、そしてどこか不安そうな表情が心に遺った。

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価値観の相違を、議論で解決することは困難である。

 

当ブログは現在、コメント欄を閉じて運営している。

 

そのかわり、FacebookやTwitter、はてなブックマークといったSNSにブログ記事を流しているので、それらのアカウントを持っている方であれば、各々のSNSスレッド内でコメントすることは可能である。寄せられたコメントに返答することもあれば、しないこともある。

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【症例報告】10mg処方のアリセプト減量で頻尿が改善した男性。ちょうどよい量は1.5mgであった。

 

近医からの紹介で来られた方。主なお悩みは、「頻尿」。

 

加齢や頭部外傷の影響でわずかにアセチルコリンが欠乏していた*1ところに、過剰な量のアリセプトが入ったことで頻尿が惹起されていた、と考えている。

*1:アセチルコリンが減ればアルツハイマーと短絡してはいけない。脳内でアセチルコリンがどれほど減っているのかを、外来で精密に調べる術はない。

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医原性認知症について。

 

栄養を見直し、不要な薬は減らして止める。本当に必要な薬だけ残す。もしくは、少量足す。

 

何を足して何を引くか?その組み合わせは膨大である。

 

しかし落としどころさえ誤らなければ、ロジカルに攻めて一定以上の効果をあげることは可能だと感じている。

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【症例報告】70代女性。パーキンソン病発病後に、徐々に認知面低下が低下した方。

 

今回は考察抜きの症例報告。

 

まずパーキンソン病を発症、その後認知面が低下してきた施設入所中の方。

 

従来このような方はPDD(認知症を伴うパーキンソン病)と呼ばれ、DLB(レビー小体型認知症)と区別されていたが、近年PDD、DLB共にLBD(Lewy Body Disease、レビー小体病)という包括的概念の中で捉える方向に向かっているように感じる。

 

薬剤過敏、薬剤抵抗性、色々と治療に際してフックとなる事柄で違いはあるものの、

 

  今現在困っている症状に目を向け、治療の優先順位にメリハリをつける

 

という基本方針は同じである。

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