【症例報告】50代女性｡3ヶ月の糖質制限で5kg減量し､各種採血パラメータも改善｡

今回紹介する50代の女性は､健康診断で常に高血圧や脂質異常､糖尿病､肝機能異常などを指摘されていた方である｡

出産後に体重が20kg以上増えたとのことだが､初診時の体重は76.6kgだった｡

ダイエットのために運動に取り組もうとしても､この体重では膝や腰を痛める可能性があるため､先に食事の工夫が重要である｡

これまで何度となく｢短期間の食事制限→リバウンド｣を繰り返していたようなので､糖質制限をするにしてもプチ制限かスタンダード制限からが無難かなと思ったのだが､本人が選んだのは､三食全て主食を省く｢スーパー糖質制限｣であった｡そして､今のところは問題なく上手くいっている｡*1

女性が糖質制限を成功させるためには､開始前にフェリチンと尿素窒素(BUN)を調べておくのがお勧め｡以下はご参考までに｡

出産後から太り痩せなくなった｡以前から健診で色々指摘されており､ごく短期間夕飯だけ米を抜いたりサプリメントを飲んだりしていたが､数値改善は得られなかった｡

持参の半年前採血データは

という結果｡

身長は159cmで体重76.6kg｡｢今日は一念発起して来ました!｣と｡

まずは採血で現状評価を｡糖質制限について簡単に説明｡昼は会社で弁当｡これは今まで通りで､スタンダード制限でいきましょう｡オカズは増やして下さい｡

栄養資料をお渡しする｡｢今日の夕方から米は抜きます｡頑張ります!｣とのこと｡

(初診時の採血結果)

前回採血から約1ヶ月経過｡

｢スタンダード制限でいきましょう｣と説明していたが､三食で主食を摂取しないスーパー糖質制限を実践し､体重は72.2kgと4.4kgの減量に成功している｡タンパク質はたっぷり食べていると｡

20代の頃より20kgは増量しているとのこと｡週に一回はチートデイありとしておくが､今のところ糖質への強い渇望は感じていないようだ｡

前回の採血結果だが､HbA1c､中性脂肪､肝逸脱酵素など軒並み高い｡フェリチンも353と高いが､これは脂肪肝の慢性炎症を反映してだろう｡ただし､貯蓄としての鉄も十分にあるだろう｡

尿素窒素は10.4と何とか2桁｡タンパク質摂取量に気をつけていれば､スーパー糖質制限でも問題なくいけるかな｡甲状腺ホルモン値は基準内｡

次回も採血｡

今日は採血。スーパー糖質制限継続中だが､付き合い程度で時にご飯を食べることはあると。体調は良好とのこと｡

次回採血結果説明。

(採血結果)･･･☆( )内は前回値

抜群の改善｡

体重は71.6kgと､スーパー糖質制限3ヶ月で5kg減量に成功｡診察室血圧は初診時134/98で本日は139/82と､拡張期血圧で改善がありそう｡

自覚的には睡眠の質が改善していると｡甘いものが食べたくなったら低糖質のスイーツを選んでいる｡週末に1食だけ炭水化物を摂るが､もう慣れたと｡

順調｡この調子で継続していきましょう｡次回は甲状腺機能もチェック｡

(引用終了)

*1:プチ制限は夕食のみ主食を省く｡スタンダード制限は朝と夕で､そしてスーパー制限は朝昼夕で主食を省く｡

鹿児島認知症ブログ