日本の夏と冬の風物詩、お盆とお正月の帰省。
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年に1~2回しか帰省できない方が、少ない機会を利用して親が元気に過ごしているかを確認するために有用な観察ポイントを幾つか紹介したい。
何気なく質問する(あくまでもさりげなく)
年齢や生年月日を確認
子)オレも今年で40になったなぁ。早いもんだ。そう言えば、母さんは今いくつだっけ?
年齢や生年月日が言えたら、ちょっと安心。
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冷蔵庫の中身をチェックする
子)あー喉渇いた。ビール貰うね!
こう言いながらさりげなく冷蔵庫を開けて、中身をチェックしてみよう。同じ食材が溢れていたり、賞味期限切れの食材が多かったりしないだろうか。
日常の行動をチェック
子)最近さぁ、オヤジはどんな風に毎日を過ごしているの?
父)ああ、まあ色々やっているよ・・・
定年退職後の男性は、テレビとお友達になりがちだ。
- 家族との会話が減った
- 継続的に楽しんでいたはずの趣味に興味を示さなくなった
このようなエピソードには注意が必要。
言動に注目
日時を間違えていないか
子)ただいまー、今帰ったよー。
母)あら、あんた明日帰ってくるはずじゃなかったの?
子)いや、今日って言ったよ?
約束を忘れていた時の反応だが
- パターン①)あら、じゃあお母さんは聞き間違えたのね。急いでご飯の準備をするね。
- パターン②)いいや、そんなはずはない!急に来られても、こっちも準備があるのに・・
①であれば、たまたま忘れたということでいいかも。しかし、②はちょっと心配。勿論、元々のキャラクターもあるので、その辺りを加味して判断を。
置き忘れやしまい忘れはないか
子)そろそろ予約の時間だから、お店に移動しようか。父さんと母さんは、父さんの車でうちの車の後をついてきてね。
父)ちょ、ちょっと待ってくれ。さっきから財布と車の鍵を捜しているんだけど、どこに置いたのかな・・・
母)お父さん、ちょっと前から捜し物が増えているのよね・・・
物の定位置は、大体決まっている。もの探しが増えていないかをチェック。
同じ話の繰り返しや、こそあど言葉が増えていないか
父)いやあ、最近はお父さんもめっきり年を取ってねぇ・・・
子)まあでも、年をとったらそんなもんじゃないの?
母)そう言えば、仕事は順調なの?
子)うん、特に問題ないよ。このご時世、仕事があるだけでもラッキーだよね。
父)いやあ、最近はお父さんもめっきり年を取ってねぇ・・・
家族一同)・・・・(さっきから同じ事しか言わないな・・・)
父)ほら、ソレを取ってくれんね?ソコにあるソレよソレ!ソレじゃないがね、ソッチよソッチ!!
家族一同)何のことだろう・・・醤油のことかな?
話の流れに関係なく、同じ事を言い続けてはいないだろうか?(常同性ないしは滞続的)
また、こそあど言葉が増えていれば、それは語義失語※かもしれない。
※言葉の意味理解、物の名前などの知識が選択的に失われる症状のこと
実家では、のんびり親孝行しつつ目配りを
たまにしか帰って来れない子供達を、親は喜んで迎えるものだ。孫も一緒であれば更に盛り上がるだろう。
たまにしか会えないからこそ、「このチャンスを逃すまい!」と根掘り葉掘りの事情聴取みたいなことは止めておいた方がよい。あくまでもさりげなく自然に。
家族しか気づけない微妙な変化があるかもしれないが、たまにしか会わないからこそ過大(過少)評価してしまうこともあり得る。なので、帰省時に行うのはあくまでも「自然な情報収集」にとどめ、後日その情報を元に何を行うべきか判断しよう。*1
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もし親の衰えを感じたら、何らかの手段で活気向上を図りたい。頻繁に顔を合わせるのが最も良い方法ではあろうが、みんなそれぞれ忙しい。そこで一つ提案。
タブレットPCのプレゼントは、一考の価値ありだと思う。
実家にネット回線が引いてあれば、WiFi設定までしてあげたら喜ばれるだろう。ネット回線が無ければ、simフリーのタブレットと格安simをセットでプレゼントしてあげてもいいだろう。
そして、タブレットには自分達やお孫さん達の写真や動画を入れておく。余裕があれば、自分達の子供の頃の写真もスキャンして入れておくと喜ばれるだろう。
高齢化していく親にとって
- 自分の子供がちゃんと社会で活躍していること
- 自分の孫がすくすくと成長していること
これらは気になることであろうし、また刺激になることでもある。
写真や動画は現状報告にも使えるし、また思い出を想起するのにも使える。加齢に伴い新しいことを覚える力は必ず衰えていくが、昔の大切な記憶を守ることは今の力を維持することに繋がる。
自宅で使わなくなったタブレットがあれば、ご両親にプレゼントして是非活用して欲しい。