鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

イクセロンパッチとリバスタッチパッチ、皮膚症状を軽減した基材を開発。

 日刊薬業から。

 

nk.jiho.jp

痒み・かぶれの軽減に期待。

 

  小野薬品工業とノバルティス ファーマは19日、アルツハイマー型認知症(AD)治療薬リバスチグミン(販売名=小野薬品「リバスタッチパッチ」、ノバルティス「イクセロンパッチ」)について、新基剤に関する製造販売承認事項の一部変更承認を申請したと発表した。

 現行のリバスチグミンはシリコン系基剤を採用しているが、貼付部位の紅斑やそう痒症など皮膚症状の副作用報告を受けていたことから、合成ゴム基剤を採用した新基剤製剤の開発を進めてきた。開発品と現行製剤の生物学的同等性が検証されたことから一変申請を行った。(上記リンクより引用)

 

 

噂では聞いていたが、イクセロンパッチとリバスタッチパッチが新しい基材を開発したようだ。

 

基材とは、それ自体は薬の効能を持たず、薬剤の吸収効率を高めたり、病変部を保護する目的で使用される賦形剤のことである。

 

例えば、ゲンタシン軟膏。

 

1gのゲンタシン軟膏に含まれる抗生物質のゲンタマイシンは1mg。残りの999mgは、ほぼほぼ白色ワセリンである。ワセリンそのものは薬効を持たないため、ゲンタシン軟膏におけるワセリンは「基剤」である。

 

先日、フランスが抗認知症薬を医療保険収載から外すというニュースが話題になった。

 

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抗認知症薬に過度な期待はしていない自分だが、全く使えなくなると困る患者は大勢いる。

 

パッチ製剤は、少量で上手く使えれば著効することが多々ある。

 

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代表的な副作用である痒みかぶれが新基材で軽減されたら、その恩恵を被る患者さん達は大勢いるだろう。

 

ついでにといったらアレだが、パッチの剤型も増やして欲しい。

 

現行のパッチ剤型は4.5mg、9mg、13.5mg、18mgの4種類だが、

 

  1. 0.5625mg(4.5mgの1/8)
  2. 1.125mg(4.5mgの1/4)
  3. 2.25mg(4.5mgの1.2)
  4. 6mg(9mgの2/3)

 

この4種類があったら、仕事が捗るのは間違いない。

 

小野薬品さんとノバルティスファーマさん、是非お願いします<(_ _)>

 

リバスタッチとイクセロンパッチの痒みかぶれ

結構な頻度で起きる、パッチの痒みかぶれ