今回は考察抜きのケースレポート。
その日の診察終了直前に飛び込み紹介受診。画像データは持参のMRI軸位断のみ。
診察時間もデータも十分とは言えなかったが、初診から2週間後にはご家族が十分満足できるぐらいまで改善してくれた。
ちなみに、認知症外来では今回のような患者さんは普通に来院する。認知症診療において「確定診断」という言葉にこだわりすぎると後手後手に回ってしまうので、まずは大まかなキャラクター分類とニーズ(~を改善して欲しい)に応えることを優先させている。
80代男性 LPC(レビー・ピック複合)
初診時
(現病歴)
かかりつけから紹介。昨年から様子がおかしかったが、今年に入りもの忘れが一気に進んだと。その他詳細不明。
(診察所見)
HDS-R:8
遅延再生:0
立方体模写:不可
時計描画:不可
クリクトン尺度:ー
保続:なし
取り繕い:なし
病識:なし
迷子:なし
レビースコア:4
rigid:なし
幻視:なし
ピックスコア:3.5
頭部CT左右差:左側有意
介護保険:なし
胃切除:なし
歩行障害:ふらつき
排尿障害:頻尿
易怒性:?
(診断)
ATD:
DLB:
FTLD:
MCI:
その他:LPC
夜間の叫びあり、日中傾眠あり。LPCと考える。診察中も傾眠。
夜間の叫びには夕食前に抑肝散2.5gを、日中の傾眠傾向には朝食後にシンメトレル50mgで対応を。
2週間後
著効。奥さんは大喜びしている。本人も上機嫌。
かかりつけにバトンタッチ。
(引用終了)