DLBとiNPH合併例について発表
平成27年2月28日、岡山コンベンションセンターで開催された「第16回日本正常圧水頭症学会」で演題発表を行いました。
演題タイトルは
「特発性正常圧水頭症とレビー小体型認知症合併例の治療について(治療の優先順位及びその方法について)」
反応や如何に?
聞く人が聞けば分かる、「難治症例にコウノメソッド(グルタチオン+シチコリン)を用いて改善に繋げた症例」なのだが、会場の反応はどうだっただろうか?
ちなみに内容は
である。
A会場最後の発表で時間も押していたので、手早く発表。質問はお一人で、残念ながら名前は存じ上げなかった。
「SPECTの画像は出せば良かったかな?」と思っていたところ、案の定突っ込まれた。
ちなみに、この患者さんは他院より引き継いだ患者さんで、SPECTで後頭葉血流低下は指摘されていた。そして、
- 認知機能の変動
- 繰り返し出現する具体的な幻視
- 誘因のないパーキンソニズム
という中核的特徴を3つ持つ、Probable DLB(ほぼ確実にレビー小体型認知症)と診断されていた例。ちなみに、上記3症状のうち2つを持っていれば、ほぼレビー小体型認知症と考えて良い、という診断基準がある。つまり、DLBの診断においては画像は必須ではないということ。
これに対して、
「診断基準は?」
と聞かれたので、上記3つを挙げたところ
「画像で根拠を示さなきゃ」
と言われた。DLB診断において示唆的特徴や支持的特徴に止まる画像所見が必須、というのは腑に落ちなかったものの、まあ学会という場はそのようなものではある。
質問者の先生はDLBを疑った患者さんには全例、SPECTやPET、MIBG心筋シンチ、DAT-SCANを行っているのかもしれない。
本題のグルタチオンとシチコリンについては
「グルタチオンもシチコリンも、まあ使っても害はないだろうけど、エビデンスはなく完全否定されていますからね。そのようなモノを人様に勧めちゃいかんですよ。」
とのコメントを頂いた。
若干気色ばんでいた様に見えたのだが、気のせいだろうか。
少しでも興味を持ってくれる方がいてくれたら発表した甲斐もあるが、さてどうであっただろうか。
明日は、第一回認知症治療研究会に参加してきます。
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