イクセロンパッチに全く反応が無かった方が、驚くような改善
病院から処方される薬が全てではないということ。
77歳女性 アルツハイマー型認知症
(記録より引用開始)
初診時
物忘れが主訴の77歳女性。穏やかな感じだがどこかボーッとした印象。自営業で店番をしているが、同じ事を何度も尋ねてくる、計算が怪しくなってきたなど。
- HDSR16点
- 遅延再生0点
- 数字関係満点
- 立方体OK
- 時計OK
- レビースコア3点
- 表情は活気が無い
頭部CTで海馬萎縮軽度〜中等度。
遅延再生低得点を重視してATD>DLBで考えイクセロンパッチ開始。
診断悩ましい。
1ヶ月後
パッチの掻痒感なし。目立った変化はない。9mgに増量して次回は1ヶ月後。
家事や商売も今まで通り行っている。掻痒感対策の軟膏塗布はしっかり出来ている。
更に1ヶ月後
9mgに増量で目立った変化はないと。
娘さんからは更なるイクセロンパッチの増量希望があったが、ADLが自立している方であり、ひとまず現状維持を提案したところ、了承された。
更に1ヶ月後
全く変わらないと。
ご家族から再度増量希望あり。イクセロンパッチを13.5mgに増量。それでも変わらなければ、休薬して3ヶ月様子をみてみましょうか。
更に2ヶ月後
HDSRは17/30で遅延再生1点。4カ月間維持はできてはいるのか。
イクセロンパッチは13.5mgで軽度発赤。リンデロン塗布で。
更に1ヶ月後
イクセロンパッチを半年間使ってきたが目立った変化はないということで娘さんと意見が一致。
一旦イクセロンパッチは中止にして、フェルガード100Mに切り替えてみましょう。また、ココナッツオイルを試してみたいとのことであったので、書籍を含めお勧めした。
そして3ヶ月後
ココナッツオイル+フェルガード100Mで3ヶ月ぶりの受診。
日時見当識は弱いが、前回よりHDS-Rは7点上昇。周辺症状は全くなし。ADL自立。活気面、自発性の改善あり。
次回も3ヶ月後で。
(引用終了)
目立った周辺症状がなく、かつ抗認知症薬の効果の実感が得られない場合
一旦抗認知症薬を止めてみるのも選択肢の一つ。本当に効いているのかどうかは、止めてみないと分からないこともある。
この方は半年間抗認知症薬で治療を行ったものの、全く変化が無かった。それが、ココナッツオイル+フェルガード100Mを3ヶ月使用した結果、大幅な中核症状の改善が得られている。
最初の経過からみている自分としては、この瞬間のご本人の様子は
「治ってしまった」
としか言いようがなかった。
認知症診療をしていると、時にこのような方に出会う。3ヶ月後の再開が楽しみとなった。
ココナッツオイルについては下記のような報告もあるのでご参考までに。

この方は明確な幻視や認知変動はなかったが、レビースコアが3点あったのでDLBの要素を少しは持っているのだろうか。
ちなみに、「まるで認知症が治ってしまったようだ」と感じる患者さんは、レビー小体型認知症の方達に多い印象を持っている。不思議な病気だと思う。
初診から1年経過。フェルガード100M+ココナッツオイルで6ヶ月経過した現在・・・ - 鹿児島認知症ブログ
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