パーキンソン歩行が速やかに改善
外来で歓声が沸いた。
初診時
レビー小体型認知症と診断され、現在は施設に入所されている方。
ご子息がセカンドオピニオンを求めて一緒に来院された。
HDSR:21
遅延再生:6
時計描画:可
立方体模写:可
保続:なし
取り繕い:なし
迷子:なし
レビースコア:10.5
rigid:あり
ピックスコア:1.5
頭部CT左右差:なし
クリクトン尺度:16
介護保険:要介護1
胃切除:なし
(診断)
ATD:
DLB:〇
FTLD:
MCI:
その他:
声は大きく、視線もしっかり合う。しかし、表情は暗く性格は超まじめ、左上肢に歯車様筋固縮を認め、左上肢の振戦は強い。幻覚も強い(子供がありありと見える)が、特に困ってはいない、歩行は小刻みで手は振らない。諸々DLBを強く示唆する。CTではフロンタルレビーの印象。
かゆみが強いとのことで、一旦イクセロンパッチは18mg→13.5mgへの減量を。また現在レボドパ400mg/dayを内服中だが、300mg程度に減量して少量ペルマックス追加、またコムタンも可能であれば減量、を紹介元に提案。
ご子息がグルタチオンに興味を持たれており、明日午後で投与予定とする。
グルタチオン800mgで。最低6回は打ってみましょうか。
翌日
グルタチオン800mgを15分で投与。
前後での目立った変化はなし。
初診から4日後
二回目のグルタチオン。今回は1000mgで。投与直後に本人に確認したが、「変わりない」と。
しかし、ベッドからの起き上がり動作が明らかに早くなっている。また、すくみ足は認めず、歩行スピードの向上と安定性が増している。
冗談でステップを踏んでみせた!表情にも笑顔が増えている。看護師さん達が驚きの声をあげた。
次回も1000mgで。著効例と考える。
(引用終了)
ご子息から許可を頂いたので、動画を掲載する。
今後の経過に注目
今後は1回投与量1000mgで週に2回投与していく予定。
かかりつけの病院主治医と相談しながら、経過次第だがパーキンソン対策の薬が減量出来たらと考えている。
グルタチオン(Glutathione, GSH, Glutathione-SH)は、3つのアミノ酸から成るトリペプチドである。グルタチオンの生理的機能は多々あるが、主要な機能は大きく2つに分けることができる。
ひとつは細胞内のチオール環境を維持することである。チオールは生体内の主要な抗酸化成分である。グルタチオンは自らのチオール基を用いて過酸化物や活性酸素種を還元して消去する。また、タンパク質中のジスルフィド結合を還元して2つのチオール基に戻す。更に、グルタチオンは細胞のシステイン源でもあり、システインはチオール基を含む。
もうひとつの主要な生理機能は、様々な毒物・薬物・伝達物質等を細胞外に排出することである。グルタチオンはこれらの物質を、やはりシステイン残基のチオール基に結合させ(グルタチオン抱合)、自ら細胞外に排出されることで、細胞を解毒する。(wikipediaより引用)
元々肝臓病などで古くから使われていた薬剤だが、パーキンソン症状や活気の改善を狙って使用する場合には、保険適応で定められた量(200〜400mg)よりも高用量(600〜2000mg程度)が必要なため保険外診療となる。
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