DLBの方の紹介が続いたので、この辺りでDLBの定義と診断について簡単にまとめておく。
DLBの定義
Alzheimerの元で働いていたLewyが、1912年にパーキンソン患者の剖検脳にエオジンで赤く染まる小体を発見。これがいわゆる「レビー小体」。
長らくパーキンソン病に特有の病理所見と言われてきたが、脳幹や間脳以外には殆ど出現しないと考えられてきた。しかし、1970年代後半に小阪がパーキンソニズムと進行性の認知症を呈した患者の大脳皮質に、多数のレビー小体を認めたと報告。以降同様の報告が相次ぎ、1995年に第一回DLB国際ワークショップで「レビー小体型認知症」という呼び方が採択された。
DLBの概念や分類はもう少し細かいのだが、ここでは割愛する。
「この人はDLBでは?」と疑うポイントとして例えば
こういった所見は有用。他にも、
- 視線が合わない
- 手を振って歩かない
- 歩き方が小刻み
などもDLBを引っかける手がかりとなり得る。
では引っかけたら次は何をするかというと、
診断
コウノメソッドの中でも非常に重要な診断ツールであるレビースコア。これで3点以上のスコアであれば、DLBの可能性が濃厚となる。
診断に苦慮する場合には、MIBG心筋シンチやSPECTなどは有用。しかしこれらは費用もかかり、かつルーチンで行うことは困難である。
まとめ
スコアが高得点でDLBの疑いが濃厚となれば、これまで記載してきたように薬剤過敏に注意しながら周辺症状制御に努めつつ、タイミングを見計らって中核薬(少量アリセプトやリバスチグミンなど)を検討する、という流れで治療を行っている。
認知症の中核症状、周辺症状、また薬の種類などについては、またの機会に。
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