予期せずして運転免許証を取り上げられた高齢者は、混乱し憤り我を失う。家族も心を傷め、右往左往する。 「そうなる前に準備しておかなかったのが悪い。自己責任だ」という意見を耳にしたことがあるが、「高齢化社会では明日は我が身」という考えを持つ人ならそ…
とある病院にご入院中だった方。 これまで統合失調症+正常圧水頭症というケースの治療例はあったが、双極性障害合併例は初めてだったのでご報告。
認知症患者さんを診ているうちに、ご家族も診るようになったことが度々ある。自分で診ることが出来る場合もあれば、「これは難しい・・」と感じる場合もある。
脳萎縮の左右差が目立ってきた時に考えるのは前頭側頭葉変性症(FTLD)だが、臨床症状としてはむしろアルツハイマー型認知症(ATD)の症状が目立ってきた、という方である。幸い、目立った周辺症状なく経過出来ている。
最初にその患者さんに同伴したのは、施設スタッフと訪問看護師であった。次の診察では娘さんだけで、スタッフ同伴はなかった。
小脳出血や小脳梗塞によって傷んだ脳組織は元には戻らない。しかし、出血や梗塞領域の周囲の脳組織は生きている。 この生き残った脳組織は、脳卒中急性期に激しい酸化作用に曝されている。その影響が、慢性期になっても残っているのではないだろうか?そしてそれが…
さもありなん、さもありなん。
「毎度ありがとうございます→まいどあり」 「焼酎ハイボール→酎ハイ」 「就職活動→就活」 言葉を略する力が高い(好きな?)日本人。造語能力が高いとも言えようか。
前回の妊婦さん記事がご好評を頂いた。 www.ninchi-shou.com 今回は前記事の補足として、この妊婦さんの採血結果から私見たっぷりに考えたことを書いてみる。
以前、「若者がストレスに負けないためには肉を喰って鉄を摂った方がいいよ」という記事を書いたのだが、嬉しいことに多くの方の目に留まった。 www.ninchi-shou.com 友人の女医さん(以下Uさん)もその一人だったようで、ブログのFBページにコメントがあった。 (FB…
認知症外来には、こういう方も大勢来ますよというお話。
ある日の外来に飛び込み受診された方。 他院入院中に認知症と診断され薬が始まったが、このままでいいのか心配になって退院同日に娘さん夫婦が連れてきた。
当院は脳神経外科なので、頭のCTを撮る機会が多い。 CTで小脳が萎縮している人が結構多いことが、最近は気になっている。
自分がどのような診療をしたいのかということを掘り下げるために、いつもの如くアリセプトを題材にして考えてみる。 アルツハイマー型認知症と診断した患者さんに、アリセプトを3mg処方する。 次回診察時に確認すると、活気や自発性の向上が得られたとのこと。よか…
www.carenet.com 刺激的なニュース。
先日、ある先生が亡くなられたことを人づてに知った。 ご高齢ではあったが、現役で診療を続けておられた。標榜されていた科から想像する限りは専門外であったと思うのだが、認知症診療にも積極的に取り組まれていたようだ。 当院がオープンして間もない頃、「元気で…
日本の夏と冬の風物詩、お盆とお正月の帰省。 flickr photo shared by Hikosaemon under a Creative Commons ( BY ) license 年に1~2回しか帰省できない方が、少ない機会を利用して親が元気に過ごしているかを確認するために有用な観察ポイントを幾つか紹介し…
凄い時代になってきましたね。 buzzap.jp
今回は3年ほど前に経験した例をご報告。 初診時に胸部レントゲンまで撮っていたら、その後少しは結果が違っていたのだろうか?
開眼失行(開瞼失行)という病気(病態)がある。開瞼失行の読み方は「かいけんしっこう」である。 今回は、20年来の開眼失行がグルタチオン点滴で著明改善した例を報告する。
巷で大流行中のPokemon GO。 ポケモン世代ではないからかどうかは分からないが、自分は興味がない。*1 大の大人が群れを成してスマートフォンをのぞき込みながらウロウロする様は、自分の眼には異様に映る。一体あの心境とはどのようなものなのだろうか?単にゲー…
興味深い論文を読んだので、思いついたことを書き留めておく。
どの時点で介入出来るかで予後は大きく変わりうる。 今回の方は、「間一髪セーフ」といったところか。
「薬はいらないだろうなぁ・・・」 患者さんを診察してそう感じれば、自分はご家族にそのままを話す。納得するご家族もいれば、抗認知症薬処方を強く希望するご家族もいる。 今回は薬を欲するご家族の心理と、その結果起きているかもしれない「薬害」の可能性について…
メディアを通じて表に出てくる介護の話は、悲惨なものが多い。 【衝撃事件の核心】血ヘドはく「老老介護」破綻 鬼の形相で「殺せ!」と叫ぶ認知症母を殺害 長男は「ごめんな、ごめんな」と謝り続けた(1/5ページ) - 産経WEST センセーショナルな内容であれば…
家庭天秤法の威力、献身的介護と客観的視点の両立の重要性、キャラクター分類の重要性。 この患者さんとご家族からは、様々な事を学んだ。 flickr photo shared by hans s under a Creative Commons ( BY-ND ) license
認知症患者さんの経過中には様々な事が起きる。どの一人をとっても、全く同じ経過を辿ることはない。何か起き始めている気配がないか?減らせる薬はないだろうか? 目配りをし続ける。
いつかはこのような日が来ると思っていた。
年をとれば足腰は弱り体力は低下し、判断力は鈍くなる。更に追い打ちをかけるように、ガンや脳卒中、認知症が加わってくる。自らの老いを認め、達観して老後を過ごせる人は一部であり、日本の高齢者を待つ未来は総じて明るいとは言えない。
病歴や治療経過、症状の経過、画像所見。あちこちに散在するヒントをかき集めて考える。
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