鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

「認知症者へのコロナワクチン接種に同意します」という同意書。

5月26日に、厚生労働省が「新型コロナワクチン接種後の死亡として報告された事例の概要」という報告書を出した。 厚生労働省ページへのリンク 前回のブログでも懸念は表明したが、予想通り死亡者数は増えていた。

「コロナワクチンの接種は任意」という原則は、認知症高齢者で守られるだろうか。

コロナワクチン(コミナティ筋注)の接種が進んでいる。 厚生労働省の発表する「先行接種者健康調査」によると、先行して接種した約2万人の医療従事者における副反応の出現率や種類は以下のようになっている。 既に各所で指摘されているように、2回目の摂取後の全身…

【症例報告】語義失語、左半側空間無視、左上肢の肢節運動失行を呈していた高齢女性。

Nさんは、夫と二人で暮らす80代後半の女性である。 火の消し忘れ、冷蔵庫の開けっぱなし、料理の味付けの変化など気になることが増えてきており、また、内服中の薬が多すぎるのではないかとのことで、御家族に伴われて受診された。

【症例報告】1年間でHDS-Rが10点上昇したレビー小体型認知症の女性。

レビー小体型認知症の80代の女性、Aさんを紹介する。 余計な薬を省き、必要と思われる薬を少量使用するといういつものやり方で、当院に転医してから1年でHDS-Rは18点→28点に上昇した。 Aさんにはドパコールがとても良く効いてくれたのだが、ドパミン不足の方にドパ…

減薬医としての矜持。

Aさんは施設入所中の方だ。 かかりつけの病院で何かを相談するたびに薬が増え、その都度具合が悪くなっていくという状況に業を煮やした家族が、「ちゃんと診断して、出来れば薬を減らして欲しい」と希望してAさんを僕の所に連れてきた。 前医の診断はパーキンソン病…