鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

もって他山の石とすべし。

60代の女性、Aさんの話。 Aさんは5年ほど前から抑うつ傾向が、3年前から歩行困難が出現した。 手の震えを自覚するようになった2年前に、B病院の脳神経内科を受診するも特に診断は告げられなかった。 その後も歩行困難や腰痛・背中の曲がりが改善することなく進行し…

【症例報告】日中100回以上トイレに行く高齢男性。

他者から見て目的があるようには見えない、しかし延々と繰り返される行動のことを「常同行動(常同運動症)」という。 認知機能が衰えると常同行動が目立ってくる。ピック病(≒前頭側頭型認知症)の常同行動は有名だが、アルツハイマーでも他の認知症でも常同行動は見…

「早期発見、早期絶望」はご勘弁。

今回紹介するAさんは60代前半の男性。恐らく50代半ば頃に発症したと思われる意味性認知症の方である。 65歳未満で認知症を発症したら若年性認知症と定義されるが、若年性認知症という特別な認知症があるわけではない。

無事に運転免許を自主返納した80代男性。

高齢者の運転事故のニュースを目にする度、 「自分の患者さん達は大丈夫だろうか?」 と思わずにはいられない。

「投薬は侵襲行為」という自覚。

薬を処方するということについて、思うところを書く。