鹿児島認知症ブログ

鹿児島でコウノメソッドや糖質制限を実践している脳神経外科医のブログ

主介護者の無慈悲な一言。

病気を切っ掛けに、外出しなくなってしまったAさんを紹介する。 家に引きこもり、日がな預金通帳を眺めているうちに「俺の預金がこんなに少ないはずはない。誰かに盗られたに違いない!」と妄想を抱き、ついには銀行に怒鳴り込むようになった。 何度か警察沙汰にもな…

「アルツハイマー型認知症の治療薬、アデュカヌマブの治験中止」というニュースに感じた既視感。

アリセプト発売が1997年、リバスタッチパッチ、レミニール、メマリーが日本で発売されたのが2011年。 未だに、新たなアルツハイマー型認知症の治療薬は世に出てこない。そして先日、期待されていたアデュカヌマブの治験中止が発表された。

【症例報告】栄養療法併用で約3年間経過を追ってきた意味性認知症の方。

今回紹介するHTさんは、約3年間経過を追っている意味性認知症の方である。遠方から来院されるのだが、途切れなく今でもお付き合いが続いている。

【症例報告】認知症になっていくか分からない曖昧な状態を、曖昧なまま経過観察していく難しさ。

今回は、通院から1年ちょっとで来院が途絶えてしまった方を紹介する。 ADLは自立しているが、特に強い病識を持っているわけではないMMさん。ただし、奥さんは今後について漠然とした不安を感じていた。 奥さんの想いにMMさんが引きずられる形で通院が始まったが、結…

【症例報告】FTD(前頭側頭型認知症)へ移行するのかどうか、経過観察中の70代男性 。

診察していて受ける印象はATD(アルツハイマー)だが、頭部CTでは脳萎縮の左右差が明瞭でFTD(前頭側頭型認知症)を気にせざるを得ないという、ちょっと悩ましいKWさんをご紹介する。 画像所見よりも臨床的表現型を優先させる方針で普段診療しているが、脳萎縮の左右…

「医師は医療資源」という考えについて。

大分前の事になるが、ある講演を引き受けたことで経験した苦い思いについて書いてみる。 今回はいつもと違った感じにしたいので、実験的に一人称を「僕」としてみる。

【症例報告】モビコールが便秘に著効した、レビー小体型認知症の男性。

便秘薬のモビコールが著効したレビー小体型認知症の方を紹介する。 認知症患者さんの排泄への配慮は、特にDLBの方にとっては重要である。 DLBの方にほぼ必発の頻尿や便秘にうまく対処出来ないと、幻視や易怒といった介護をするうえで厄介な陽性症状が出現しやす…

【実験】便秘薬のモビコールを試してみた。

2018年11月20日、慢性便秘症の治療薬モビコールが薬価収載された。 今回は、モビコールの特徴と使用感、そして自分が考えるモビコールの良い適応について説明する。 モビコールとは? モビコールの特徴 モビコール®は、慢性便秘症に対して使用可能な国内初のポリエ…

【症例報告】インフルエンザ後に気力体力低下。補中益気湯で復活した90代後半の女性。

今回は、そろそろ100歳になろうとする超高齢女性を紹介する。 補中益気湯は、インフルエンザ罹患後の気力体力低下にしばしば著効する。また、病後の回復だけではなくインフルエンザの予防効果も期待出来る。*1 ちなみに、補中益気湯が奏功した人には清暑益気湯もお…

「軽度認知障害や軽度アルツハイマーに抗認知症薬(ChEI)を使用したら、改善よりも悪化した患者の方が多かった」という研究から考えたこと。

MCIや軽度アルツハイマー型認知症の方に初診時から積極的に抗認知症薬を処方することは滅多にない。 これまでの自身の臨床経験と複数の研究報告から、「抗認知症薬は取り扱い要注意の薬だ」と考えているからである。

抗パーキンソン病薬に疾患修飾作用がないのなら、DBSにもっと期待してもいいのではないだろうか。

Carenetから。 パーキンソン病へのレボドパ製剤投与、疾患修飾効果なし/NEJM|医師・医療従事者向け医学情報・医療ニュースならケアネット 初期のパーキンソン病患者に対するレボドパ+カルビドパの併用投与について、疾患修飾効果が認められなかったことが…

【症例報告】介入から3週間でひとまず落ち着いた、病型診断困難な超高齢者。

今回紹介する方は、病型診断困難な90代の女性YFさんである。 パーキンソン病、レビー小体型認知症、過活動膀胱、不眠症、慢性胃炎、便秘症などの病名で、他剤服用中であった。 3つの病院それぞれから薬が出ていたが、「かかりつけ医はどの先生ですか?」と聞いても家族は…

対人スキルに乏しい医者。

ざわめく中で複数の人から声をかけられ、それらに耳を傾け当たり障りのない返答を返すことが苦手だ。

【2019年】グルタチオン点滴(改)

変性疾患の治療にグルタチオンを用いるようになって5年ほど経った。 試行錯誤を続けているが、今の点滴療法の一端を御紹介する。

人生の師。

「『最期に、クリニックの皆さんに会いに行きたい』と父が言っています。連れて行ってあげてもよいでしょうか?」 Nさんの娘さんから連絡を受けたとき、終わりが近づいていることを知った。